全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

18 2013

蘭丸、秀吉ルート クリア

新作ゲームを買いすぎて、何のゲームをしていいのか迷っていたある日のこと、夢を見ました。
なにやら仕事に出かける信長の背中に「寂しいから行かないでー!」と手を伸ばす主人公、そしてそれを見た私が「お前の仕事は忍びじゃねえのかー!」と絶叫している夢だった、まだプレイしてもいないのに。

これはお告げだ、と思いプレイし始めたネオロマンス最新作下天の華。
悪夢は良い夢だと言いますが、この夢に置いては本当でした。
簡素ながらも上手くポイントを押さえておりわかりやすく引き込まれる楽しいストーリー。相変わらずゲーム性とは何かと考えさせられるぬるぬるのゲーム性も搭載しておりましたが、なんといってもきちんと抑えるところは抑えているので飽きさせずに楽しめる。
主人公もちゃんと忍びをしている。ガチの忍びかと言われればそうではないけれども、乙女ゲームでこれほど自分の仕事に対して考えている人は珍しいのではないかと思う。(ゆきさま見てる……?)
任務を遂行できないなら、いっそのこと相手に斬られたいと思っていたのを見て、遠い日のネオロマンスが返ってきたよな気が致しました。

加えてフルボイス。あの、ネオロマンスが。フルボイスが主流の時代にネオアンで~フルボイス~と打ち出して発売したあのネオロマンスが、簡素ながらもフルボイス。(衝撃過ぎて二回言った)
モブや婆さんにもフルでついており、なおかつネオロマ恒例といってもいい作品主題歌担当の歌手がモブを担当するのも忘れていない。(「ウラギラレテシネバイイ!」はモノマネ出来るぐらいお気に入りのシーン)
最初に里の婆さんにデフォ名呼ばれた時なんかは「婆さんが名前を読んでくれた!」とそれだけで感動できたネオロマンスは本当に一体どれだけ勿体ぶらせてくれていたのかとしみじみ感じさせてくれました。

史実を元にしているとはいえ、ネオロマンスお決まりのファンタジーも忘れてはいません。
主人公は変化の術がお得意らしく、初っ端から小鳥に変化するなど物理法則丸無視で●ーンプリズムパワー!メイクアップ!(変化シーンで毎回これを脳内再生すると個人的楽しさが倍増する)
でもこの変化の技が凄く楽しくて、緊迫したシーンで地蔵とかに変化出来てそのまま牢屋に打ち込まれた時はネオロマでの笑顔を取り戻した瞬間でもありました。


雑感もそこそこにして、以下よりキャラ感想です。


●蘭丸ルート
なんだショタじゃないのか残念、とは思ったものの、実直で素直で普通に良い子で毎度のごとくこういうキャラに出会うたびに、心の底から申し訳ないと思った。
明智の事を警戒しているためか、明智の妹姫として潜入した主人公のことをバリバリ警戒してくださるも、主人公が若武者に変化して大会に出て蘭丸と良い勝負をしたら姫には見せてくれない笑顔を見せてくれて、同性じゃないと駄目なタイプ?と思ってしまって軽く冷や汗でした。ただ私の頭がそういう変換をしやすいだけで、そこはちゃんとネオロマンスでそういう匂いは普通では感じられないものだと思います。心の変化が急とはいえ、後半ちゃんと……というかそこまでデレるかというぐらい姫一筋になってくれました。

前述したとおり蘭丸は警戒心が強いためか、一度その壁が崩れると、ちょろすぎるぐらいオープンハートだった。終盤、光秀に信長のタマタマを転がして来い(暗殺の意訳)と命じられるのですが、そんなことになるまで姫が忍びだと全然気づかない。小鳥とかに変化されて「これは誰?」と聞かれるのも無理難題だと思うが、さすがになにか感づくぐらいはして欲しかった。
ちなみに信長暗殺時に失敗すると蘭丸に見つかり変化で逃げようとするのですが、そこで地蔵を選ぶと前述した牢屋に打ち込まれたりします。とてもシュールで楽しいので見る機会があったら是非。

ネタバレしますが、結局光秀は暗躍(暗殺)の主犯ではなかったのですが、「あの時主人公が暗殺を実行していたら?」の問に「すんでのところで避けていただくつもりだった」といっていたけど、暗殺実行選択肢選ぶとあっさり暗殺成功して爆笑しました。信長のタマ転がしも超ちょろいようです。
そんなちょろ長さま、後半になると蘭丸の恋のキューピットになったりするので、第六天魔王の後に(笑)をつけたり(恋天使)をつけたりするのが正解だと感じました。

最後は主人公の忍びだという立場や、暗殺しようとしていたことを乗り越え、主人公を信じるといってくれた蘭丸は立派だと思いました。主君をとるか、愛する人をとるか、どちらも信じて、もしその判断が間違ったものだとしても責任はきちんと取る、と言っていたのにはじんわり来ました。

気持ちの変遷は急だったものの、やはり上手くまとまっていると感じました。もうちょっと蘭丸が最初印象最悪だったのに最後デレッデレにまでなる過程があればよかったけれど、余計なエピソードもなくテンポが良くて楽しいルートでした。


●秀吉ルート

第一印象は「秀吉の腕やっべえ……」と呟くぐらい上腕二頭筋が頭のなかを埋めたのですが、秀吉もまた秀吉なりに誠実で、人を動かす才能を持っているのだときちんとしりつつも、主人公との距離を詰めていくエピソードが印象的で良かった。良かったところばっかりで神子もいないのに浄化されそうです。

秀吉は押しの強い遊び人といったキャラ設定(……という言い方したら色々壊すとわかっていても他の言い方が見つからないので)だったのですが、もちろんそれにも理由があり、一つ一つの秀吉の行動に理由を感じられて、上手く作られたなあと感じられるルートだった。
それにしても最初の方は、ぐいぐい来る秀吉にかなり引き気味の主人公とのやり取りが楽しかった。
「ひょうたんって、どこか悩ましげな形してると思わねえ?」となんとも言えない感じの微妙な下ネタを振られた時の主人公の表情と「…………」という沈黙にはそうとう笑わせてもらった。こういうやり取りが数回あるので、最初の方は笑っていた思いでしか無いぐらいです。

秀吉ルートは蘭丸ルートと真逆な点がある。秀吉ルートは速攻で主人公の正体がバレてしまうところです。このバレはなんでそんなことでバレるかな……と言った感じでかなりぬるかったのですが、まあある意味ご愛嬌だと思う、乙女ゲームですし。(でも乙女ゲームだからと妥協するのも毎度切ない気持ちになるのも記述しておきたい)
しかしながら主人公をある意味で信じ関わりあいを持とうとする秀吉。人当たりのよい秀吉がどうして「忍び」の立場の主人公に惹かれたかはちゃんと理由が語られるのですが、それだけではちょっと物足りないような気もする。蘭丸ルートでもそうでしたが、家臣たちの主君(信長)への忠誠度っていうのはそれほど高くないのかもしれない。蘭丸はともかく、秀吉は才能を持ってますから、それも別の解釈をすれば納得は出来るのですが。

とはいえ、主人公を気にかけるエピソードは秀吉の過去とも絡んでいて、これが妙に胸に広がっていく感じのお話で良かった。忍びとはいえ、主人公は人を殺せない甘ちゃんですが、それが受け入れられたというか……良いふうに展開していった感じが面白かった。
感情をあまり知らなさそうな主人公に、「あんた、せっかくこの城に来たんだ。知らない物事や、個性豊かな面々にたっくさん触れていくといい」と言ったり、秀吉の農民の出というのが上手くストーリーに組み込まれていて感動でした。
そして主人公が『生まれは関係ない。その経験一つ一つが今の秀吉につながっている』と心から感じ、そして口に出してくれたことにうれしさを感じると同時に、心根の温かい子だなあと主人公まで好きになりました。

途中で瓜畑あそびとか言うコスプレ大会を挟みつつ、このルートでも光秀に信長のタマを狙って来いとの命令が下る。
秀吉は聡い男なので、主人公が何をしようとしているかを察知して事前に待ち構えていましたが、そこで主人公が覚悟を決めたと思いきや秀吉が力を抜いて逆に主人公に斬られて、主人公より秀吉のほうが乙女だった。重厚さは無かったけれども、それだけ主人公が大切な存在だったということでもあるんだろうと。

秀吉の本質を見極めてくれた主人公の存在は、上辺や流れだけの世界の中でさぞや貴重な存在だったのだろうなあと思う。そしてそれを見極めた秀吉の人を見極められる才能を感じ、納得することが出来る感慨深い話でした。

ちなみにこのルートも肝心な所で地蔵になれる選択肢がございますので、是非緊迫した空気の中で地蔵になって空気をぶち壊してみてください。


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しかし秀吉の左耳たぶはもはや限界が来ているのではないか。


長くはない話しなのに蘭丸は武芸、秀吉は将としての才能をそれぞれ感じさせるシナリオの巧さがあったように感じます。これだけの話の短さで色んな物が詰め込まれていて、しかもどれも要らないものではなくツボを押さえていてびっくりしつつも感動しました。
あと、さすが信長の野望、無双シリーズを出しているコーエーだけあって、この時代の雰囲気を出しつつ読みやすい文章だったり背景だったりで、そこの空気感も良かったです。

出来るんだったら最初からこれやろうよ、と思いつつも、もしかしたら紆余曲折も合ってこうだったのかもしれないと思うとなにも言えなくなるのでネオロマは本当に卑怯な存在だと思っとります。
ただ不安だったエロ展開ですが、そこはやっぱりネオロマの健全さを貫いてくれて、この時代にありそうな妖艶な雰囲気をあまり出さないで居てくれたのは良かった。夜中に「誘惑する」というコマンドがあって、『忍びもそういうことしなきゃいけないのか……』と眉を顰めていたら、誘惑するどころか微笑ましい会話してて身体的に誘惑するワケじゃなかったことに心の感涙が流れました。(エロ担当っぽい恋天使信長様がご自身のルートでどうなるかはまだ不安ですが……)

兎にも角にも、期待値0でお告げが来たから始めた、という単純な理由でスタートした下天の華でしたが、想像以上に楽しくて、本日も地蔵のような表情で主人公と武将たちを見守っているのであります。
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