09 2015

景時、九郎ルート クリア

新年、あけましておめでとうございます。皆様良き新年を迎えられましたでしょうか。

14年のまとめの記事にも書きましたが、サイドメニューの直近の積みゲーリストもガン無視しして遙か3を攻略して、前回の最終セーブが約2年前だったことに軽い恐怖を覚えながら景時と九郎を攻略しました。以下より新年幕開けたばかりなのに過去を懐かしんだ感想です。

(※PS2版をフルコンプ済みの感想です)

●景時ルート
もう朧気な記憶をひねり出して出てくる過去にプレイした時の景時の感想は、お前本当に八葉か?である。まあ本人も八葉みたいな……そうじゃないような……でもそうなような……な感じだったので、この感想はあながち間違いでも無いと思っている。(「俺はもう君を守る八葉じゃない」は結構名言だと思う、普通の意味で……)

久しぶりの遙かだぜ!6への前哨戦や!と謎の意気込みを胸に、ゴリゴリ神子をムキムキにしつつ、途中何気なく選んだ選択肢で出てきた譲とのやりとりで椅子から転げ落ちそうになりながら、いかんいかんと譲に気を取られそうになる自分を戒め、一回りも下の女子高校生に縋りつく成人男性を攻略しに選択肢を選んでいく。
いやあ、しかし、でも、縋り付きたくなるのもわかるぐらいの『将』っぷりなんです、見事な肝の座りっぷり。笑ってごまかそうとする景時に対して、真面目な顔して『私は景時さんはすごいと思います(真顔)』って告げる神子殿にはもう私までブルブル震え上がった。もう軍奉行?どっちが?って問いたいぐらいの決断力。カッケェー!

ただ正直、神子が景時に惚れるのがやっぱよくわからなかった部分が大きかった。というか、向こうもこっちを好きになったっていう感じはあまりしない。景時も、信頼される描写よりも先に唐突に過去を語り出したりする部分もあって、そこは感情移入がスムーズに行かない部分も大きかった(あまりの神子の勇ましさっぷりに思わず頼ってしまったのかもしれないが。別世界の人でもあるし関係ない人間といえば関係ないので…)。神子があまりにも勇ましく、決断力に溢れているから、女性としてより将として憧れられているみたいな気持ちのほうが、見ていて強くなってしまったのかもしれない。

景時ルート屈指の名シーン、頼朝に追い詰められ仲間を捨てて二人で逃げようと一回りも下の女子高生に縋りつき懇願するスチル付き。
シナリオの細かい部分は忘れてしまっても、プレイ前でもこのシーンは思い出せるぐらいプレイ当時の私の脳裏に刻みつけられたシーンであります。二十代の良い男が追い詰められ追い詰められ、ようやく弱みを見せ縋りつくことが出来た存在に、男としても大人としても、誰にもバレぬよう張ってきた崩れかけの虚勢も、プライドも何もかもが瓦解していく様には、大人になった今見てもチビりました。
そんなコテンパンに弱り切っている景時が見せた弱みに対し、

望美「逃げるなら一人で逃げて…」

という選択肢を設けるルビーパーティーの粋なはからいには惚れ惚れ致します。この選択肢を選んだ時の「…そ、そっか」という景時の台詞と哀愁を帯びた表情は一見の価値アリですので、是非。
いやーしかし、ここまで景時さんを支えるでありますな選択肢を選び景時の御輿をワッショイワッショイさせてきたのにもかかわらず、景時の本当の弱み、悩みを見せたこのシーンで、彼を受け入れる選択肢を『選んではいけない』というのが見事な流れだなと思う。
一緒に逃げちゃうEDの綱渡りっぷりも好きですけどもね。というかEDでも神子主導な感じがするのが、BADEDながら面白いです。これはある意味HAPPYなんじゃないのかと思えるぐらい。捕まる気しない。
このシーンの救いを求めるダメ男な、井上さんの演技もおみごとです。遙か3はパートボイス作品ですが、ここに音があるのと無いのとでは、ぜんぜん印象が違うと思う。

景時はヒーロー的な格好良さを持ち合わせていない攻略対象ですが、私はこういうキャラは乙女ゲーでは珍しく、そして色んな意味でオモシロイキャラだと感じた。ただ、やはり人気が出るか出ないかと言えば、とても難易度が高い、というのが自分の印象です。
もちろん、景時を好きな人を否定する意味ではなくて、個人的には、ゲームのような娯楽作品にはある程度のヒーロー性が必要だと思っている人間なので。ただ、8人+α居る中で、こういうキャラを持ってくる遙か3のシナリオの力強さが自分は大好きです。
だがしかし、EDも些かながらよくわからない不安感が湧いてくる、最後までおもしろ切ないキャラであった。譲とは違う意味で、望美が居なくなったらどうすんだこの人。

どうでもいいっちゃどうでもいいんですが、絆が上がって二人技出来るようになった時の二人の姿がイエス!フォーリンラブ!スタイルで技繰り出す度に笑ってました。


●九郎ルート
過去にそこそこ楽しめた記憶があったので、今プレイしてどんな感想を抱くのか、我が事ながら気になっては居たのですが、プレイを終えた今の私はさんざん苦虫を噛み潰した倦怠感で一杯だった。いや、もうむしろ不味い、もう一杯。

九郎は本当にもう愚直ここに極まれりって感じで、素直で猪突猛進、一度信じたら疑わない。乙女ゲーのキャラクター的にはそこは『可愛らしい』という評価をできることももちろん分かるのですが。
彼は将なわけです、しかも主人公がいる源氏側の、物語の主軸とも言える二大勢力の1つのど真ん中に居ると言っても過言ではない。そんな彼が部下や周囲の人の声に耳をかそうともせず兄上が兄上で兄上を兄上兄上あにうえ…あ…に…う……え……。口を開く度に『兄上』のオンステージ。景時も『神子とヒゲジジイ、どっちが好きなんだ?』とさんざん問いかけたけど、お前さんもか。

そこを考えだすともう止まらなかった。疑問符が湯水のごとく溢れ出し、挙句の果てに泣き言を言う九郎に切れ味のよい選択肢「泣き言を言ったってなんにもならないよ!!」にカーソルを当てて○ボタンを叩きつけてやった時の爽快感と言ったらたまんないたまんない。神子殿言葉の無双乱舞。
楽しむには敢えて思考を放棄するべきだったのでしょうが、九郎の下には何千人という部下が居て、彼を支えるために犠牲となった人間も居る、でもそんなこと考えもしやしないで兄上兄上言ってるから通算兄上回数に反比例して私の口内環境は濁っていきますよ。『本編で語られることなく行間で居なくなってしまった人のことを忘れないで欲しい』と十二国記のあとがきで語っていた小野不由美先生のお言葉を思い出してしまいました。

このルートだけではないですが、気持ちの変遷が描かれないのでなんだか唐突に九郎に好きになる神子にも置いてけぼり喰らいました。いや、望美はいつだって色んな意味で私を置いてけぼりにしてきたけれども……こういう意味で置いてけぼりにされるのは今まで楽しんでこれた分、つらいものがあった。ここまでで九郎が出来た活躍といえば鵯越で、その鵯越も望美の助言で成功して、しかも望美を前に乗せて鵯越するっていうもうどっちがヒロインなんだね。

これは一番最初にプレイした当時から感じていたことだったのですが、神子は自分に良いように運命を上書きする。過去に九郎がここで失敗したから時空跳躍、九郎が死んでしまったから時空跳躍……時を超える重みの無さっぷりには震えが止まらないレベルです。罪悪感も何も感じないし、疑問にも思わない。かといえ自分の命削って結局何事もなかった某神子殿とかみたいにしてほしいわけでもないですが……。
「あの人を助けたい――そのためなら、運命だって変えてみせる」 その運命で変えられてしまう居なくなった人たちのことを考えもしない。狙ってケツを追いかけた男以外は見向きもされない、そこがすごく怖い。
そういうことを悩む描写もきっと入れられたのでしょうが(このシナリオなら、『忘れていた』『気付かなかった』とは自分は思えないのです)、敢えて全部捨てていったんだと感じて居ましたが。九郎ルートでは『九郎に活躍させるため』の時空跳躍が度重なり、考えないようにして来たことがちょろちょろと漏れだし、最終的にマーライオンみたいになりました。

楽しかったところを語るなら、神子を静御前に置き換えた件は楽しかったです。静御前が詠った詩を神子がなぞるのですが、流れも美しく伏線も綺麗に回収していて良かった。そんな感動の気持ちを瞬間冷却させるアニメを『ご愛嬌』と思えるのは過去にたんまりプレイした賜物だなと。こちとらさんざん鍛えられてきたのです。(もはやあの作画レベルは世代を越えて継承されていくものだと思っている)
そんな感動に浸っていたら過去に譲が『女を残して逃げた卑怯なヤツの詩』みたいな感じで言ってるのが回想で出てきて大分腹がよじれました。譲のそういう、無害と思わせておいて確実に相手にアッパー食らわせてる感じの言葉の暴力、好きだよ。

エンディングは神子と一緒に現代へ。あっちに居場所なくなったからすごすごこっちへ来たという印象しか残らなかったのは本当に残念であります。本編終盤でも『戦が終わった後の自分が想像できない』的な弱音を漏らしていましたが、そのあたりは結局九郎の中で解決はしていないんですよね。あの時は神子に喝入れられてすぐ立ち直って、コイツ逆に唸っちまうぐらい単純だなって終盤は別の意味で楽しんでました。望美がすごいのか九郎が単純なのか。
(追記:書き終えた後におまけがあるのを発見して、EDに行く直前に至るまでの過程が描かれていて、少し納得出来ました。『すごすごこっちへ来た』と思っていたのは、九郎本人もだったとは。人の上に立つような人だとは思えなかったですが、慕われているのがわかって、そこは良かったです)

最終決戦の茶吉尼天の前に景時が過去を語るのですが、自身のルートで『誰にもバラさないでね』みたいなこと言いながら他人のルートであっさりばらしとるやんけ!と笑ったのもプレイを終えた今なら良い意味で消化しつつあります。

今口の中で苦虫の味しかしないのに、初プレイ当時の自分は何故楽しめたのか……。あの頃の乙女ゲー経験値が圧倒的に足りていなかったのもあるでしょうけど、当時の自分は九郎のビジュアルがすごく好きだったのもあると思った。漫画の読み切りで遙か3が出た時、単行本収録での九郎のイラスト、瞬間湯沸器みたいな心の沸騰具合って言ったら…今は今でこういう感想を抱けたこと、感慨深いと同時に楽しくもあります。


二人共肝心なところでナヨナヨしてたので、ダメ男のケツをビシバシ叩くような心証しか残らなかったのはちょっと残念でした。武将のくせに肝っ玉全部望美に吸い取られたりでもしたんだろうか。(あり得る)

次は船に火付けてた記憶しかない弁慶と、なんというかもう…いろいろ凄かったリズ先生かどちらかを攻略したいと思う。(一瞬積んでるアナスカを思い出し、同じコーエーだからいいよねという謎の理由で自分を納得させるに至る)


<シーン抜粋>

望美「私の好きな花、よく知ってるね?」
譲「長い付き合いですから、大体は」
望美「私は譲くんのすきなもの、わかってるかなあ?」
譲「先輩は、わからないと思いますよ」
望美「よし、私も譲くんの好きなもの調べよう」
譲「お好きにどうぞ。ですが、たぶん……わからないと思いますよ」

ひと通り笑った後、謎の切なさが沸騰した。譲はこういう細々とした伏線を共通で挟んでくるので、すでにルートを終えた身としてはひたすら胃を抱えながら別の男のケツを追わねばならない辛さがある。二周目以降で察することが出来る譲の心情の表現、おみごと。
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