全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

12 2015

比佐将文ルート 感想

う、嘘だろ……ふ、普通に楽しいぞこれ……!?

と震えながら最後まで攻略してしまった。おっ、結構楽しいじゃんかと序盤の部分でもそこそこ満足していたら、最後まで満足できたまま終えられて本当に驚いている。あの色んな意味で一世を風靡したハートの国のアリスPC版で修行のような300周を3セットぐらいして息も絶え絶えになったあの過去から5年以上の時を経て、QuinRoseが終了の狼煙を上げた後に『さてと、やっつけてやるか』と震え声を出しながらプレイしたら意外にもストーリーはしっかりしているし主人公は好感持てるしで、この感情をどう表現したら良いのか本当にわからない。

いや、でも面白かった、普通の意味で。ただ万人に受け入れられるかと思うとやっぱそうでもないという思いもある。主人公はクールビューティーでかなりの守銭奴、悪く言えば可愛げがなくとても現実主義。攻略キャラには脅されるし、乱暴まがいのこともされるし、そういうのが拒否反応な人には受け入れられないだろうと思った。ただ、散々色んな物を食い過ぎて馬鹿になった私の舌は、美味い不味いはともかく味が強烈であればあるほど食が進む。
とはいえ、設定もちゃんとしているし、主人公も悪い子ではない、もちろんキャラも悪いやつではない。主軸の話もしっかり出来ていて、伏線も大方回収するしとても綺麗に終えていた。ゲーム性がこれといってあるわけではないけど、気まぐれランダム300周を走らされた頃を思えば、成長したなあQuinRoseと思えた。もう狼煙ですら鎮火しかかってる今にそんなことを思っても仕方がないんだけども……その前に5年以上経ってるから成長しない方があれだけど。

話を軽く説明すると、高校入学直前に父親が事故死、母親も病弱で治療費も高校への入学金も工面できず途方に暮れていた主人公に、とある学校から治療費、入学金、授業料等の面倒を見るから入学してこないかと言われる。疑いながらも背に腹は代えられず誘いにノッた主人公を待ち受けていたのは、傭兵等の精鋭を育てる工業高校の皮を被った特殊訓練盛りだくさんな精鋭養成校だった。
なんやかんやで適当にやり過ごしながら、風紀委員長になって学校内の風紀を取り締まりつつも。そこへ別の似たような学校との統合話が。その学校の放火事件をきっかけにイケメンだけど重苦しいスペック背負わされてそうな方々とのアレコレに巻き込まれていく……そんなお話。大筋は放火事件を解決し、そのやり取りの中でキャラとのアレコレがある感じだったけども、この流れは違和感が無かったのも良かった。

私の好感度がかなり高かったのは攻略キャラを差し置いて、この主人公。私は途中からあまりの勇ましさに姐さんと呼んでいた。そんな姐さんはかなりの守銭奴、厄介事には巻き込まれたくないけど、生徒会長から金やるからなんとか事件のこと調べろと言われたら渋々だけど手をつける。小切手チラつかせられただけで揺らいでたのは可愛かった。とはいえ守銭奴だけど、他人(金持ち)から分不相応に与えられるものを良しとしていないし、自分の現在地もちゃんと見極めている。もちろん根っこの部分は優しい。高校入学前までは一般人だった姐さんが、卒業する頃には男数人に囲まれても巻いたりノシたり、ヤンキー生徒のケンカを諌める姐さんの姿はカッコ良かった。キャラとのテンポ良い掛け合いも楽しかったし、頭の回転はかなり早い。姐さんは家庭環境で精神的に周りよりもかなりおとなになっちゃった子って感じだろうか。残念なのは、姐さんは御セックス的な意味でのご自分の風紀は取り締まれなかったようだけど、まあそこはQuinRose主人公だから仕方がないと割りきった。明確に表現されていたのはペッティング描写だけだから…ほら……。

今回攻略した比佐くんは今をときめく売れっ子俳優タレント。愛想を振りまきながらファンから貰ったプレゼントを、ファンが居なくなった瞬間にソッコーでゴミ箱に捨ててたのを見た時は「知ってた」と思ったし期待を裏切らなかったけど。今思えば比佐はもっと賢い子だろうから、アレは主人公への牽制アピールだったのかなと。
しょっぱなからストーカーだと勘違いされた主人公はなんとか誤解を解くも、比佐の演技に騙されて、人気の居ない校舎で乱暴まがいのことをされこれからヤりますよ写真を強引に撮られ、それをネタに強請られることに。一方、感情移入の仕方を間違えた私は、姐さんに何しやがるんだ!!とその上から殴りかかりたい気持ちを抱えていた。
このあたりの流れは、嫌がる人多そうだなーと思ったし、自分も何だこいつと思ってしまったが、それほど引きずらなかった。たぶん、比佐本人が単独でリスクを犯しながらやったことだからだと。いや、強請るネタ欲しさにそんなところでリスク犯すほうもアレなんだけど。あとは、比佐自身には裏があるとわかっていたし、こういう学校の設定だからやむを得なしというか。

そんな比佐の極悪イベントを設けて置きながら、その直後に比佐が悪いやつではないというエピソードを持ってくることで相殺していた。酷いことした後にいいところを見せる、ヤンキーが子猫を救うと何故か好感度がうなぎのぼり理論(厳密には少々違うけど。ちなみにその後黒部がその理論を回収した)。児童施設への匿名での寄付(しかもこういうことは声を大きくしてするもんじゃないとの持論付き)、マネージャーとの良質な関係性を持ってこられて、主人公も私もどういう判断したらいいか困るじゃんコレという反応をした。とはいえ、やってることはサイテーだし、主人公も悪態つきながら従っていたけど。どんな酷いことされるのかと思いきや、意外とそんな酷いことは命令されなかった(と思う)。
あとはお決まりのような看病イベントで距離が縮まっていく。意外と規定路線走ってるんだけども、こういう突飛な設定を守りながらキャラクターらしいやり取りを踏まえていて、とにかく違和感がなく美味しかった。

比佐への伏線を張りながら、大筋の放火事件の伏線も張りつつ、それらが上手く合わさって見事解決へと導いていったのはお見事。途中で学園祭でRPGもどきのことをするとか言うこれまた突飛なイベントを挟まれて流れを断ち切られたけど、まあ飛んでる設定なのは最初からだし……という謎な理由で受け入れた。BGMがちゃんとRPGっぽくなってたのは感心。
物足りなかったのは比佐の生まれ(父親スパイ業で母親大女優)についてそこそこ伏線を貼りつつ、仲良くなってからそのことを告白されるんだけど、それについて主人公も比佐も深く掘り下げなかったこと。いや、でもまあ、この二人なら掘り下げないのもわからないでもないけど……伏線貼った割には随分とあっさりしてた。あと主人公側の境遇を聞くことは一切なかったんだけど、それを聞いてどういう反応を見せるのか見てみたかった。

言ってしまえば、いじめっ子が良いおもちゃを見つけて遊んでいくうちにおもちゃに絆されて一番大切なおもちゃになるって感じのよくある話なんだけど、流れは唐突な感じはしないし、二人の『らしい』やり取りは面白かったし、比佐も比佐でいろいろ信念があってやってる行動も見受けられたし、主要人物の行動はほとんど善意で行われているから、すっきり気持よく終わることができた。飽きる前にテンポよく話が進んでいくところも良い。

EDは4種類で、恋人でラブラブで万事解決ED、恋人なるけど離れ離れED、恋人なるけど恋人だってことが世間にバレるED、比佐を応援して終わるED。ラブラブ万事解決EDで、比佐が最初に撮った強請りのネタになった写真をおかずのネタにしようとしているところは苦い顔で笑ったけど、それをまあ恋人だしいっか、みたいな感じで流した主人公にも驚いたし、ここ一番風紀が乱れていたんだけどそれでいいんすか姐さん。


私が心配していた御セックス描写は、ある程度覚悟していたからかそれほどでもなく終わった。まあ良くはないんだけど、前述したとおり明確な描写はペッティング程度で済んだので……いや、ペッティングでも良くはないんだけど。(麻痺)
完全に私の予想外だったのはこの主人公で、この主人公だからこそ楽しめている部分が大きい。テンポが良いやり取りは見ていて飽きないし、くすっと笑える部分も大きかった。ハトアリ主人公は同じことを堂々巡りのように悩み続けるのが苦しかったんだけど、こちらはスパっと割りきって、なおかつ奥底では善意で動いている部分が垣間見れるから好き。守銭奴ではあるけど、『お金が一番大事なもの』では無いところも良い。これからも姐さんの活躍に期待。
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