04 2015

青の嗜虐 緑の被虐 感想

どのカテゴリにぶっこむかちょっと迷ったけど、R18作品と明確に表示されていたのでゲームかどうかはともかくR18カテゴリにしました。というわけで過去の二作(淫惑、愛病)の感想もR18に区分けしなおしました。どちらも一生懸命励んで居られたので。

というわけで以下より感想。いつものように普通にネタバレしてます。


青の嗜虐 緑の被虐
青の嗜虐 緑の被虐
posted with amazlet at 15.08.03
OperettaDue (2015-07-31)

今回も戻ってこれなくなっちゃってる人居るのかな……と思いきや、私が聞いてきた三作の中では登場人物の根本は一番普通だったかもしれない。過去二作ではもう戻ってこれなくなっちゃった感じの人が必ず一人は居たので。でもやってることは過去二作よりは一番ハードだった。
これをきいたのは労働続きでかなり疲れていた頃でそんな中でキャラに「下着を下ろして、そこのテーブルに手をつきなさい」とか言われて腹抱えてゲラゲラ笑ったあの時の私は相当やばかったと自分でも思う。「しゃべっている」が「しゃぶっている」に聞こえた辺りで疲れていることを自覚してようやく布団に入りました。あと散々シチュCD苦手だと言って来たものの、なんとなく克服したのか普通に聞けるようにはなりました。今回はヘッドホンしっぱなしで聞いたけど、特に思うところもなく普通に聞けた。ただ、男の喘ぎ声を一方的に聞かされ続けるのはやっぱりつらいものがあった。エロ演技が嫌いというわけではもちろん無いですが、ずっとそればかり聞かされるというのも食傷気味になるというか。逆に男性向けの女性のエロ演技も大体飛ばすので、そこまで意味のない喘ぎ声の演技には興味を惹かれないのかもしれない。

あとこの作品、ヴィジュアルMIXだかで視覚的にも楽しめるドラマCDらしいですが、それってただの簡易版ADVでは?と思っていたらまさしくそうでした。簡単な立ち絵数枚にと背景で、セーブやロードもあり選択肢もある(といってもED選択なだけですが)。縮小機能版ADV。主人公の台詞と思考はオン・オフを選択できて、自己投影したい人にも、自分のような第三視点で楽しむ人間にも優しい作りだったと思う。自分は感情移入はするけど自己投影はしないので、オンでプレイしましたが、結構重要な情報や思考も主人公の独白で出てくるので極力オンでプレイしたほうが楽しめるかなと思う。もちろんオフでプレイしても楽しめるようには作られております。そうすると独白での状況説明がなくなるせいで台詞が一部説明口調で違和感を覚えるけど、これは元はドラマCDという作りだから仕方ないと割り切れる。
にしても、私にとっては簡易ADVであるため、音声スキップが使えないのは辛かった。ADVという体をなしているのに些細なSE音まで最後まで聞かねばページ送り出来ないのは、自分が思っていた以上に相当ストレスが溜まった。これは敢えてこうした制作側のこだわりなんでしょうが(既読スキップ機能が付いているのに音声送りが出来ないはずがあるまい)、カギを何重にもかけるシーンでずっとカチャカチャやってるのはさすがに飛ばす権利が欲しかった。あと声優さんの演技を楽しむ方なら問題は無いと思いますが、自分は声を聞くタイミングよりも文字を追うタイミングでプレイを進めていく人間なので、これが物語を楽しむためにとてもブレーキをかけていた。既読状態になればページ送りが自分のタイミングでできるようになるので、これからプレイする方は10分程度プレイして、あわないなと思ったら一度すべての音量を最小にしつつオートモードで全部流し既読状態にしてからプレイするのが良いと思う。選択肢で止められるけど一度だけだし、ED後は自動的にスタート画面に戻ってネタバレもないので。

物語の内容は、主人公が奴隷として扱われるエドアルドルートと、主人公が領主としてキャラを奴隷として扱うジャーダルート。主人公の立場は全然違うけれどもちゃんと同一人物で、理由も明かされますが、聞いてく内になんとなく予想出来る感じでした。過去三作の謎難易度的に言えば淫惑の箱庭よりは凝っていたかなという感じです、あれは本当にバレバレだったので。
聞く順番はエドアルドHAPPY・BAD→ジャーダHAPPY・BADがオススメ。すべてを聞いたら真相ルートのシェルタルート……とも呼べない感じのネタばらしルートが出てきます。この流れで聞けば上手くすっきり物語が繋がっていくかと。

以下よりキャラ感想です。


●エドアルド
しょっぱなからパンツ脱いでケツを出せって言われてムチでペシンペシンやられた瞬間から私の腹筋はゴッソリ持って行かれた。主人公のことを愛しているけどムチを振るったり縄を取り出したり結構酷いことをされます。でもこれもちゃんと理由があったし、このタイトルのこういう作品なので、理由がなくても描写はそれとなく受け入れられました。と言ってもそこまでキツめの描写でもなかったと思う。個人的には。

このルートは作品での序章的な感じで、物語的な意味での面白さも少なく(無いわけではない)カタルシスも得られなかったけど、彼がこうなった理由はちゃんと語られるのでそこは納得出来ました。圧政を敷いてきた父親のイメージが自分にも勝手に植え付けられ、本当は甚振られたい派だったのに甚振る側に回らざるを得なかったけど過去に付き合っていた主人公はそんな自分を見抜いてたくさん甚振ってくれたっていう終盤での性癖報告会には「そ、そらしょうがないわ……性癖だもんな」としか思えなかったけど、納得は出来ます。性癖だからしょうがない。用法用量を正しく守って両者合意の上ならどうぞ。
記憶を失った主人公は、奴隷として自分を買ってくれなんだかんだ優しく接してくれるエドアルドに愛情を向けるけども、主人公が向ける愛を信じ切れずエドアルドは縄をとり出すし、主人公も主人公で奴隷という立場でエドアルドへの愛情を表には出せない。そこを乗り越えられるかがハッピーかBADかの分かれ目でした。
結局主人公は自分が何者であり何を失ったかを思い出さずにED。何かを乗り越えたかと問われれば本質的には何も乗り越えなかったけど、二人は幸せそうだからまあいいんじゃないだろうかとは思う。ただ確実に長続きはしないであろう砂上の楼閣だなとも思った。最後は主人公が妊娠してましたが、エドアルドは他人のことを考えている余裕のない人間なので、子供になんかしそうで負の連鎖が続くんじゃないかと考えたらハッピーでもあまり後味の良いEDには感じられなかった。というか妊婦に縄取り出した時点でもう相手の気持ちがどうこうより性癖に素直になっただけなんだろうなあ。とはいえ、後味はよろしくないけど、これが物語的な意味で良いか悪いかって感じるのは、また別問題で。
主人公大好きっ子なのに、主人公を目隠しして他の男に股間舐めさせながら自分は紅茶でも飲んでるわーって言いながらいそいそ服脱いでやる気満々だったエドアルドさんのこの形容しがたい小物っぷりは大好きです。彼はまさしくこの作品の刺身のツマであり当て馬だけど、私は刺身のツマが好きなので最後まで彼を嫌いにはなれませんでした。かといえ好きと言えるにはもうちょっとかっこいいとこ見せて欲しかったけれども。結構きついことしてきますが、彼は生まれの環境で歪んでしまっただけで性根まで鬼畜な人間ってわけではなく、でも自分で立ち上がれるほど強くもなかった。これが彼が刺身のツマたる所以だと思いますが、そんな彼の弱さはやっぱり嫌いにはなれなかった。とは言え刺身をほっといてツマばかり食べれるほどでもない、。これに尽きる。
ちなみにこのルートは主人公視点オンでプレイすると主人公が「一瞬見下ろした乳首は、収穫前の苺よりも赤く染まっていた」とご自身の乳首の実況中継してくれる。収穫前の苺乳とは一体なんなのかという湧き上がる疑問と共に……何の伏線でもなく唐突に出てきた収穫前の苺を是非収穫してやってください。食べごろですよ。

何にせよ色んな意味でたいへん笑ったルートではありました。


●ジャーダ
彼は一言で言い表せる。刺身。以上です。
屈強で強い精神力を持ち、ただただ主人公を一途に愛する。その瞳の力強さに惹かれた主人公が奴隷市場で買ってきた男性。ほんと残念なのは、主人公に媚薬塗ったくったオケツ開発玩具を突っ込まれビシバシムチで叩かれようとも彼が何故主人公を愛すると言って屈しなかった……その理由なんだけども、そんだけで?ってほど希薄で。このSM描写に対してのジャーダの主人公への思いのきっかけが薄すぎて納得は出来なかった。本人はとてつもなく格好良い男なのに。これは淫惑の箱庭でも同様のことを思っていたので、本当に残念だったです。もっと主人公に惹かれる強い理由があれば、大いに萌えられただろうなあと。
でも、こんな屈強な男が自分を痛めつけさせてまで主人公への愛を証明するっていう行動は良かった。主人公の、叔父に性的虐待されて両親殺されたっていう設定も主人公の悩みや苦しみに上手くマッチングしていたし、そこにエロを織り交ぜながら主人公自身が選択し、二人で乗り越えていくのは良かった。
シェルタは主人公は結局叔父を愛していたと言っていたけれども、ストックホルム症候群っていうか恐怖政治っていうか……別に心の底から好きとかそういうわけではないと感じられた。そんな過去を持ちつつも女主人としてやってるんだから、ジャーダも言っていた通り彼女は強い部類に入ると思う。エドアルドルートでは主人公も被虐を求めていたって言われてたけど、別にそんなことも無いんじゃないかな……と思った。主人公は幼少期は叔父に嗜虐される立場だったけどその後は気丈に振る舞わなければならない環境にあったってだけで、主人公自身が心から被虐を求めていたようには感じられなかったし、嗜虐を求めていたわけでもなかった。ジャーダにムチを振るいながらも倒れこんだ彼を心配した時点で、普通の性癖をお持ちなのだと思う。一方でエドアルドはTHE性癖だと思うけども。
ジャーダも口では被虐を求めていたけど、どちらかと言うとSっぽさを感じた。攻められている立場なのに余裕綽々というか、主人公を誘導しているし、嗜虐されて心の底から喜んでそれを求めているってわけでもなかったように自分は思えました。何をされても最後まで強い男です。BADEDは主人公の弱さゆえの結果で、彼には何の落ち度も無いからどのEDでも最後まで屈することを知らない彼でした。
というわけで、ジャーダルートって言うよりも主人公ルートって感じだったろうか。長文な独白も結構あったような印象を受けました。なのでジャーダよりも主人公に対しての感情移入で乗り切った部分も大きかっただろうか。謎も大半明かされるのでそういう意味でも面白いルートではあった。


●シェルタ
ジャーダルートで彼の本体をぼんやり理解出来るので、主人公が助けて拾った狐でしたというネタばらしもさほど驚きも無かったのはちょっと残念だった。一方道産子の自分はエキノコックスが気になってそわそわした。(小学生のうちから野生動物の教育をされるから根本に張り付いてる)
あと、NOISEをプレイしたためか、なんとなくループ描写を匂わされていた時点で大体どういう立ち位置の人かわかってしまったのが残念。
シェルタにはさほど感情移入も出来なかったけど、ただただ主人公を思い続けるかわいそうな存在では有りました。報われないけど、未来は暗くないような気がする。確実に明るいとも言いがたいけれども。


【総評】
自分は和田ベコ先生のファンなので激甘判定かも知れませんが、枚数は少ないとはいえかっこいいかつアダルトなスチルをたくさん見せて貰って満足でした。主人公の顔が映らないように工夫されつつ、いい感じに裸体も拝めるので眼福です。ただ、出来れば主人公の顔も見せて欲しかった派でした。

システムについては前述したとおりですが、中途半端に視覚効果を狙うのなら、きっちり区分けしたほうが良いと思った。機能としても作り手側のこだわりとしても中途半端。

シナリオについては、過去二作をやっていて感じた、深く感情移入できるような理由付けは無かった、という印象は今作でも有りました。ただ納得が出来ないわけではないし、萌えもあるし考えさせられることもあった。SM描写が目立つけれども、それもちゃんと理由があるし、エロ描写にもちゃんと理由があって、きちんとしたR18作品だな、というのを感じられてそこは感心しました。
痛い描写が目立つけども、過去二作のぶっ飛んだ御方組よりは、彼らは狂気を超えていません。敢えてぶっとばさなかったのかはどうかはわからないけど、根は鬼畜になりきれないのにムチ振るう彼らの歪みっぷりと捻じれっぷりは面白かった。

ただSEについてはほんと残念。これについては淫惑の箱庭でもセックス音が放屁音みたいなかなり空気混じった感じのぱふぱふ音だったけど、厳重にカギをかけているはずの音は、チャリンコにつけるカギかと思うぐらい重さのない音だったし、かなりアカンかったのは主人公の尻にムチ振るった時の音とジャーダのケツにムチ振るった時の音が同じ『ペチンッ』って音だったこと。主人公の尻はともかくジャーダのようにケツまで筋肉ついてるような男にペチンッってなんなんだそのソフトタッチは……。

声優さん達の演技も、ファンの方なら満足だと思います。個人的には淫惑の箱庭でのルチアーノの狂気演技が面白かったのでそれを楽しみにしていたら意外と普通でちょっと残念でした。これは演技力不足っていう意味ではなく、彼らは根本では狂気に至っていないので、そういう演技が見られないのはある意味正解だったかと思います。

狂気には触れては居ないけども、ドSなあなたにもドMなあなたにもすすめられるCDではあると感じました。



三作とも同じような出来に感じたので、(もしあるのだとしたら)次の購入は無い……ような気がする。ただ淫惑の箱庭のルチアーノの演技がほんとに忘れられなくて、なんとなくそんな感じのが聞けるのかなと期待して購入しまいました。
中途半端にADVの体をなすなら、このCDを買うよりも安いDiaryのほうが良い出来だったとやっぱり思ってしまいます。声優の演技はともかく、話の出来や流れが未だにアレを超えるものがオペレッタから出てこないのが……そういう意味では越えざるが気になっていますが、ひとまずは他の積みゲーを崩すことを目標としたい。

と言いながら1つ崩せば2つ積みゲー増やすような現状が続いてますが、もう自分の気が向いたゲームをただひたすらカチカチやろうと思います。
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