全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

13 2013

シンルート クリア

私は今、乙女ゲームをしている。

昨年度は萌えるどころか精神削るゲームをしっぱなしだったせいか、乙女ゲームとは何かと常に考え続け、萌を徹底的に根絶し、『私の身体はもうそっちのゲームしか受け付けなくなった』とも思っていたのですが、やはり萌というのは膨大なエネルギーなようです。そんな気持ちをあっさりとひっくり返し、無事に「シンと付き合う以外の世界に行きたくない」と絶叫する程度には萌えを得られた。

この気持ちこそ乙女ゲーをプレイしているのだと思えるときめきを取り戻し、なんだか懐かしい気持ちにも浸れています。
じゃあ直近までやってた乙女ゲーは?と問われるとなにも言えなくなるので勘弁して下さい。


以下より、その私の心を掻っ攫っていったシンさんルートの感想です。ネタバレフルオープンなので、気をつけてください。ネタバレを見ないほうが楽しめる要素が多いと思うので。


この子は本当に可哀想で、でも一途で誠実で、逆境に強くて頑張り屋さんだった。いつも猥語撒き散らかしてる私が好きになっていいのかどうか、憚られるぐらいかっこいい高3男子だった。ありがとうございました。
最初こそ目覚めと同時にキスをぶちかまされたりして「この子はヤバイ子なの?」と思いましたが、全然そうじゃなかった。私のほうが断然ヤバかった、ほんとごめんなさい。

まずおおまかにあらすじを語ると、主人公の記憶(心?)の中に妖精オリオンが不注意?で飛び込んでしまい、主人公の記憶と引き換えにオリオンが主人公の心の中に居座ることになってしまった。主人公は8月1日以前の記憶を取り戻すため、記憶を探り思い出すべく色々行動します。
主人公が記憶喪失のため、状況説明、心情等の代弁でオリオンがしゃべることしゃべること。肝心なところでは黙ってくれるし、突っ込むところでは突っ込んでくれるし、面白いキャラではあります。
目覚めた主人公が居た先は病室で、突き詰めていくとどうやら8月1日以前には事故って入院していたご様子。最初は信じられる人のみに記憶喪失だということを伝えようというオリオンとの打ち合わせも、次の日にはシンさんにあっさりバレていたりして笑いました。……乙女ゲーで笑ったのも久しぶりかもしれない(涙を拭いながら)
これもなんですぐバレたのかっていうのも後々語りますが、謎が解けた今だとひたすら胸が苦しくて嬉しい呼吸困難に至れるような理由でした。

そしてシンさん。(さんを付けずには居られないのです)
記憶をなくす依然、どうやら主人公と付き合っていたご様子。謎が解けた今ならシンがしてきた行動のどれもが理由があって納得できるのですが、プレイ前は何も知らない状態なので、横柄な男という印象が強い。見知らぬ男が自分の部屋に入ってくる気持ち悪さとかを実感できたりもして、凄いゲームだなと思ったりもしました。
シンさんの言葉は辛辣とも言えるほどはっきりとしたもので、正論が多いです。ただ人の弱みとかを責め立てるような感じではありません。
シンが序盤に「なんで今さらこんなこと、お前に言わなきゃなんないんだろうな。そういう細々とした折り合い方、10年以上かけて積み上げてきたはずだったのに」という台詞で、シンさんにとっての主人公の重要性というのをヒシヒシと感じることが出来ました。彼はかなりクセがあるタイプなので、主人公が記憶を失っていると確定したときの彼の喪失感はものすごいものだったと思います。

然しながら出始めに30秒超ぐらいの長いキスから始まり彼の序盤のブースト具合といったら半端無かった。今思うと早くオレ思い出してアピール半端ない。告白したところや初キス場所をめぐり、「数えきれないぐらいお前にキスしてる」「キスでもすれば俺のこと思い出すと思った」発言等など、落ち着いて私と一緒に深呼吸して、と言いたくなるぐらいかっ飛ばしてました。

そして8月1日以前、主人公に起こってしまった事故とは何だったのか、が少しずつ明かされていきます。
主人公がバイト仲間及びシンとバイト先の社長が所有する別荘へ遊びに行き、そこで「なんで俺と一緒の部屋じゃねえんだよ、俺はお前と一緒がいいんだよ、もう耐えられないんだよ、今晩一緒に合戦しよう(意訳)」とシンさんに攻められた主人公が逃げた先の崖で足を滑らせ落ちてしまう、という事故だった。
絶対に笑うところじゃない、と思ったけど爆笑してしまった。シンさん、ごめん。(二回目)
いやしかしながら、女に迫って、付き合ってるけど無理!って逃げられその女が崖から転がり落ちるって考えたらシンさんはほんと半端ないです。

そして事故の事だけでなく主人公のこと、そしてシンのことが物語が進むにつれ明かされていく。これがまた辛いのです。ここらへんの自分語りは本当に重たくて苦しかったんですが、同時にシンがすごい子だと感じる話でもあった。そしてシンがどれだけ主人公を好きなのかも知ることが出来た。
シンさんが小学生の頃、シンさんの父親が酒に酔っ払った人に絡まれ、父親も酒に酔っており加減が出来ずその相手を過失致死で死なせてしまう、という重たすぎる過去でした。父親は殺人犯と言われ、シンには何の落ち度もないのに避けられる日々。幼いシンさんには、自分の父親がなぜ殺人犯と呼ばれているのが、なぜ自分が避けられているのか理解が出来なかった。次第に白い目で見られるのも、その事で家計が苦しく進学が難しいのも仕方ないことだと感じるようになっていったものの、幼馴染である主人公やトーマは変わらず側に居てくれ、正論を叩きつけても努力して成長をしていく主人公を見て、仕方ないといろいろ諦め不幸に甘えてただけだったことに気付く。大学には特別奨学金枠を狙うことで通うことが可能であると、成績優秀者を目指し予備校に通い勉強漬けの日々。

「親父がどんな人間だろうと、誰にもなにも言わせないだけのヤツにオレがなればいい」
そう語ったシンさんの精神年齢はおいくつなのだろうかと問いたくなるぐらいだった。

勉強をすること、大学に通うこと、将来を考えること、家の状況を知ることを考えている高校生がどれだけいるのでしょうか。ただ、知らないし考えたりしないのが悪いことではないと思うのです。それなりに辛く、それなりに楽しく、どうなるかなんて全然わからない、きっとそれが一般的。でもきっとシンは、それを考えざるを得なかったんだろうなあと感じました。
小学生でこんな現実を叩きつけられたシンさんの心情を考えるだけでも辛い、でもシンの父親を殺人犯と言ってシンを殺人犯の息子だから恐いといったキャラの心情もわからなくもないのです。人を殺してしまったことには変わりないですから。
そういうふうな扱いを受けて仕方のないことだと受け入れることをシンは「不幸に甘えてただけだ」と言いましたが、私はそんな状況で不幸に浸ることも悪いことでは無いんじゃないかなと思います。父親の落ち度であれど、自分がしたことではないわけです。ずっと不幸に浸ったり、ひけらかされるとウッとなりますが、可哀想だと思って自分を慰めることが次に繋がる一歩なら、それも必要なことではないかと思うのです。
シンはそんな状況の中で、前を見て諦めず、立ち向かうことを学んで、そしてそれを実行できる力を手に入れたんだなあと思うと凄いとしか言いようがない。こういった状況を自分の中で料理して消化して、力に変えることってなかなかできることではない。

といい話を語ったところで全部粉々にぶち壊しますが、シンさんの凄さはそれだけではない。そう、前述したお前とヤりたいアピールです。
お前とヤりたい、兎に角ヤりたい感。まあ高3っていったらもうそろそろ俺たちセックスに触れてもいいんじゃない?と考える年頃なような気もするので、納得は出来ました。しかしエロいこと考えてないようなキレーな顔しといて、お前が好きだからエロいことしたい、っていうのには手をバンバン叩いて笑わせて頂きました。
ただ、ここまで自分の周りの状況を考えることが出来ていたのに、まだ社会的に何の立場も確立できてない一高校生が、好きだからエロいことしたいってなんか歪だなあと。でもそんな歪さがシンさんの魅力の一つでもあると思います。(個人的には、本当に主人公のことを考え大切に思っているなら、「好きな人との子供はきちんとした立場と状況の時に幸せに生まれてきて欲しい」と主人公大好きなのにエロを我慢したDiaryの零さんの方がいろんな意味で凄いかな、と思う。)
ただ、シンさんのお前とヤりたいアピール=やれないので、割りと気持ち穏やかに見ることが出来ました。

そんなシンさん語りはここまでにしておいて、本筋のお話ですが。
どうやら調べていく内に、主人公は崖から落ちただけでなく、事件も絡んでいる可能性が高い事に。ここからどっと火サスばりの謎解きサスペンスが始まっていくので、そういう意味でも面白かった。
シンが警察に取り調べを受け、どうやら警察は事件だと確定付ける証拠を掴んだご様子。記憶を取り戻すついでに、本当は何が起こったのか、を見つけるためにいろいろ画策したりします。
そして、もう一度あの事故が起こったところへ、事故が起こった日と同じメンバーを呼び、事故が起こったような行動を取らせることに。そこでシンは誰が犯人か、を突き詰めていきます。

謎解きの過程をすっ飛ばして犯人をネタバレしますが、犯人はトーマでした。これがまた全身に力がはいるほど辛かった。
前述した通り、シンにとって、トーマも大切な一人だからです。そしてトーマにとってもシンは大切だった。そしてそんな2人はこともあろうか、2人して主人公を好きになってしまったのでした。倒れそうになるほど素敵なハートフルボッコ色恋沙汰。
崖から落ちた主人公とトーマとのやりとりで、トーマはどうやっても主人公が自分を見ないことを知り、絶望し、やってしまったことが石で主人公の頭を殴打。大切な存在であるトーマにされたことで、主人公は記憶を奥底に沈めてしまったのが今回の出来事の発端でした。そしてシンへの愛情と、トーマへの思いから全てを思い出す主人公。
覚悟を決めて二人で犯人がトーマだと突きつけるときのやり取りは、「けんかをやめて」を大合唱しようかと思うぐらい、なんか……こう、複雑な気分になったりもしました。
関係が壊れることを覚悟で主人公に突撃したシンと、関係が崩れることが怖くてでも主人公に振り向いて欲しくて確信に触れないような曖昧な態度をとったトーマ。主人公が振り向いたのは、言葉は辛辣ながらも主人公を口説きまくったシンでした。
シンのように頑張った人を見た後だからだと思いますが、このあたりのトーマの発言は自分に甘えているようにしか聞こえなかった。一歩踏み出したシンに対して敗北感みたいなのもあって、でもそれを認めたくなくて、主人公を大切に思う気持ちよりも自分が可愛くてしょうがなかったんだと。ただ、一歩踏み出した人を羨んだり、恨んだり思う気持ちもわからなくもないというか、むしろそっちの気持ちのほうがよく分かるんですが、それでも頑張った人に対してそういうことを言うのが許せなかったというか。
シンは「償って、ちゃんと過去にして欲しかったんだよ。自分犠牲にして満足しててほしくなかったんだよ」と言っていましたが、全然自己犠牲じゃないと思うんですよね。自己犠牲じゃなく、自己都合。自分が犠牲になればと自分に酔って、結局全員が傷つく形になった。しかも一番犠牲になりやすく、そういうことで一番つらい思いをしているシンに切り出させた。一番気分悪い立場だと思います。幼馴染で親友で、同じ人を好きになってでもそれと等しいぐらいシンにとってトーマは大事だったはず。もちろん、トーマにとってもシンは大切だったのもわかりますが……。
言い訳したい、自分は悪くない、羨ましい…シンが負のようにみせて、トーマの暗さのほうが身近ですごく納得できます。だからこそ言い訳が生々しくて、聴いていて辛かったです。でも、壁を乗り越えた人が責められるのはそれ以上に辛い。どうやったって事実、トーマのやったことは無かったことには出来ませんから。

また、私個人としては、自分に対して言い難いことを言ってくれる人のほうが貴重だと思います。それが相手のことを思ってなら、尚更。ずっと正論ぶっぱなしてたり、嫌味に正論を投げかけるのはなんかちょっと違うと思いますが。それをすることで相手が成長してくれるのなら、嫌われること覚悟でそういうことをバンバン言い続けてくれたシンの存在はとっても貴重だと感じました。だからこそ、主人公がシンを選んでくれて本当に良かった、とも思えた。

GOODEDでは結局トーマは自首し、2人も深い傷を追いながらも全てを思い出した主人公と仲良くやってる様子を見て、ああ乙女ゲーってこんなんだった……確かにこんな温かい気持ちになれるものだった……と失ったものを取り戻しました。

NORMALEDでは、主人公は記憶を取り戻せないまま結局トーマは罪を認めず、とりあえず事故として自首することに。シンも言ってましたが、誰も傷ついただけで乗り越えられない辛いEDだった。
そしてシンからは記憶を取り戻してない主人公がこんな形で自分かトーマかを選ぶのは卑怯だから、一旦別れてまた奪いに行く、自信はないけど奪いに行く、と豪語してたのにはもう誰も探さなくていいから近所の崖みたいな雪山から転がり落ちたかった。

BADEDでは、真相を突きつけようとしたらトーマに薬を盛られ暗転して終わりだった。……おいトーマよ……。


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その人がその人だと形成する要素は一体何なんだろうっていうテーマはいぬ僕SSでも語られていましたが。
記憶だけじゃなく容姿だけでもない、記憶を失っても真相や状況を知って判断する性格や、その他諸々の根幹は変わらなかったんだろうなあと思います。疑いの要素をちらほら混ぜていきながら、シンを信じ続ける選択肢を選ぶことで、記憶を取り戻す前の主人公を演出したのかなと考えると面白い構成の仕方だなと感じることが出来ました。

完全デフォ名主義の本名プレイ一切なしの自分ですが、このゲームは非常に困ったことにデフォ名がない。一生懸命考えた据え、アムネ シアという名前を考えたんですが、調べたら二本の苗字に「あむね」と読む苗字がどうやら無くてですね。もう「アムロ」で行きまーす、と覚悟を決めてスタートしたら名前だけの入力で脱力しました。
名前のシアは紫亜と名付けました。元ネタはぴたテンです。

ちなみに自分は推理モノは流れに身を任せて全然推理しないまま進んでいくタイプですが、この前に似ている設定の愛病(兄のような幼馴染と歳の近い幼馴染に挟まれるCD)を聞いたためか、トーマに対してコイツは何かあるかもしれない……と覚悟しながら進めたせいか、真相が来ても特に驚かなかったのが救いというかなんというか……。

なんかもうシンさんの良さを全ッ然語れていない自信がありますが、兎に角言いたいのはシンさんは努力する良い子ということです。一途に追いかける誠実で熱い男です。あとなんだかんだ可愛いです、高校生らしい可愛さを秘めています。ムッツリそうな顔してフルオープンです。


余談ですが、なんでこういう誠実キャラ好きになったのか自分でもよくわからない。今まで好きだった傾向としては、ヤンデレ、愛あるドS、主人公がいなければ靴下も履けないような人(在宅介護とは違います)などなど、どうかと思われるような方々ばかりで、主人公を好きすぎるあまりとち狂った感じのような人を見てとち狂ってたりもしたんですが。何かを乗り越えた人を好きになるのかな、と思いました。



シンが好きすぎて他のルート行きたくない気持ちがこんもり積もってしまいましたが、世界によって設定が違うので、潔くケントルートにブッコミたいと思います。
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