全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

15 2015

(夢灯り)官兵衛、半兵衛、光秀ルート クリア +総評

あと残り3人か……と思ったら本当にあっという間だった。それだけ短い作品だったということでもあるんだけども、短いながらにポイントもちゃんと抑えて十二分に楽しかったです。これの前に暗い作品をやっていたからテンションついていけるかどうか不安だったんですが、やっていけばあっという間に下天の世界に引きこまれた。巧くまとめているなあとさすがのネオロマでした。


●官兵衛ルート
姫の事好き好き大好きのネオロマ御用達キャラですが、それが本当か本当じゃないかの境目の表現は上手かった。官兵衛自身、恋が初めてでこれは好きという感情なのか?と疑問を持っていたから曖昧な表現だったというのもあったんですね。このあたりは絶妙なさじ加減ですごくのたうち回った。
自分はこういう世界の中心で主人公を叫んでいるようなキャラクターが大好きすぎるので、見事に転がり落ちていった。その視界には想い人以外はじゃがいもしか映ってないんじゃないのかと思える譲や加地など、こういうネオロマキャラに出会うたびに足元すくわれて一緒に足を引っ掛け合いながらのたうち回ってきた。なので官兵衛が姫に落ちるのと同じぐらいの早さで私も官兵衛にソッコー落ちた。かなりの早業だった。ネオロマで好みのキャラにハマった時の自分の溺れっぷりが自分でも心地よいです、息できてないのに。
というわけで、官兵衛からの姫のことすきすき攻撃を全身に浴びながら、それを鼻から吸ってそれが全身をめぐるのを感じながら官兵衛ルート楽しんでいた。まあそういう私の性癖の贔屓目が取り除けているかはまた別として、前述したとおり短いながらポイントはおさえていて官兵衛の気持ちはよくわかったし、主人公の戸惑いや疑いからの始まりから、官兵衛との触れ合いで官兵衛を信用して惹かれていく様子はちゃんと描かれていた。優しくて強い官兵衛が、忍びとしては甘ちゃんだけど、人としては優しい心を持ったほたるちゃんに惹かれるのもよくわかった。
半兵衛との友情も濃密な描写ではないのにちゃんとポイントをおさえていて理解できたし、主人公と会う前に長い間幽閉されていた官兵衛が藤を見て耐えたというエピソードも趣があって好きです(どうやら史実らしい)。自分以外の生き物の存在はかなりの支えになっていたんだろうなと。こういう寡黙で身内ではいろんなことを考えて実は感受性高いであろうキャラに、こういうエピソードを添えて来るネオロマのセンスの良さが好き。調べたら黒田家の家紋が藤らしく、下天にお勉強させてもらっているなあという気持ちにもなった。こういう学び直しはとてもありがたい。
官兵衛は相当苦しんだだろうけど、恩を忘れないし優しい心を持っているから、道を間違う半兵衛を止めるかどうかの苦悩も堪らなかった。その上で半兵衛という友人を信頼して、己を信じて行動に移す官兵衛はまさしく武将でもあったし、私の表情筋もがばがばだった。
ED後の1年間耐えた後の再会っていうのもまた格別でした。……なんだか途中から官兵衛と同じような気持ちでプレイしてた気がする。


●半兵衛ルート
恋愛に至るのが少々あっさり過ぎだし強引かなとも思えたけど、病を抱えて通常より不安定な気持ちで、心の何処かで自分の行動への疑問を抱えていたからこそなのかなと解釈したらこのルートも楽しめた。いわゆる脳内補完な部分が大きくもあるんでしょうが。言い換えれば、半兵衛が健康体だったら、余程のことがない限り主人公には傾かないのではないかなとも思えた。
半兵衛自身は用心深くて自分を偽るのも簡単にできる、嘘をつかず偽ることもしない官兵衛とはある意味反対。心優しい官兵衛が主人公に惹かれるのはよく理解出来たけども……疑り深いはずの半兵衛が献身的な支えがあったから好きになったという理由では物足りないかなとも思えた。ただ、心根は優しいけど大切なものにはなりふり構わないタイプで、主人公を好きにはなるけど自制心も強く最後の最後まで自分の計画を貫き通したのかなと。ゲームはじめエンタメはその人が感じたままがすべてだとも思うので、自分の中ではそういうことに落ち着きました。はい。
ただそれでも難点を上げるなら、自分を苦しめた同郷であり上忍でもある主人公に対して『好きになったから』という理由で特に憎む描写もなくあっさり主人公を見逃してしまうのが少々残念。幼少期に感じたことっておとなになっても根深くありそうなものなのに、あっさりそれも許してしまわれたのはちょっとゆるゆる過ぎたかな、とも。

その分、演出や展開の流れが美しくて、変化選択の背景から桜へとすり替わるあの演出は思わず唸りました。あそこを伏線にするとは思わなくて……同じ郷を出たからこそこの『変化』の演出が光るのだな、と。これが官兵衛ルートでやられてもそれはそれで感動はしたでしょうが、同じ忍びである半兵衛だからこそなおのこと感動も出来た。桜に変化とかやり過ぎではとか言う自分も湧き上がらないことも無かったけど、小鳥や地蔵や鳳凰に変化出来てそれを許容出来た時点でこの描写も受け入れろと自分で自分を殴り倒した。後悔はしてない。

『何故半兵衛が残りの命を賭してまでここまでの行動に至ったか』の原因である秀吉への尊敬や思いは存分に語られていたし、他人のルートを辿るたび何度も何度も彼の行いを見て居ると彼の本気っぷりも察せられるようになった。
そういうわけで脳内補完が多いルートではあったけど、物語に大きな破綻やキャラの心情自体におかしい部分も無いし、根はみなと同じく優しい半兵衛が、同じく純粋無垢で疑うことを知らない主人公に惹かれて、主人公に救われるのもよく分かる。所々でほころんだ部分を、脳内補完でつなげる事が多かった、という印象だろうか。
言い換えればやっぱり物足りなかったんだろうけど、下天は基本的優しい世界だし、これはこれで……とも思えました。個人的には、官兵衛が姫にガッバガバだった分、もうちょっとキツくてなかなか心を開かない方が良かったけど、FD的な短い作品だから…と思えばやっぱり許せた。


●光秀ルート
さあ私の大本命、光秀殿……ですが、夢灯りでは羽柴組にかっさらわれてしまったかなーという印象。半兵衛官兵衛が追加キャラな時点で、羽柴組にかっさらわれるのはある意味当然なのかもしれないが、それでも本編に居た秀吉が充実したルートだったのでちょっと期待してしまった。本編以上の何かは得られなかったし、ただいじめられてなんやかんやしてたら終わったという感じが強くて残念。どちらかと言うと、やっぱり本編で饅頭口にねじ込まれた以上の感情の高ぶりは無かったです。饅頭ねじ込まれて興奮してる自分もどうかと思うけど。夢灯りではびわを食べさせられたけど、なんかものを食べさすのが好きなんでしょうかね。それがなんというか光秀殿特有の妖艶さを醸し出していて好きだった。
それでも光秀特有の言葉責めはほんっっと良かった。これぞ愛あるドSな言い回し。やはり光秀の性根も優しいし、平和を望んでいるし、信長様を心から慕っていながら、色々身を削り心を削っているのを察せられてそんな状態で夢灯りの光秀を見守られたのは新たな目線で良かったのかもしれない。って自分で打ってて思ったけど、かなり変な楽しみ方しているなこれ。
というわけで展開については可もなく不可もなくな印象だけど、心に残った台詞があるのでご紹介。

「欲しいものを人からもらってどうするの。
自分で手に入れるために力を尽くすからこそ…
手に入った喜びも大きいというものだろう?」

他の武将もいいそうだけど(信長あたり)、二番手な光秀がいうからこそ味わい深くなったように思える台詞。信長の天下のために尽力する、一見すると自分のほしいものじゃなさそうに見えるけど、それこそが光秀の欲しい『理想』なんだなあと感慨深くなった。

このルートはVS官兵衛みたいな表現が多く見られてかなり笑ったしときめいたけど、この感情は前にも味わった事があるな……と思ったら、コルダで柚木と加地の間に挟まれて激マズな空気吸わされた時の気持ちによく似ていた。ネオロマに踊らされている、怖い。
今までこのルートでいじめられた分、最後の最後で官兵衛と仲良くするか光秀に寄り添うかの選択肢が設けられていてジタバタしながら笑いました。ルビパの粋な計らいだと思った。わざと官兵衛を選んだ時の光秀のしょぼん顔見るのもそれはそれで美味しかった。光秀殿は一回り下の初な女の子を弄んでるくせして、そのやり取りで自分も癒やされてることをちゃんと自覚しておくように。いや、していてこの仕打ちなのかもしれんけど。


しかし羽柴組は同じ人好きになって泥沼ですね、って言うかそれを言ったら主要人物みんな主人公一点集中なんで、この国大丈夫かなって感じなのがある意味笑える……いや笑えないな。
というわけで大団円ルートはこの国の未来がある意味主人公にかかっているような気がしてならなくなって終わった。大団円ルートを見るためにバッドエンドを見なくちゃいけなかったのは少々悲しかった……ちゃんと任務こなして光秀にちゃんとやってるわい!って叩きつけるのが好きだったんで。


【総評】
・システム

いつものネオロマシステムでサクサクでした。二周目以降、アイテムを引き継ぎできるのも助かった。
ただアイテムを獲得するのに神経衰弱する意味はよくわからんかったし、敵と戦う時の時代が逆行したかのようなボタン押すだけのゲームは相変わらずつまらんかった。しょうがないといえば納得はできる……けど、無理につける必要もあったのかなと。あと重要な場面で地蔵とかに変化したりするおもしろ変化があまりできなかったのはちょっとさみしかった。本編はそういう意味では自由度高かったような気がする。

・グラフィック
相変わらず美麗だったし、本編よりもちょっと艶っぽく甘いスチルでよかった。かといえ、極端にデロデロ甘すぎないところも良い。枚数もこの攻略人数を考えたら納得の枚数で、これまたネオロマ特有の繊細で美麗なエフェクトがかかっているのも大変好ましかったです。

・シナリオ
概ね楽しめたけど、人数が増えたためか個人のシナリオが若干圧縮されていたように思えて短かったのが少々残念。その分サクサク攻略出来たのは有難かったし、シナリオは破綻しているわけでもなくきちんとポイントを抑えて納得できるところはちゃんと納得させてもらえたし、萌えるところは萌えた。本筋の流れは同じなので、一気にやると飽きが来るのは早いかも知れない。
本編同様主人公の性根は優しく、くせがあるように思える登場人物も性根は皆優しい。無印の感想同様、ある意味乙女ゲー仕様だとも思えるけど、下天に世の中のドロドロを求めるのもなんだか間違っているような気がするので、この心優しい主人公が居てくれて良かったのだと思えた。
後は特記することもないというか、無印で感じたのと同様な感想です。流れが綺麗に作ってあるなという印象だった。

無印の流れの続きだと聞いたので、FD的な意味合いなのかと思ったら希望小売価格が無印と一緒でコーエーとしてはそういう扱いではないんだろうか、少々不思議。コルダAS的な意味合いで発売したんでしょうか。だとするともうちょっとシナリオを厚くして欲しい部分もあったけど、自分としてはサクサク攻略出来て自然に感情移入出来たところに楽しさも見いだせて居たから、これはこれでいいとも思えました。

オススメプレイ順は
【家康→光秀→百地→蘭丸→信長→信行→秀吉→官兵衛→半兵衛→大団円】
本筋にあまり関係ない人を先に、関係ある人を後にする攻略順。半兵衛の演出は、夢灯りという作品的に最後に持ってきたほうが感動すると思う。基本だれからやっても楽しめるとは思うけど、織田家(信長、信行)と羽柴組(秀吉、官兵衛、半兵衛)は集中してプレイしたほうが事情が分かってより楽しめると思えた。特に信長→信行はおすすめ。



展開がやっぱり戦国時代なのに甘い展開(これは恋愛的な意味ではない方)が多かったように思えたけど、甘っちょろい戯れ言のほうが好きだって剣心も言ってたからこれはこれでいいのだろう……。トータルでは大変満足させてもらえたり、途中数ヶ月別のゲームを挟んで夢灯りに戻ってきたけど、すっと世界観に戻ることが出来て、そういう意味でこのサクサクっぷりはこのゲームの強みだと思えた。労働に励む人に優しいゲーム。(プレイ時間的な意味で)


サイケデリカは一周目が終わりました。ちょっと展開が予想できたのと、システムのせいで感情移入がうまく出来なくて可もなく不可もない作品という印象に落ち着いてしまったのは本当に残念。そして自分が思っていた以上に短い作品だった……下天よりもプレイ時間短いんじゃなかろうか。いや、ありがたいけど……理由は上記に記したとおり……。
今のところ緋影と山都が自分の中で二強です。こちらの理由はまた後日。
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