全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

28 2013

沢野井部長ルート クリア

「部長」を付けずには居られない心境です。

それよりも、私が乙女ゲーに対して、ここまで純粋な気持ちで居られていいんだろうか……という気持ちが発生しております。良ゲーを連続してプレイする時に発生する私の不安感みたいなものです。毎度恒例行事です。
私の何に対しても下ネタを吐き続けるような心も先日のイベントでほぼ浄化しかかっており、加えて夏空をやって今もなお光り降りそそいでいる感じでプレイしております。

しかしこの夏空、シナリオライターがあの緋色の欠片を生み出した方とは思えないほど成長しており、もちろんドガアアアアンとかはありませんし、あんなに状況説明に励んでいた描写も、良い意味で濃くもなく薄くもないとても読みやすい文章になっておりました。なんだかあの擬音が無くなって寂しいような気持ちになっている自分も居ますが、そういう意味でも感動しました。

肝心のシナリオについては後々語るとして。
演出、これが今までの乙女ゲーにはない感じで驚きました。
ギャルゲーもしくは男性向けエロゲをプレイしている方には馴染み深いと思いますが、ノベルゲー形式でした(弟切草とかかまいたちの夜形式と言ったほうがわかりやすいかもしれない)。かといえシナリオの構成?の仕方がノベルゲーと一緒というわけではありませんでしたが、私がプレイしてきた乙女ゲーのなかでも全画面表示で文章を表示させたノベルゲータイプは夏空が初めて何じゃなかろうか。
全部が全部の表示のさせ方がそうだったというわけでは無く、場面に寄ってはシナリオの表示の仕方が変わったりしていて細かい演出に感心しました。(ジャンルは全然違いますが、なんとなく塵骸魔京をプレイした時のことを思い出しました。あれもクルクル表示の仕方が変わっていた印象が)
個人的には乙女ゲーでノベルゲー形式の文章がくどくシナリオがくそ重たいのもやってみたいなあと思っておる所存です。


話を戻して。
自分は一切夏空の予備知識なくプレイしてみたのですが、ツリーのことも知らなかったので、ただたんにループを繰り返すだけの話だと思っていた自分はツリーの説明を聞いてびっくりしました。突如現れた細長い謎の物体、らしいですがこれは部長ルートでも面白い答えが返ってきていい意味で期待を裏切られました。
7月29日、ゆるーいメンバーで構成されている科学部の最後の日にツリーを見に行ってから7月29日が謎のループが始まる、というお話でしたが。
いやあ、誰も本気でループ解決に励もうとしない。オトメイトのタイムトラベルシナリオ(CZ、夏空、アムネシア)の中でもCZやアムネシアは割りと危機迫るものがあったのに、夏空は「ずっとこのループが続けばいいのに」とか思っちゃうので、すごい。でもそういうものに鬼気迫らないほのぼのとした理由も納得できて(一人でのループじゃない、人命が掛かっていない等)、次第に夏空の空気が楽しめるようになりました。

そして今回攻略した沢野井部長ですが、一言で言えば奇人変人型の天才でありました。お馬鹿な事するのに頭がいい。ふとした描写で『こいつ頭いいな!』と思わされるので、そこがすごいと思った上に楽しい場面でもありました。誰かが人為的にループを行なっている、と科学教師を差し置いて先に判明させたのも部長でした。
木野瀬くんだったかが、部長のことを「馬鹿な天才」(それか、天才な馬鹿)と言っていたのが、非常に納得出来ました。自分の好きな事に突っ走るものの、自分と対等に接してくれる科学部員に感謝もしていて、ある意味等身大の男の子でした。青春ですね。もう手に入れられないものをまざまざ見せつけられているようで、上手く呼吸ができません。

部長は主人公を巻き込みながら、少しずつツリーの謎を解明していく。十何年研究者たちが研究してさじを投げたものを、たかだか高校生が答えにたどり着くまでが早いように感じますが、ここまでで2~3ヶ月はループを堪能してるんじゃないかと思えるぐらいだったので、納得はできました。あと、その研究者の長の息子でした。父親のことを「ああいうのをマッドサイエンティストと言うんだろうな」と言っていたけど、部長もだと自分は思うよ、と心の中でそっと突っ込んだりもしました。

尊敬していた父が辿り着いた一つの答えを元に部長はツリーを解明していく。それは、ツリーはタイムマシンなのではないかということ。
ここらへんは実際の理論等を出してきたのでここ一番でびっくりしました。アムネシアはファンタジー、CZは理論めいたファンタジーだったのにも関わらず、3つの中で一番ぽわっぽわしてそうな夏空が理にかなったというか、理論と掛けあわせても一番納得できたので、そういう意味でも驚きました。
私のスッカスカなおつむではよくわからないので、Wikipediaさんから以下より抜粋

---------------------
テューレーン大学の数学者フランク・ティプラーは1974年に、超高密度の筒状の物質を超高速で回転させることで、過去と未来へ移動可能なティプラーの円筒(ティプラー・マシン)のアイデアを発表した(後にジョン・グリビンという学者が「直径十km、長さ百km、質量太陽と同じ円筒」を2500回転/sで回転させればタイムマシンになると発表した)。ただしこの方式には円筒が作られるより前の過去へは移動出来ないという制限がある。
タイムマシン - Wikipedia(タイムマシンの研究より抜粋)】
---------------------

要するに長っひょろくてデカくて太陽ぐらい超重い円筒っぽいのがタイムマシンらしいのでツリーはタイムマシンじゃないか、という解釈をします。太陽ぐらい超重いのは地球ヤバイ、というのは作中でも語られていましたが、それはまあ中で色々やってるんだろうね、というので話を進めます。
部長がどんな研究をしていたのかはわかりませんが、ツリーは未だに動いていて、そのせいでループに巻き込まれた、ことを突き止めたらしいです。そしてそれを止める方法も判明したと。父が残した土台があったとはいえ十何年その道の人が頑張ってもわからなかった答えをたった数ヶ月程度のループでわかった部長、天才だけじゃ片付けられないぐらい頭いいんじゃないだろうか。

しかし部長にはループを止めるよりもまず先に、やりたいことがありました。交通事故で志半ばで亡くなってしまった父親を助けること。
過去の自分に会うことや過去改変でタイムパラドックス云々の話はこの際もう置いといて、もちろん父親を助ければその未来の道筋は消え、科学部員たちとのかかわり合いもなくなることになる。今を犠牲にして過去を救うか、過去をそのままにして今をとるかで悩むことになる。
部長の気持ちはわからなくもないです、大事な人だから助けたいと思うのは人の心そのものだと思うし、否定はできませんが、その部長だけの個人的な理由でその他大勢の人の運命まで左右させるのはいただけなかった。

そして何故か今が変わってもいいから父親を助けろという科学部員たち。一人ぐらい、反対してもいいんじゃないかなあ。
絆があるからこそ部長を信じたのかもしれませんが、信じているからこそそれは駄目だと言って欲しかった。自分たちだけがループしているからそういう気持ちになっちゃったのかもしれませんが……。

そして一緒に研究を続けてくれた主人公と二人で、父親に助けに行く。ここからの流れが、納得はなんとかできるものの、残念だった。
父親と部長ショタ時代の居場所を突き止め、浜辺で全てを告げに行く部長。「さよなら」と言っておきながら、数分後にあっさり「やっぱり今が大事で出来なかった」と帰って来られた時には、結構どうしようもない気持ちにさせられた。
あんなに強い思いで主人公および皆を動かしてここまで来たのに、結局ダメだと戻ってくるのか……今も大事というのは凄くよくわかるし、部長の気持ちもやっぱり否定は出来ない。でもここまでしておいてという気持ちと、主人公目線だからか部長の心の動きがよくわからず、「出来なかったんかい!」と突っ込んでしまった。『なぜ出来なかったか』という部長の心の動きがわからない以上なかなか感情移入しにくい。

そんでもって『今』に戻ってくるのですが、結局全ては『運命』だったんだなと。
「科学部員になる前に主人公とどこかで会っていたような気がする」と言っていたし、全ては「こうなる流れ」で結局その形に収まったと。安心したような、そうでないような。

ここまで書いておいてなんですが、自分は部長が無情な人間だとは思いません。
もし自分の家族を始めとする自分にとっての大事な人が、そうなる運命を覆せる方法があると知ったのなら、それに縋りたいという気持ちも湧いてくると思う。そしてそれを直前で出来なかった部長の甘さか優しさか(これは人によって判断が違いそう)、それもよく分かる。だからこそ部長の心の動きを丁寧に描いて欲しかったなあと感じました。まあ、主人公目線なのでしょうがないのかもしれませんが……最後の最後で惜しいルートだった。

ちなみに恋愛の流れは甘酸っぱさ残るもので良かった。
「君のことが僕が好きなんだな!!」「…………はい」で部長が固まってうろたえてたのを見て私は浄化されそうだった。置いてきたどころか置いて腐りかけてた私の青春まで浄化されるような青春を見た。夏っていうシチュエーションもいいですね。
最後まで主人公が部長のことを「部長さん」と読んでいたのが可愛らしかった。

明るく前を見ているようで過去にすごく囚われていて、そして解放されたのだと思うと、二人に明るい未来が待っているといいなあとしみじみ感じます。


にほんブログ村 ゲームブログ 乙女ゲー(ノンアダルト)へ
にほんブログ村
私の下ネタというアイデンティティが浄化されていく―――。


これぞ乙女ゲー界の清純派だな、という軽い感じの下ネタを入れておかないと夏空の次にやるゲームでもしエロ描写なんて着たら拳が燃えそうなので。
ツリー=タイムマシンの理論はもうちょっと見たかったですが、他のルートではあまり出てこなさそうで残念です。
あとこの作品でも『多世界解釈』についての説明が出て来ましたが、多世界解釈は本当に創作的な意味で皆が幸せになれる良い理論だなあと思います。夏空は周回に意味があるようなので、多世界解釈なのかな?と考えながら進めて居ます。真相ルートで答えがわかるっぽいので、それを目指して行きたい。
CZ、アムネシア、夏空とやって、同じ時間に関係する作品ながらもどれも色を変えたゲームなのは凄い。



ここからは別のゲームの話をしますが。
これの前に実は黒金のYUKIOルートをやりまして、本当は一度深く沈みました。自分のクソ男in乙女ゲーに新たな歴史を刻んでくれたクソ男だったので、彼との戦いもいずれ記して行きたいと思う。
うたプリALLSTARは届きましたが、まだ一ミリもプレイしておりません。デート出発時にソフトが到着だったので、タイミングがアレでしたが、二期が始まれば乗ってくるような気もします。評判がいいのが逆に震えるほど怖い。
プリアサは予約していましたが、上記の理由で滞っているため、見送ることにしました。そっちゲーか否かを自分の目で見極めたかったので、落ち着いたらほいほい手を出しそうです。
下天の華は夏空が終わり次第プレイしていけたら、と考えてますが、この詰まり具合なので、どうなるのかが自分でもわかりません。

以上が自分の混乱を落ち着かせるための現在の状況です。明日にはぜんぜん違うことをしていそうなのが自分でもよくわからないです。
関連記事