全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

20 2015

氏家 樹ルート 感想 +総評

アンジェ発売までに触りだけ楽しめればいいや程度にプレイ開始して、プレイ途中でアンジェが発売されるだろうなと思っていたんだけど、自分でも驚くほど楽しむことができた。なんだかんだ最後まで一気に駆け抜けてしまいました。
以下より大トリのラスボス赤髪ヤンキー氏家くんの感想と総評です。


・氏家樹
メインキャラがちゃんとメインな話は結構好き。それぐらいしっかりメインだったルートだけど、逆を言えばそういうのが苦手な人が見れば贔屓だと思えるぐらい、心理描写や設定等も優遇されていた印象。他のキャラと違って彼には真相ルートがベスト扱いなんですが、大体の真相をバラすだけで『このルートこそが正史』という扱いを受けている感じでもなかった。そこの線引もちゃんとされていてあくまでも彼は攻略対象の一人だった。だからここまで気持よく終えることができたんだろうなあと。

大方の伏線を回収し、かつ他のルートにもあったように本筋の事件解決の流れを踏襲しつつ、氏家ルートも流れは良かった。しょっぱなから戦闘仕掛けてくる感じの出会いもこの作品らしくて最高だったし、そこをちゃんと応戦して勝ちを得た姐さん(主人公)とか超シビレました。戦闘シーンも読みやすく引きこませる展開で、本当に無理がなかった。ということをこれまでの感想で語り尽くしたため本当に語ることがない。
ああ、恋愛描写は彼のルートが一番良かった印象。やはり心理描写が濃いとかそういうわけじゃないんだけど、お互い一筋縄じゃいかない者同士惹かれ合うのがよくわかると言うか。最初は戦い合ってたキャラが、主人公の何気ない善意から来る行動で少しずつ惹かれていくのも優しい眼差しで見守れたというか。
あと、彼のルートでは彼の過去が存分にバラされるのでそういう意味でも感情移入しやすかった。氏家の正体(理事長の子息)は大体予想が付いたけど、その辺りの流れもきちんとしていた。ただ何故理事長が孤児だった彼を選んだかとかの詳しい理由とかは明かされなかったけど、あっさりした作品でもあったので無くてもそれはそれで。あったほうがやっぱり楽しめたしもっと感情移入できただろうなとは思うけども。

そういうわけで3年前の放火事件の犯人(校舎を半分燃やした人とは別)ではあったけど、それも不可抗力みたいな、誰かを庇おうとして起こった出来事だし、氏家くんも優しい子ではあった。つーかこのゲーム強面の野郎ほど優しい奴ばっかりだった。優しくなくてもいい奴ではあったり。
氏家は孤児で、自分の周りには何もなくて、人を上手く信じきれなくて器用になれなくて。友人や家族に信頼されて好かれて無形有形限らず氏家が欲しいものを主人公はすべて持っていると心情を吐露したシーンは結構ぐっときた。そう素直に言えることも美徳だと言いながら、『氏家が欲しいものを全部持ってる自分は氏家のものだから、結果として氏家も全部持ってる』と言い切った姐さん超カッコ良かった。ちなみにベストEDだと主人公宅でクリスマスを迎えるが、真相EDだと氏家宅でクリスマスを迎える。この違いが、どちらが与えるか与えられるかの違いが見えるようで好き。真相EDでは氏家の何も無い部屋に主人公が与えられて、ベストEDでは一人で寂しかった主人公に氏家が与えられる的な。
よくまとまったルートだったし最後の最後まで楽しかったし感情移入も心地よかった。だから黒部ルート同様、おっぱいモミモミEDだったけど半分ぐらいは許す……いや駄目だ許さない。どうして揉んで終わったんだ……どうしてそこで揉み始めるんだ。

余談だけど、なんで自分はCV浪川のキャラばかり好きになるんだろうか……。


【総評】
・システム

左スティック+Rボタンの既読ジャンプ機能が大変便利で周回には大変役立った。処理がかなり早い。未読部分ではちゃんと止まるし、スキップもそこそこ早い。ADVとしての機能はちゃんと備わっていてプレイするのに苦はなかった。目パチ口パクが主人公にもあったのは感心。
このゲームにもAとBという選択肢があったらAを選んでもBという行動をすることがままあったけど、これはもうADVである以上仕方ないのかなーとも思うんだけど、やはりあまりゲーム性のないADVの中でそこの自由まで削がれたくなかったという思いもある。
不便なのは攻略した後のシーン回想が氏家1、2、3みたいな感じで番号だけ振られてて何のシーンか全くわからないこと。わからせる気皆無だった。

・グラフィック
立ち絵は概ね綺麗。問題なのはスチルで、体格が微妙なものが結構あったけど、自分は許せるレベルでした。発売時に武器の持ち方が変だという指摘をされていた記憶があるけど、自分のガバガバ判定ではそこまで気にならなかった。正しい持ち方を知っているわけでもないので。ただ、知っている人はとても気になるだろうという感じ。
差分もきちんとまとめられていて、枚数も結構ある。ただし絡みがあるスチルが多いというよりも、必要な状況に応じて出したという感じ。自分としてはむしろそういう使い方のが好感が持てた。やはり出来は良し悪しだけど、あって良かったと思えるスチルでした。ただ、主人公のおっぱいはかなりの高確率で揉まれてた。

・シナリオ
大変驚いたのは、突飛な設定を汲んでおきながら、その設定をきちんとファンタジー等々でごまかさず意外と現実的に取り組んでいること。ライターは武器や戦術等についてある程度学んだとわかるようなシナリオだった。戦闘シーンもちゃんと戦闘していたし、それなりの武器は使う。法の仕組み、学校の仕組み等、ある程度現実的な流れを抑えていたり、その上で乙女ゲー仕様にしていたのはただただ感心した。
大筋の流れは決まっていて、一度プレイしてしまえば犯人や事件の流れが分かってしまうため、そういう意味での面白さは二周目以降ではなくなるけども、キャラ自身の問題と上手く絡めて違和感なく綺麗に話を構成していったのは本当に見事だった。流れや描写が重厚というわけではないけれど、ポイントをおさえていて納得や理解がしやすい。伏線の貼り方も綺麗で、大方の回収もする。モブにもちゃんと意味を持たせていて、各ルート共通の設定をきちんと守っていた。最後までわからなかったのは主人公が入学した経緯の謎だけど、これはFDで明かされることを期待。いや、ちゃんと作中で拾っては欲しかったけど。
悪く言えば金太郎飴だけど、それは本筋の事件を解決する流れだけであって、キャラと仲良くなる過程はそれぞれキャラらしいやり取りをしていて、自分は飽きずに最後まで楽しめることができた。心理描写や恋愛描写、展開が丁寧であるというわけではないしサクサクしているけど、そのおかげで余分に長すぎないところも個人的には有りがたかったし、サクッと進めるところが飽きなかった要素の一つでも有りました。逆に心理描写の丁寧さや過程を中心で求めると、かなり物足りなさを感じるシナリオでもあると感じました。

惜しむべくはペッティング大会かと言うほどのエロ推しだったけど、これは本当にR18にして欲しかった。R18だったら大手を振って楽しめたし、最後の最後まで萌えることができたんだろうなと思うと、大変惜しい作品でもありました。セックスがノルマかと思うぐらい毎ルートきちんと盛り込まれていた。お初で後ろから決められたり緊張して煩い主人公を黙らせるために口にタオル突っ込まれたり中々暴投気味な変化球な感じで、それを見ていた私の笑顔にもいい感じに苦味汁が溢れ出ていた。
あとはCEROがZだったらまだ良かったんだけど、それを言ってももうしゃーないしなあ……。ただ、一部ルートを除き、エロから話が進むルートもあったので、そこはまあ苦い顔をしながらも納得できました。

相性に左右されるだろうなというのは、キャラクターよりもこの主人公。前にも語ったけども、良く言えば真面目で奥底の行動には善意が見えるけど、かなりの守銭奴で現実主義。常に状況を冷静に分析していて、語りも冷静。甘い雰囲気でも相手の気持ちを分析したり考えたりしている。恋愛部分は足踏みがちなのに、どうしてか風紀委員長なのに貞操観念が欠片ほどもない。むしろ男らしくガツガツ誘うルートもあって笑った。
自分でも打っていて無茶苦茶な子だなと思ったけど、相手の良い部分をよく見つけるし、冷静に状況を見て大変頭が切れて賢い子でもある。彼女の脳内をプレイヤーという立場から覗けてとても苦が無かったし、よくある守られ主人公とは違って自ら戦いに行く様は姐さんと呼ばれるにふさわしいと自分は思っとります。守銭奴な部分も、父親が居らず母親は病気で、彼女が家計を支えるという意味で自立しているという印象だったし、お金が一番大切なものではなく、譲らないところはちゃんと譲らないのも良かった。最後まで楽しませてくれてありがとう姐さん。

おすすめ攻略順は塚本、比佐、岬、黒部、都丸、氏家。
黒部→氏家でも良いけど、氏家が他人のルートにガッツリ関わってくるのは都丸だけだったので。他人のルートではサラッと嫌味だけ言う意味不明キャラに降格していた比佐は最初の方に持ってきた方が事情が分かって良いかと。



万人にとっつきやすいというわけではないけど、とにかく私との相性が良い作品だった。文章も読みやすく、展開もそれなりに丁寧で、とにかくプレイしていて苦が無かった。これほど起承転結ちゃんとしているとは思わなかった。

ほんっとうに惜しむらくは、このシナリオを誰が書いたかわからないこと。

クレジットではメインシナリオは五月攻さん、シナリオにプラスして乃恵さんとなっていた。QuinRoseは大体のゲームを五月さんが書いているのは有名だけども。もともとこのライター名は複数ライターで構成していた時もあったらしく(恐らく最初にアリスを書いたであろう中の人が仰っていたので確かなのだろう)、かつロゼ停止後の悶着でライターが色々声を上げたりしていて、もうこれは誰が書いたかわからないのが非情に残念。ちゃんと誰が書かれたものなのか把握したうえで、評価したかったという思いが強い……自分が良かったと思えたシナリオだったのでなおさら。
ただ、誰が書いたのだとしても自分はスクウォという作品を好きですし、演出もシナリオも、それなりに丁寧な作品だったという意識は覆らないので、楽しませてくれてありがたいという気持ちです。

と綺麗に締めて終わる予定だったんだけど(実際上の感想はアンジェ発売前に書き終えてた)、その後の展開がまあ…………最後の最後までロゼはロゼだった。企業になりきれなかった企業。しかしシナリオ公開ということは、今後ゲームとしてあーだこーだする気はもうほとんど無いのだろうなあ……。別にゲーム再販売を期待しているわけではないけども。
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