28 2011

ストロボ・エッジ 感想

ストロボ・エッジ 1 (マーガレットコミックス)
咲坂 伊緒
集英社
売り上げランキング: 52,878

今更だけども、だいぶ前から気になっていたストロボ・エッジをようやく見始めました。
乙女ゲー的視点で語っている部分が最後にあるので、そこが許容範囲内な方はどうぞ。



今時な絵な反面、今時な話ではなかったなあと思う。少女漫画という恋愛に重きを置かれたものに『嫉妬』とかのドロドロした気持ちをあまり表現させなかったのはすごい、と思った。
好きな人に彼女が居たりしても、奪い取ろうとかそういう発想に仁菜子が至らなかった事がいいな、と思った。普通なら蹴落してでもと、女のそういう今にもバトルった部分が現れそうなものですが、仁菜子の性格的にも、そして蓮くんが好きという一途な気持ちからも、そういうふうな思いに至らなかった事が読んでいて、切ないけど心地良さみたいなものを感じることが出来た。
登場人物のほとんどが、相手の気持を尊重するキャラたちなので、読んでいてどの子にも幸せになってほしいと思いつつ、でも全部の気持ちが報われることは無いんだ、と。

読んでいて「なんか、すげえなあ」と思ったのは、やはり蓮くんの彼女だった麻由香の存在だろうか。揺らぎながらも成長がひしひしと感じられて、この子はすごいと思った。自分のやりたい事を見つけて、相手も大切にして、かつ蓮くんの仁菜子への気持ちをさっと読み取って。嫉妬もしたけど、自分の弱さと相手の気持を認めて。普通ここまで出来ないよな、普通なら彼の気を引こうともうちょっと引っ張るよな、と思った。
それだけに、蓮くんが後半仁菜子にデレまくってたのは笑った。きちんと決着付けたとはいえ、蓮く、ん……それは……その頬の赤らみ率の高さはとんでも無いですよ。
でも別れたとき、普段泣くような感じではない蓮くんが泣いていたのは、いろんな気持ちが混ざっているのを感じられて感動もした。個人的には仁菜子を応援したいけど、でもこう言う別れ方は……と読んでいるこちらまで悩まされる不思議。それだけにやっぱり麻由香が格好良すぎだ。

個人的に咲坂先生は目の表現がとても良くて好きです。泣きも、笑顔も、見つめも、独特の力があるように感じる。

気になったのは、エンディングのその先に、これからも色々悩んでいくんだということ。
後半の蓮くんの頬赤らめ率は半端ないものであったけど、麻由香に対してもそういう時期があったようにも思うし。仁菜子が奪った、という訳ではないけど、蓮くんはふとそういう罪悪感に苛まれるような人ではないかなと。だからこそ仁菜子への気持ちを押しとどめていたんだろうし、そういう点では蓮くんはすごく誠実だなあ。

安堂の仁菜子への気持ちも誠実で一途だったけど、安堂がしてきたことや、その元カノである真央の行動は簡単に許されるものでもないと思う。
安堂はもし相手の女の子に本気な子が居たらどうすんだろう(作中では幸いでてこなかったけど)。
特に真央は、今は気づいてなさそうだけど、安堂に対しても軽く人格を変更させるようなとんでも無いことした事に次第に気づきそうだ。さらに仁菜子と蓮まで巻き込んだ事にはもう少し悩んだり反省したりすることがあっても良かったように感じる。それに気づかないからこその真央だとも思うが。
でも、なんかこの漫画には誠実人間しか居ないのかと思っていたストロボの中で、唯一人間臭くて真央も結構好きでした。

そして冗長とも感じさせず、すっぱり終着点を見つけて着地したのはアッパレだった。
最近は懐古で昔の少女漫画ばっかり読んでいたけど、今の少女漫画もいい物あるじゃん!という気持ちにさせてもらえた(とてつもなく個人的だけども)。


ただ不満なのは、少女漫画的イベントが多かったことだろうか。
人の気持ちから行動が起きるのではなくて、不測の事態でおでこにちゅーとかしたり、偶然キスしてるとこ見てしまったり(違ったけど)とか不良に絡まれたりとか。ちょっと無理矢理過ぎないか、と思う部分も結構あったなあ。
でもそこは「あ、いつもの少女漫画だ」と思えた。

でもキャラたちの潔さが、今まで読んできた少女漫画にはなかったものがてんこ盛りでとても面白かったです。もっと早くに読めばよかったと思う気持ちもありますが、これを毎月追っていたら、毎号ごとに心臓が破裂するような気持ちを味わえたんじゃないかとも思う。
君に届けが盛り上がっているときに買った別マでちょろっと読んだ時が懐かしい。




すごい個人的な話、こういう乙女ゲームが欲しい。
主人公も、主人公の想い人も、その彼女も誰も悪くないような。ファンタジー色が一切無い普通の学園モノがやってみたい。かつ主人公エンドもあれば彼女エンドもあるって言う。ダメか、売れないか。どこかつくってくれないかな、真剣にドロドロ(相手を無理矢理奪うような)せず、かつ真面目に三角関係を深く掘り下げてくれる乙女ゲームを。

狙おうと思ったら相手が居た、というゲームで思い出すのは夢をもう一度ですが、あれは相手どころか結婚してた上、最後はかのスクールデイズでもやっているかのような錯覚を起こさせるドロドロっぷりでしたんで。ドロドロっていうかもうなんか固形物でした、色が酷い固形物でしたあれは。あと相手がトンデモ野郎過ぎた。

というかもう、特別な設定なんてなんにもなくていいから、普通の学園物をどこかつくってくれ。みんな変化球投げようとしなくていいから、変化球投げようとして暴投なのが多すぎるから。
顔面あたってるから。
関連記事
スポンサーサイト