全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

23 2014

宿吏暁人ルート クリア

一体何がどうなったらこんなゲームが出来上がるんだ……そう思いながらも萌えるのを止められず、『世界』『能力』などの壮大な世界観を最後まで理解できないことに震えとやりきれない思いを拳に込めながら、壊れかけのPSPごとノルン号を抱きしめる一人のプレイヤーが出来上がりです。

簡単に説明するとノルンというゲームは、壮大な世界観、壮大な世界観、壮大な世界観、萌え、美しいBGM、壮大な世界観、きれいな背景、壮大な世界観で出来ております。その壮大な世界観っていうのも、匂わせるだけで用語を説明しないし解説もしないので、なんだったのかと聞かれても「なんだったんすかねえ……?」と小首を傾げて、こっちが聞きたいといった表情をするしかない。

まずはじめに、鈴原空汰くんという小学生のショタが俺めっちゃ出来る感を漂わせながら(それでもショタだから可愛いもんですよ)、国会議事堂の社会見学をしていたら、突如変な声聞こえたと思ったら大正時代にタイムスリップ!
ここらへんは二次元でもよくある話かと思うし、自分はこの『何も知らない状態の空汰くん』が、このノルンノネットという世界観を『何も知らないプレイヤー』と一緒に状況説明や感情移入をしやすいようにするキャラクターなんだと思っていた。が、すぐその考えは打ち砕かれる事になる。
『世界』『能力者』これらを詳しく説明することは暁人ルートではなかった。半ば悟りですが、今後も無いかと思う。そしてルートに入ると空汰くんの存在はほぼ消える。中盤~EDまで一切出てこない。彼がその後どうなったかを知るものは誰も居ない。誰も気にかけすらしない。すべて投げっぱなしで『空汰くんも無事元の時代に帰れて良かったね……』と一文入れてくれたほうがまだ心が軽くなれるぐらい、存在がなかったことにされている。
『ノルンという船は何故飛んでいるのか』『ノルンに先に乗っていた人たちの役割とは』『能力者の役割とは』『どうして能力者として選ばれるのか』とかは一切説明されない。一部説明していた部分もあるものの、表現と説得力にかけ、何を言っているんだかさっぱりわからない。とりあえずラピュタは飛んで、人々を惑わせるものなのだ。あの地平線もめっちゃ輝いてる。

とりあえず大正時代に飛んで混乱して倒れかけたところを助けてくれたこはると一緒に、ラピュタに飛び乗る。何故ラピュタが着陸してこはるたちを乗せてくれたのか、能力者なら乗せてくれるとのことだが、何故能力者なら乗せてくれるのかとかは説明してはくれない。今更ながら思うけども、ここらへんで説明や解説を求めるのは無粋なんだと気づくべきだったのかもしれない……最後まで理由を求め続け、結局全て手折られてホワッツな状態で萌えと同等の分だけやりきれなさを抱えるプレイヤーをノルン号はここに生み出しました。
ラピュタの先住民達であるその他キャラクターに軽い襲い込みを受け、なんやかんやで空汰くんは意識を失う……のを見て『寝る子は育つっていうんだから寝かせておけば』と仰られる主人公の一人、深琴様。ショタ好きなのもあったでしょうが、大体この辺りからノルン号に振り落とされそうになっておりました。開始15分のことです。

そして今回主人公に選んだ七海ちゃん。暁人ルートだけ、または七海ちゃんだけだと思いたいが、この七海ちゃんも理解不能さをいい感じにあらわしてくれる。バレバレの尾行をする様をその他キャラに見られ、それを指摘したキャラを『よく人を見てて優しい』と言う。何が?とか、何で?とか問うてはいけないのだ。『外側から攻撃されたのに破片が内側にない』と答えを言っておきながら、深琴さんなら気づくはず……ともうわけわかめ状態、気づかなかったらすごい。こういった感じで、Aという事柄があった場合にBという言葉で褒めたりするんですが、そのAとBの意味が繋がらないことがままある。
こんなんで恋愛とか出来るのか?とか、早くこの世界に身体が慣れろ、とか思いながらも……萌えるんですよ、恋愛部分は。振り上げた拳をね、振り下ろせないんですよ。

理由も語られないまま、なんやかんやでノルン号は攻撃され、内部犯がいるので二人ペアになって監視し合おう!ということに。そして今回選んだ暁人ですが、どうやら七海ちゃんが昔何かをしてしまい、暁人はずっとそれを恨んでるご様子。この理由は終盤まで語られないし(語られただけマシだと今なら思う)、暁人はよくわかんないけど女子の日かってぐらい常にイライラしてるし、七海ちゃんも私が悪いから暁人が怒るのはしょうがない……と思いつつもなんとか暁人に近づこうと頑張るわけですが。
近づいたら、胸ぐらを掴まれて仲良くなれるわけねえだろ的なこと言われるんですが、胸ぐら掴まれた瞬間私の脳内では逆に掴み返して殴りかかってました。今一度、乙女ゲーでの男子キャラが女子または主人公にふるう暴力描写の重みを制作側には考えて欲しいところであります。(戦闘描写とかはまた別だと思いますが)
七海ちゃんも七海ちゃんで、ここで私を殺して終わりにして、とか言うけどいやいやまだChapter2だし……ってツッコミも追いつかない。

二人があまりにも険悪な仲なので、見かねた駆が離れられないよう二人に条件付きの手錠をかけて無理やり仲をよくさせようと頑張るも中々上手く行かず……。これまた二次元で100万回は繰り返されたであろう展開ではありますが、この二人が反発し合いながらもお互いを理解して、近づいていく様子は萌えたし感動も得られた。過去に何があったのかはこの時点でもさっぱりよくわからないけども。
暁人は過去にあったことで七海を徹底的に避けていたようですが、強制的に一緒に居ることになり、七海が悔いていること、贖罪したいと思っていること、そして自分が思っているよりも非道で冷徹な人間ではないということを知り、七海のことを考え直すきっかけになっていたようで、その描写はすんなりと理解できたし感情移入も出来た。
七海側も、暁人が嫌っているはずの自分にも細かな配慮を感じつつも、やっぱり自分と居ることに苦痛を感じている暁人の気持ちを察して胸を痛んだり。じれったくて、等身大で、可愛らしい二人の関係性に思わず『世界?能力?そんなこたあどうだっていいんだよ!萌のパワーはプレイヤー(自分)の心を救う!』と熱く拳を握りそうになる感じは、嗚呼オトメイトのゲームだなあってヒシヒシと感じました。

じりじりと近づいて、関係性が少しずつ変わって、戸惑う七海ちゃんは可愛かったし、ほほ染めながら「優しくすると戸惑って可愛い」と宣う暁人には倒れるかと思うぐらい萌えたし、また業を背負ってしまったな、と思いながらも私の表情は何故か晴れやかなのでした。壮大な世界観は犠牲となったのです。

ちなみにこの間に、深琴様とロンが突如フェードアウトしたりしますが、さほどキャラ達は真剣になって心配している様子はないのがクールだった。探すとか言いながら暁人と七海は恋愛イベント進めるし、自分はそこに萌えるし、これでいいのかもしれないと思わせられてる辺り、ノルン号の動かし方をわかってきたのかもしれない。というかそもそも仲間が大事とかそういう描写もなかったから(というかお互い干渉しないのがルールとか最初の方に語られてギスギス感最高潮)、そこが救いになったのかもしれない。もうアカン部分がアカン部分を救ってるぐらい入り乱れ具合もワックワクするレベルです。

よくわからないうち(もとい、恋愛イベントに夢中になっているうち)に、『世界』という能力者を総括してるところ的なわけわかんないところに駆くんが連れて行かれてレイプ目になって帰ってきたりしたときの意味不明な焦燥感というか、困惑具合というか。
そんな中でも恋愛イベントは進んでいくし、今までなんのやりとりも伏線もなかったであろうキャラと暁人が実は兄弟でした!とか言われた時は暁人ルートナンバーワンホワッツシーンでした。このシーンは後のシーンで『そういうことだったのか』と腑に落ちる部分もあるんですが、初見時では何もかもが唐突過ぎて、へ、へえ……そうなの……という困惑しか生み出さなかったのが本当にもったいないシーンだと思う。

なんだかんだで途中離脱した人が戻ってきたり、『世界』はヤバイんだって深琴様が叫んだり、世界の中の人に会ったり。この壮大な世界観を説明してくれるシーンがあるんですが、私のおつむのスカスカ具合もあるんでしょうが、ここ1番に何を言っているのかさっぱりわからない。理解した(ような)部分だけ語ると、『世界』と呼ばれるよくわからない何かは世界を平和にするために何回か同じことを?繰り返して?人々に能力を与えて?その人達に世界が平和になったかどうかの権限を与えて?平和になってないと思ったら『リセット』と言って世界を元に戻してやり直す的な、感じ、だったような、よくわかりません。
この『世界』が言ってることを、バックログで確認して咀嚼しようとしても、バックグログで振り返れない、世界が喋ったことが表示されない。演出だと捉えても、そこで振り返らせない意味は無いでしょうに。この終盤もいいとこな時点でようやく自分は、ノルンは知りたいことが10個あったら9.5個ぐらいは知れないことを覚悟したほうがいいことを学びました。そして特に明かさなくていいことを明かしてきたりするスカシっぷりも拳が熱くなる。

で、いろいろ揉めてるうちに、というか揉めてない時がなかったんですが、とあるキャラの能力が『過去を見せることが出来る』でその能力を使って唐突に二人の過去に遡ることに。二人の過去をさかのぼって何か現状が解決する、とかそういうことも無く、七海ちゃんがいきなり過去を振り返りたいと言い出して、自分も恋愛イベントなら進めてもええ!という気持ちが立派に育っていた。

暁人と実弟である千里はとある村で暮らしていて、その村は水不足で千里の水を操る能力を酷使していた。そのせいで千里は体調をくずし、暁人は千里の能力を自分に移すことを思いつく。七海ちゃんの能力は記憶を消すことですが、市ノ瀬兄弟と触れ合いつつも村人から依頼され、能力を使わせないようにする兄の記憶を弟から消すように依頼される。疑問に思いながらも、父親に半ば脅しのような形で七海ちゃんは千里から暁人の記憶を消してしまい、邪魔者の兄は村人に殺されかけ村を追い出される事になったのでした。
暁人が過去を振り返って自分にも非があることを反省し(それでも幼い彼が弟を守るという行動に出たのはやり方は上手くないとはいえ当然だと思うけども)、胸中を告白するシーンはじんと来るものもあった。だからこそ、あの突拍子もないなんの脈絡も伏線もない『俺の弟、お前』なシーンが本当に勿体無くて勿体無くて。
彼らの過去を知った今、二周したらまたさらに理解できて、萌えることが出来るんだろうと思いつつも、二周する体力は千里くんに潤してもらいたいぐらい枯渇していた。

七海ちゃんも大切な人の大事な人の記憶を消してしまった過去を受け入れ……たようなそうでなかったような、とりあえず暁人のことを受け入れて二人は幸せにハッピーエンド。よくわかんないけど、なんか追われてたキャラとか連れさられたキャラも戻ってきたり千里も『お、お兄ちゃん……(照れ顔)』みたいな、また兄弟としてやっていけるよねって空気よりも軽いやりとりでエンディングを迎えてました。世界?リセットするの?しないの?とか、そういう本筋の話は今私の背中にザックリ刺さってますが見えないところにあるからいいんです……いいんです。

ちなみにバッドは暁人の決断が鈍って過去から戻ってこれなくなる。ショタ暁人さんは大変美味しゅうございました。

ノーマルは、せっかく兄弟だとばらしたのにまた千里の記憶を七海ちゃんに消してくれと頼む、暁人の自慰としか思えない独りよがりな行為に加担してしまうなんとも微妙な結末だった。千里の事情とか感情とか丸無視。
更にMUNAKUSOなのは、エンディングの流れで暁人の部屋でベッドに二人にもつれ込み、大筋の話が終わった途端暁人が「そんじゃ、やるぞ」とか言ってて、私は彼の胸ぐらを掴んで振り上げた拳を振り下ろしそうになりましたね。
ベッドに男女が入ったらやることは1つだの、邪魔された後今夜覚えとけよだの、光の早さでそっこー忘れましたけども。(鼻に小指を突っ込みながら)


以上が私が飛び乗ったノルン号もといラピュタの旅の記録であり、っていうか旅?というかなんだろうこれ?
能力とか言っておきながら戦闘描写は数える程しかないし、恋愛過程もいいって言っても説得力がわずかにあるだけで、丁寧さはない。壮大な世界観は言わずもがな。それでも自分はセックスがなかっただけですごい嬉しかったぐらいには鍛え上げられていたし、二人の関係性には悶たし、キャラクターは二人共可愛らしかった。
ただ、『オトメイトだから』『乙女ゲーだから』という理由でこの描写の稚拙さと手抜きを見逃すのは自分には出来ない。萌えという力量は大したもんだと思うんですが、ゲーム性の無さ、違う場所なのに似たような背景を使用するなどの手抜きは納得行かない。登場人物は多すぎて管理しきれて居ないし、空汰くんは一番どこ行ったかわからないし、というか一周したのにわかったことのほうが少なくて、逆にそのほうがすごいような気がしてきた。


あとどうしても語っておきたいのは、美しい背景郡の中にどう見ても透けたチンコにしか見えない建物(自分の中ではシースルーチンコ、スケルトンチンコ等呼ばれております)がノルン号に搭載されてるんだけどもこれが緊迫したシーンの背景にそびえ立ってるのを見るたびに笑顔をもたらせてくれた。特にシースルーチンコの建物を背景に男の子たちが言い合いしてるシーンはすっごい胸にキました。
このイチモツごとアニメ化すると思うと、ワクワクとゾクゾクが一変に来て震えが止まらない日々です。


次は新作、クロノスタシアをプレイしたい。どういったゲームなのか、自分なりに楽しんでいけたらと思いつつ、やはりそういった期待を最後まで裏切って欲しいと思う自分が居ます。