全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

18 2013

浅浪先生、カガハルルート クリア

昨今のすぐお股かっぴらくゲームに頭を抱えて憔悴しきっていた自分は、ふらふらとした足取りで澄んだ空気を求めて夏空のモノローグを再開したのでした。
しかしながらプレイしていく内に、根本が下ネタで構成されている自分としてはその根までも清浄化されつつあり、上手く呼吸が出来ない状況なのであります。

それにしても、誰が悪でもなく、劇的に現状を打破出来るわけでもなく、でも確実に何かを乗り越えて成長していくシナリオには暖かな気持ちにさせてもらえて。このような乙女ゲーがあって、本当に良かったと感じているのであります。


●浅浪先生ルート
弟さんをください!できれば数年前の小学校高学年ぐらいの時期に!
と浅浪先生そっちのけで浅浪先生の弟の翔くんにギラッギラした視線を送ってしまいました。最近特にショタコンを拗らせているような気がします。気がしますっていうか、そうでした。

翔くんのショタとしての可能性はまた別の機会に語ることとして。
このルート、自分は大人と高校生との差異というか、違いというか……そういうものを感じてしまってなんだか胸が苦しかったです。
非常勤より金銭面が安定している常勤としての採用を望み、別の学校へ行くことになった浅浪先生。そのため、主人公が心の拠り所としていた科学部が顧問を失い廃部に。それを心のなかで「どうして」と責める主人公。
ただ自分は、どちらも責められそうにないなあと感じながら彼らのやりとりを見ていました。この時はまだ先生が複雑な事情をお持ちだということは知らなかったんですが、普通に生活していくうえで、感情よりも現状を良くする方を取るのを自分は非情だと思えないです。自分が社会的な立場上、大人になっちゃったので先生の言うことは『しょうがないこと』だと。
ただ、主人公の気持ちも責められない。彼女は高校生で、まだそういうことを学んでいる途中の段階だと思うからです。衣食住諸々にお金が掛かっていることを実感している高校生ってどのくらいいるのかな、と思うと……自分が高校生の時なんか毎日学校帰りに古本屋寄って次何の漫画開拓するかぐらいのスッカラカンなことしか考えてなかったので。
だからどちらかと言えば、考え方は先生寄りなのですが、自分が高校生の時にこのルートをプレイしたらどう思うのかなとちょっと気になりました。

で、その後は翔くんを中心にしてお話は進んでいく。ループすれば主人公のことを忘れてしまうけれど、長い間病院で過ごす翔くんと遊んでほしいと先生より依頼される。疑問に思いつつも、先生に惹かれ初めていた主人公はそれに従うことに。翔くんのひととなりや好きなものを知っていく内に、先生の事情を知っていき科学部が無くなることを『どうしようもない』ことだと受け入れていく主人公は、やっぱり少しせつないものがありました。
そんでそこでまた翔くんが病気で長く生きられないことを知り、このループが止まらなければいいと思っているところに、ループを解決する方法を見つける沢野井部長。どうにかループを続けられないかと懇願する主人公。ここでの部長とのやりとりは、言葉が深くて、部長はアホみたいな事たくさんやってきてますけど、人をちゃんと見ている『大人』なんだなあと感じました。というか主人公以外はみんな事情があって『大人になっちゃった高校生』という感じがして本当に切ない。(または大人にならざるを得なかった、でしょうか)
主人公の思いや主張は、ある意味歳相応なような気もするのです。でも先生はもう大人ですしそれが無理なことを知っている。部長も、翔くんも、そして他のメンバーもきっとそうなように感じました。

先生は、いずれ主人公が辛い目にあうとわかっていて何故翔くんと引きあわせたのか、を考えながらプレイしていました。
純粋に翔くんとの思い出を増やしたかったからなのか、閉じこもっている主人公を人との関わりで成長させたかったからなのか、自分の辛さをわかって欲しかったからなのか。または、自分が言えないワガママを、主人公に言ったり願ったりして欲しかったのかなとも思いました。ドラえもんも「大人は自分より大きいものが居なくて誰かに甘えることが出来なくて可哀想」って言ってたし……。

となんだか話が逸れてしまいましたが、現状は何も変わらず。最後のご褒美なように、部長が科学部のループに翔くんを入れ、あと7回でループが終わる状況を作る。本当に部長万能すぎて困る。
思い出を作れば作るほど胸が締め付けられましたが、翔くんはそんな兄と兄を想ってくれる主人公と、未来を想いながら、先生は3人で家族になろうって……。

え?
3人で?
家族に……??
とおったまげたままの私をよそに、物語は綺麗に未来に希望を抱いてエンディングを迎えました。
話忘れてましたが、恋愛的な流れはすごく綺麗でした。先生は一切手を出してこなかった教師の鏡です。もうほかの教師キャラが見習って欲しいぐらい。最後の最後で3人で家族になろうってぶっちゃけてましたけど(だからこそ驚いた)、それまでは生徒に手を出すことを否定してたんで、ED後も主人公が高校を卒業するまでは耐える日々が続くんだろうなあ、と。家庭のこともありますし。

劇的なものはなくても、現状は何も変わらなくても、流れが凄く綺麗で何かを乗り越えて前を向いていけるシナリオでした。


●カガハルルート

カガハルはお姉さんに人気そうだなーと思い始めながらこのルート。本当に最後まで誠実な可愛い子でした。決める時は決めてくれた。
俺の女神!と若干盲目的に主人公を褒め称えて好意を向けてくれるカガハルに、プレイ前からずっとその好意に応えてあげられるのがこのルートしか無いのが切なかったのです。それを邪険に扱う主人公とのやりとりは面白くて微笑ましくもありましたが。カガハルの軽そうに見える愛の意思表示がどれも冗談ではなく本物だということに次第に気づいていき、記憶を失う前の自分と今の自分を考え本当の自分とは一体何なのか、を知っていくお話はなかなか考えさせられました。

カガハルの生い立ちは、カガハル自身が明るいキャラなだけにかなり精神的鳩尾にキましたね。
自分の意にそぐわなかったからといって、我が子を無視する親の気持ちってどうなのかなと思いました(自分は経験がないので)。そして親の気持ちに応えられなかったカガハルの自身への失望と、どうにかして褒められたいという純粋な気持ちはプレイしながら胃を抱えてました。まだ年端もいかぬ子どもを無視し続け、絵の才能が認められた瞬間それを掌返すように褒めたカガハルの両親を、カガハルから責める言葉は無かったような気がします。
そうだったから仕方ない、的なニュアンスを受けました。なんというか、あ~こんな風にして大人になっちゃったのか~、と。切ない。

そして更に振りかかるカガハルへの試練と、記憶を失う前に与えてもらった主人公への言葉。このやりとりの部分は、なんというかわざとらしさを感じてしまいましたが(初対面なのにも関わらず突っかかるカガハルに主人公が引かない部分で)、でも一番言ってもらいたかった言葉を言ってもらえたんだろうなあ。
記憶を失ってしまった自分は果たして本当の自分なのか?と疑う主人公に、それは主人公自身が区切っているからだといったカガハルの言葉は胸に響きました。過去を知らないから区切るのは当たり前だとも思いますが、そこから前を向いてほしい、主人公なら出来るはず、という願いも込められていたのかと。カガハル自身が前を向けて行けたように。

科学部が大切な場所だけども、主人公も大切な人だけども、留学を選んだ彼は何かを天秤にかけた人間だとは思えないなあ。彼にとって絵を描く事は本当に大切なことで、それはもう親とか云々以上の自分を形成する何かになったのかな?と。
途中でカガハルが好きだと後押しを受けながら自覚した主人公は、最初こそ留学を寂しいと感じて戸惑っていましたが、カガハルと一緒に、ちゃんと前を向いて彼を後押しすることが出来たのを見た時は、あまりに澄んだ空気に呼吸の仕方を忘れましたね。誰よりも何よりも誠実な彼にふさわしい女になる!と言っていて、そんな未来が想像できるのが嬉しいです。
そんでもって決める時は決める男・加賀陽。悲しむ彼女を目の前に接吻をかまし……青いハルでした……。

これまたまだ見ぬ明日へと希望をつなぐお話でした。

また、カガハルルートをプレイ中に石垣りんさん作の『不出来な絵』という詩を思い出しました。普通に読んでもとても心に響く詩なのですが、カガハルルートにぴったりだと思いましたので是非。


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毎年7月29日にプレイ開始して6年掛けて夏空のモノローグをフルコンプするという最高のプレイ


夏中にプレイ再開出来てよかったなあと感じております。
室温はもはや30度超えで道産子の自分は茹だってますが、このアッツアツな感じが特に夏空らしい季節感でたまらないです。
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