全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

31 2010

雪村先生ルート クリア

心療内科医に乙女ゲー1番のトラウマを植え付けられるとは思っても見なかった。

今まで私のトラウマルートは、宇宙意識の後白河だったのですが、それを超える存在に出会えた。
後白河も後白河で主人公を別に好きでもないのに面白おかしくセックス、面白おかしく人を虐殺、他人のルートで大暴れするなど、惨憺たる経歴の持ち主でしたが、雪村先生はそれを遥かに、優雅に、軽々しく超える乙女ゲー屈指の最低野郎として光臨なされました。
間違っても彼は地上に降り立ってはいけなかった。

先に言っておきますが、彼にはBADEDしか存在しないというトラウマを植え付けるために生まれでたトラウマの申し子たる資格を有した素晴らしいお方です。

そしていざそのルートはといいますと、少しずつ、ゆっくりとトラウマの門を拓いていく、素晴らしいルートでした。乙女ゲーでやってはいけないことを圧縮したような素晴らしいルートです。昨今キャラ萌えやとりあえず盛りこんでおけばいいや的な萌えイベントが多い中、これをやってのけ世に送り出したことを私は評価したい。
物語は木端微塵に粉砕されているものの、ある意味納得の出来るストーリーには流石美蕾様と言わざるをえない。この話はこのメーカーにしか出来ない、そういうメーカー独特の味を味わえる出来であったのは確か。

しかしその味が、ゲテモノにゲテモノを加えた前菜・ゲテモノ、スープ・ゲテモノ、メインディッシュ・ゲテモノ、デザート・ゲテモノのゲテモノのフルコース。調味料にヤンデレというスパイスを加えるこのハイセンス。腹一杯になるどころか便所に駆け込んで1時間ぐらい便器と対面するようなお料理でありました。

主人公が神経を使いすぎ、上司に心療内科に行って来いと言われて雪村先生と出会う。
これがそもそもの間違いだった。
何を思ったのかいきなり、貴方は素晴らしい女性だ的に口説かれ、ホイホイとそれに従ってしまう主人公。雪村先生ルートにいくにはこの選択肢を選ぶしか無いのが本当に辛かった。他のキャラルートでは「いきなり何言ってんのこの人……気持ち悪い…」的な選択肢を選べることが幸せなのだと、この時は気付かなかった。

その後雪村先生の元へ通うことになり、緊張しないで目を瞑ってリラックスして、と何かやらかされるフラグを折っ立てまくる先生。帰りたい、家に、帰りたい。
キスでもされちまうのかなと思っていた私だが、大方の予想を裏切り指を舐め始めるという斜め上の行動をし、そのまま病院のベッドで流れるようにセックス。もう、なにがなんだか。

その後も病院の奥の部屋(雪村先生曰くプライベートルームらしい)に連れていかれたと思ったら、薔薇にまみれたベッドに寝かせられるという、常人には理解不能な素晴らしいセンス。そのまま高いワインを服の上から掛けられ「味わってください、美味しいでしょう?」とか無理難題を言われ、そのままピアノを弾いてみろというもう何がしたいのかサッパリな命令をされた後、上手く弾けない主人公に対して(そりゃ弾けんわ)「上手く弾けないなら、僕が君を弾いてあげましょう」と上手いこといった感がひしひしと伝わる決め台詞。
何が目的でセックスしてんのかわかんないよ!もう先生にとってセックスとかどうでもいいんだと思う、セックスで得られる快楽とかそういうんじゃない、むしろもっと奥の深い……いやそういう意味じゃなくて。
セックスが終わり記憶が飛ぶ中で(どんだけスゴイ行為だったのかこれだけでもよくわかるね)、「妻」という先生の発言。

そしてここからが、プレイヤーの傷口を塩コショウふって踏みにじらんとばかりの展開が待ち受けている。

主人公には高校時代から仲の良かった友人が居るのですが、その友人・結奈は高校卒業と同時に医者と結婚したはいいものの、その夫が浮気癖が酷くて困っている、という相談を受ける。

勘の優れた方ならおわかりでしょうが、この友人・結奈の夫こそが雪村繪、その人です。
しかしそんなことは知らぬ主人公、とある日に結奈から「親友である主人公の話をしたら、夫が改心してくれた。今度三人で会おう」という話を持ち出される、ムチで打たれるより痛いこの仕打ち、ムチで打っていいからもう許して欲しい。この胃の中で渦巻く嘔吐感、なんか今なら胃の中から何かを生み出せそうな気がする。

そしていざあってみると、何食わぬ笑顔でご重鎮される雪村先生と何も知らぬ友人・結奈。
そのまま二人の時に食事した場所で、今度は三人で食事。ダンナと嫁と浮気相手という大変ユニークなメンバーで食事しているとは誰も思わなんだ。そして素晴らしいのが雪村先生が笑顔でしゃべりまくること。さすがの主人公も「こいつ……!」だの「一体どういう神経してんだ……!」だの当たり前のことを仰ってますが、知らなかったとは言えあなた浮気相手ですからね。親友のダンナと二発も中出ししとりますからね。

大変楽しい食事(トイレで食べる飯より不味い)も終わり、雪村先生から会おうという電話がかかってくる。ふざけんな!という態度を示すも、待ってますとご丁寧に待ってくださる先生。
そのいつものバーに行かない選択肢を選んだBADEDが、主人公にとって一番幸せなのだと思うと胸が切なくなる(動悸息切れ)。でもそのEDに行っても雪村先生は別の女と浮気するというハイクオリティ。先生は何かの収まってないと死んでしまう病気なんだと思う。

カットしよう、もう彼の大事な息子をカットしよう(迷いのないまっすぐな瞳で)。
中出ししても子供が出来なかったのは奇跡だと、神からの祝福だと思ってカットしよう。

そんな私の思いも虚しく、約束のバーで先生を飲ますと、過去がちらほら見え隠れする。
先生の父親は家に金を入れれば何をしてもいいという人だったらしく、母親はそのせいで半狂乱、両親は息子を顧みず……といったふうだったらしい。そんでその息子も父親と同じなっちまったんだ、とやさぐれながら話してましたが、個人的にはそのままワインボトルを先生の口に突っ込みたかった。樽ごと行っても許されるんじゃないか?

そのままなあなあに二人で会う日々が続き、二人でオペラに行った帰りに、その現場を妻であり友人である結奈に見られてしまう。

あ、あーあ……。

このくそ泥棒猫、てめえだったのか浮気相手は!と詰り飛ばされますが、それだけで済まされるならまだ幸せだよね。しかしそれだけでは許されない(当たり前だ)、ここで言い訳をするかしないか、黙るかの選択肢が現れる。

言い訳をしたら結奈が豹変してボッコボコに殴られる。いけ!やれ!そこもっと!(拳を握りながら)
そしてそれをハハハと笑いながら助けも出さない止めもしない雪村先生、結奈さん!ついでに後ろにいるお宅の旦那さんもやっちゃってください!

とりあえず一段落ついたと思ったら、その後雪村家にご招待され、なぜかホイホイと行く主人公。馬鹿!そっちは弾幕の嵐だぞ!死ぬ気か!
しかしそこには結奈が平然とお茶出ししている姿が。おかしいと思いつつも出された紅茶を飲みつつ話をしていると結奈がだんだんと狂い出し、ついに獲物(包丁)を取り出す。ま、本気だ!
あんたはここにいちゃダメなの!の台詞に始まり、消えて、死ねの連続、殺してやる!の絶叫の後、画面は赤く染まりEDのスタッフロールに入る。

救いどころか、雪村先生が微塵も反省せず、皆無も報復を受けていないところが、このルートのミソですね。言っておきますが、どのEDも反省もしないし報復も受けないのでヤッたもん勝ち状態です。

パイプカットすら甘く見えてくる現状。

とはいえ、浮気したとき、男性は浮気した女性本人を責め、女性は浮気相手の女を責めると言いますけれども、なかなかしっくり行き納得の出来る話であったのは確かな事です。刺されるまでのことをしたかと問われればそうではないとは思いますが、それでも毎度の浮気に耐えていた現状に、親友まで浮気相手になったと知った時の結奈の心情を察すると、自然と心苦しくなるものです。
当然主人公は報復を受けて然るべきですが、先生が最後まで笑顔でそれを見ていたと思うと「あ、最底辺超えたな」と素直に認められました。


言い訳をしないとどうなるか、結奈が笑顔で「貴方は最高の親友だわ」といって、その場で雪村に別れを告げる。そして先生は「帰ろう僕たちの家へ」と言って一緒にお家に変えることに。確かに家に帰りたいなとは思ってたけど、そっちじゃないです先生!安らがない家ナンバーワン!
しかし数ヵ月後、会社帰りに女と歩いている雪村先生を発見、そしてその隣の女性は結奈だったという五臓六腑に染み渡るオチをつけていただいた。トイレへ…行っても…もう出すもの、が、ない。

黙る選択肢を選べば、結奈が泣きながらその場を去り、先生は「つまらない見世物だった」と冷めた表情で言い放つ。先生は、私の予想を遥かに超えてゲテモノでらっしゃる。拍手をしながら涙を流し、小一時間罵倒し続けたい。
その後も雪村先生との関係は続くが、次第に結奈の幻覚を見るようになる。生やさしい仕打ちだな、と思っているその時の私は甘かった。
雪村先生に毎晩電話をかける主人公、その後に結奈からの電話が。戸惑いながらも電話に出ると、明るい感じで話す結奈が。それに合わせて明るい話をしようとする主人公(反省はブッ壊れた)
「毎日欠かさず電話はするのね」
「いったでしょう?許さないって」
「あの人がわたしをすてても、あなたのそばにいれば、あのひとにあえるのよ?」
という結奈の涙が止まらない言葉に始まり、部屋の中から結奈の声が。乙女ゲーのディスクをつっこんだと思ってたけど、ホラーゲーのディスクだった。間違ってた。(効果音がひぐらしのなく頃にで使われていたものと同じという徹底ぶり)
そして後ろから声がし、振り返ると結奈の立ち絵のドアップ(逆さま・色反転という演出付き)で現れED

トラウマ新記録ということで飲んだ酒が、全部吹っ飛んだ。
背筋を整えてこれを打っていますが、何度見ても高圧電流走るEDばかりです。特に、結奈が絡むEDはホラーゲーム化していて、エロゲーでも乙女ゲーでも無くなっているのが膝を抱えて泣き出したい気分にさせられる。

その他にも結奈にバレないように雪村家でセックスとか、結奈にバレないように電話で会話とか、たまんねえです。どこまでプレイヤーの胃を圧縮させる気かと、どこまで踏みつぶしてくださるのかと。

ただ、納得は出来ます。
結奈が病むのは、ヤンデレ好きとしてみれば可愛かったし、そして悲しかった。もうただただ可哀想でたまらんかった。その点、雪村のポコチン野郎がですね、欠片も反省せずに報復も受けずに済んだというのが心残りでしかたがありません。ポコチン断罪ルートでもあれば大満足だった。胃も浄化されるはずだった。
主人公も反省してんのかしてないのか、限りなくしてないに近く、結奈を心配する素振りをみせつつその後も関係を続けたことに、途中から目を覚ませということよりもどこまで下がり成り果てるのか。もう同情とかそういう気持ちはすべて結奈へ、夫からは愛されず、それでも夫を愛し続けた結奈へ。
主人公が結奈にひどい目に合わされても、それでもまだ結奈がかわいそうで仕方がなかった。だってどれをとっても、結果は変わらずに結奈は不幸のままさらに不幸になってしまうか、雪村はポコチン野郎のままです。

そして雪村先生のバックグラウンドを垣間見えて、どうして雪村先生がこんなんなっちまったかを知る機会を与えられたにもかかわらず、それを一切回収せず掘り下げなかったことに私は拍手を贈りたい。なんてものを作ったのかと。
それまで暫定トラウマ1位だった後白河はバックグラウンド一切見せずの、最初からド変態野郎でしたが、まだソッチの方がよかったと思わせられるとは思っていなかった。背景聞いても「だったらなんだ」で終わってしまうとは思わなんだ。

乙女ゲーというのは、大抵は男の古傷の癒すものが大多数ですが、癒すどころか傷口おっぴろげて誰一人幸せにならずに居る、というのはこれは一体何のゲームかと考えてしまった。ホラーゲーム的演出が際立って、本気で恐怖を味わえたことは面白い点であったけども、乙女ゲーで重要な「ハッピーエンド」または「幸せになる」という物が一切見られない、突き抜けて戻ってこなかった話だった。

悪化の一途を辿りきった点は評価したい。
ただ、乙女ゲーでやるべきではなかった。でもやってしまった、そして世に送り出した、スゴイ、凄いが……これは、なんか、胃から込み上げてくるものがありますね。

別の面で評価できるのは、結奈のヤンデレ。ヤン“デレ”とは言えないかも知れませんが、病み方が昨今『愛情過剰で人を殺せばヤンデレ』的なモノとは違う、本質に触れかけたものであったと思います。すみれのハルルートでも語りましたが、行動することにより主人公やその周りのその後のことを考えたりするのは本気度が全然違うし、病んでるとは言い難いものだと思います。(かといえ全然考えないのがいいかといえば、そうではないとも思います。難しい)
ただ彼女の行動と気持ちは、これまでの仕打ちや状況を考えればとても納得出来るもので、あまりに可哀想だった。主人公とか先生とか二人でどっか行ってもいいから、彼女に幸せになって欲しいと思った。
むしろ彼女が、雪村先生の古傷とやら(もう古傷がだったらなんだ状態)を癒してあげるお話があればなあと。BADEDしか無い以上、脳内補完で我慢する現状ですが、それがまた悔しい。

ちなみにアナザーストーリーでは、結奈と別れて主人公と結婚するも、なんか周りがおかしいこと言い出したと勘違いして主人公がおかしくなり、目隠しセックスに加えメスとか取り出して下着ビリビリ破いてました。本編でもこれやってて、なんか切ない気持ちになった。悲しい気持ちになった。


長々と語りましたが、雪村先生が私の胃を一番ぎりぎり絞めつけてくれました。これで心療内科医、何を信じていいのか。胃からももう出すものがありません。アルコールも全部吹っ飛びました。

クラキミの高坂先生さえ超えられなかったあの壁を、今超えた。
後白河を超える存在は居ないと思っていたものを、今超えた。

先生とつくものに変態あり、この教訓をひたすら活かしていきたいなと思います。18禁で先生とか言うのにはろくなのが居ない。


雪村ルートをやって良かったのは、おそらくこの先やるルートがどれも良く見えるんだろうなと思えることです。
宇宙意識をプレイしたとき、頼朝ルートをやって『これより悪いのは来ないだろう』と思っていたら後白河が来たという経緯がありますが、さすがに性格的にこれより上を行く人は居なさそうです。居たら涙を流しながらブログを更新したいと思う。

今すみれのユキルートとかやったら、号泣する気がする
同じブランドのゲームに、大好きな萌えと、絶望のトラウマを与えられるとは。

次は明るい話しが見れそうな、金剛兄弟にでも行こうかなと思ってます。
関連記事