全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

18 2015

リ・エンゲイジ 感想

吸血狼のことはもういい……やりたいゲームをやるんだ、したいことをするんだ、私は自由だ。そんなことを思いながらプレイしたシュガードロップ・ブレイクアウト ロディスルート後日譚にいそいそとお金を振り込んだのでした。

リ・エンゲイジ - sugardrop breakout after story『リ・エンゲイジ』 - Studio F# GameExtraStudio F#様

私が本編でロディスにすってんころりんした時点でもうマウントは取られた状態だったけど、プレイしたら泥沼に垂直に落ちるが如くロディスの名前を叫びながらプレイしていた。
本編で物足りなかった恋愛描写および世界観設定がこの後日譚でこんもり盛られているとは思わなくて驚いたけれど、そのおかげでなんとなく察したことがある。ここのサークルさんのゲームは一つのゲームをやって全部が理解できるようには作られていないんだろうなあということ。一つだけを見れば綻んでるように見えるけど、他のゲームをプレイする度にきっとそれが補填されていくんだろうと思った。別のゲームをプレイする度に点と点が繋がるのは大変面白いとは思うんだけど、如何せん長いのと数が多いのがな……暇を見てぼちぼちプレイして行けたらいいなと感じている所存。

しかしながら、今作でも納得できる展開とそうでないところにきっぱりと分かれていた。ただこれは心情的に納得できるかできないかなので、物語に大きな破綻は無かったように思えます。簡単に物語を説明してしまえば、ロディスは本当に姫のことを好きなのかどうかを全力で姫が問いかける物語。本編をプレイしてロディスが好きになった人にはぜひともプレイして欲しい作品ではあったけど、そうでない人だとちょっと厳しいかなと思える部分もある。私はロディスの足にすがりつくぐらい好きになれたのでご覧の有様です。

システムについては此度も文句ナシ。やっぱりスキップボタンは画面上に欲しかったけど。目パチがとても自然な感じで驚いたし、相変わらずの動作はサクサク。一つ言うなら、ADV要素が強くなって既読率が出てくるようになったけど、シナリオがある程度量があるのでどの話を既読したかが一発ではわからないので、既読済みの文章の色を変えられるようにできたらななお良かった。選択肢もかなりの量で展開も端々の部分で変化してくるため追い切れず、いつになったら各キャラの既読率が100%に出来るのかと途方にくれております。ありがたい悲鳴ではあるんですけども。

納得できた部分もそうでない部分も、以下のキャラ感想で語ります。いや~しかしロディスのことを知れば知る程画面に笑顔を向けていた、自分自身で気持ち悪かった。反射しないモニターを買っておいて良かった。

・マーゴット
他人の心情には察しがいいというか、なんというか。宮廷という狭い世界で培われた洞察力なのかなとちょっと思った。それが今回の物語の引き金になった。ロディスを良い意味で追い詰めまくる展開には拳を突き上げながら『いいぞもっとやれ!』と思ったし、後半の本音大会にはもう転がりまくった。ただ心配なのは、この国の皇女なのにお飾りすぎるほどこの国の内情に対して無知であること。なんかそういう教育係とか居なかったんすかね、それともこれがこの国の教育方針なんだろうか。プレイヤーである自分よりもエウロのことに対して知識がなさすぎたけど、これからロディスの隣を歩くならば、今国がどういう状況で、何が起こっているかぐらいは知らないと行けないだろうに。ただこれに関しては、ロディスが最初にマーゴットに抱いた『あまりにも裏表のない純粋な少女』と評したことに改めて合点が行きました。
納得行かないのは、父親へ恋心を抱いていると語っていた事。うーん、アレは恋なのか?性的暴行をされて、なし崩し的に付き合うみたいな事になったけどやってたことはセックスだけで心の交流は無いにも等しくあの時点で立場は対等ではなかったし、本編で相手を殺して自分も死ぬ寸前まで追い詰められていたのに。ハッキリ言ってしまえば『父親の心の穴を埋めるためだけに使われた道具』としか思えなかった。そして父親を不幸には出来ず捨てられないと言ったことには、呪縛はまだ解けて居ないのでは。マーゴットは父親のことを背負わなくたって良いし、ロディスを選んだ時点で取捨選択をしているわけで。それをどちらも捨てられないなんてわがままが過ぎるんじゃないかなあ……。ロディスがエウロに戻ってくるまでの4年という歳月はかなり長いだろうけど、その年月で父親との心情的な切り離しを行って、精神的に大人になってほしいなあと思ったです。しかしその時にはロディス28で、マーゴットは21……絶妙な年齢差。

・ロディス
頭が良くてイケメンで仕事に対して潔癖でなおかつ恋愛ベタとかサイコーだなとか思ってたけど、私が思ったよりも厄介なタイプで大変笑った。汚い笑顔で笑った。(これが最上級で萌えた時に出てくる笑顔)
ロディスは恐らく孤独な人だなあとはなんとなく感じていたし、誰にでもほいほい心を開くタイプではないなとわかっていたけど、まさかここまで人の感情を理解していないとは思わなくて……恋愛的な意味で。きっと誰が何を考えているかなんてすぐわかっちゃうタイプだろうに、恋愛の部分が見事に欠落していてそんなロディスが愛おしくてしょうがなかったです。マーゴットに逃げられた時は、良いぞもっと取り乱せ~とマウスクリックのリズムも大変ノッた。
でも、すぐに『愛しています』とマーゴットに告白したのは、ちょっと違和感。惹かれている程度だとは思うけど、マーゴットが居なくなっても今のロディスに大変なるぐらい喪失感が与えられるかと考えると、そうでもないと思うんだよなあ。他人のことはよく見れるのに、自分の事は抜けてるところがあるよなと。それを言ったら、この物語の登場人物全員そうとも言えるんですけども。
自分がロディスを好きになれたのは、優しい心を持っているのに何処か大変孤独で、それでも周りを守って救おうとする、非情なようで居て本当に救いを求めている人には自分の気持ちを深く考えずに手を差し伸べてしまうところ。なんか久しぶりにまともなキャラ好きになったなって思った。いつもは世界はどうでもいいから主人公だけを守りたい系のはた迷惑な野郎ばかり好きになってきたのに今回は真逆で自分でもびっくり。
ロディスはマーゴットを利用すると(主にゲオルグに)大声で言っても良かったと思うし、心情的にはそうでなくても結果的にはそうなってしまうだろうし。そこに気持ちが伴ってるんだったら、別にそんなの気にする必要ないなと思っていたけど、主にゲオルグ中心のマーゴットの保護者はそうでもなかったよう。でも逆に大声で言わせて頂きたいんですが、ロディスよりも君らのほうが国の内情を考えるべきなんじゃないですかねえ……。
欠点を言うなら、仕事に対して潔癖な彼とは一緒に仕事したくないタイプ。自分が理解出来てるものは他人が理解出来てると扱いそうだし、この人の周りは今は優秀だから良いけど、エウロに戻ったら大変そうだなあと思った。彼ではなく、彼の周りの人間が。

・ゲオルグ
無理だった、自分は生理的にこの人がダメだ。やること、考えてること、全部引く。ある意味乙女ゲーでこういうキャラに初めて出会ったかもしれない。
ていうか自分の娘を心中寸前まで追い詰めておいたくせして、まだ娘に執着してるとか気持ち悪くてしょうがなかった。それを許して、もうお父様ったら!みたいな感じで普通の親子みたいに対話してるマーゴットも十分いびつだとも思ったけど。序盤で後ろから抱きしめられた時は、PC画面から思わずのけぞった。やめて、助けて、切実に。
今作中でロディスと2人でこの国の内情を話し合うシーンがあって、そのシーンは楽しかったし、この人も一応ながら国のこと考えてるんだなと(ようやく)思えたし、本編でエリンがゲオルグを殺してしまえば姫は生きていけないって言った意味をようやく実感出来てあのシーンはそういう意味で本当に面白かったです。この人が居なくなったらよりエウロが傾くのが実感できた。そしてより世界観に入り込めたと言うか。
ロディスの孤独っぷりを指摘して居たけど、本当に他人のことはよく見れるくせに自分のことは棚に上げまくり。自分の罪を認めて開き直ってる点が更に酷いし、娘の幸せを願わずに結局自分の嫉妬心丸出しなところがもう見事に私の癪に障るどころか油かけて火柱上がるまで燃やしまくる勢いで、馬乗りになってボコボコにしたいキャラリストにそっと追加しておいた。

・エリン、ジェラルド
もっと3人で居たいという主人公に、無茶苦茶共感した。この2人がセットだと本当にかわいい。同じ格好してるし。ジェラルド幸せにしてえなあ~と息を吐くように言いながらプレイしていたけど、これはこれで違った幸せのかたちだから良いのか。今作ではあまり活躍の場は無かったけど、彼らが活躍しないほうが平和だからなあ……。ジェラルドがロディスと仲良しなのを想像してちょっとほっこり来た。

・イヴァール
ロディスの同僚。会話を見ながら、ロディスよりもこの人と仕事したほうが楽だろうなーという変な見方をしてしまった。ある意味ロディスよりも大人だし、なんというかこの作品で久々に良い意味での一般人を見た気がして心が洗われた。クセのある人ではあるんだろうけど、あのロディスと一緒に仕事してるって時点で、凄いよイヴァールさん。


とても楽しめた。後半の展開にはロディスと一緒に悶えることが出来て良かった。本編をプレイして物足りないなと思っていた部分がピンポイントで来てくれたので。このゲームの800円という金額は最初躊躇った部分もあったんだけれども、最終的にはロディス!金ならここにある!持って行ってくれ!と財布を広げるぐらいには満足できました。

他人に勧めるとなるとちょっとむずかしい部分もあるし、姫があまりにも内情に対して無知な点は引っかかる人も多そう。でもぐっと惹かれる展開もある。乙女ゲーとしては勧めにくいけど、ノベルゲーとしては勧めやすいかなと。自分と一緒にリ・エンゲイジでロディスという泥沼に漬かってくれる人を募集中です。
ちなみにシュガドロを一言で現すなら「登場人物誰も幸せになる気がない話」でファイナルアンサー。皆もっと追いかけてその手でつかみとってくれよ幸福を……。

ロディスの幼少期ゲーである渡り鳥~も気になってはいますが(主にロディスの初恋的な意味で)、ここいらでちょっと別ゲーをはさみたい、というかそろそろいい加減忍び寄る吸血狼の影。
ここいらで再開しとかないと退治する機会を消失してしまいそうでヤバイ。Vitaを持つよりもマウスカチカチのほうがプレイ速度が段違いで、自分の向き不向きを改めて自覚した次第です。

とか言っておきながら近日中に影の剣ルートの後日譚が公開されるらしいのでそうなったらまた吸血狼界からは行方をくらましそうな……。
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