全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

31 2016

CROSS†CHANNEL 感想

一般社会との適応が出来ない子どもたちが行く学校、群青学院。そこで放送部に所属していた部員たちは、関係が破断した合宿の帰り道で人や生物が消失していることに気づく。そんな世界が織りなす学園青春アドベンチャーなSFっぽい作品。

面白かった。感動した。確かにこれは名作だ、と思った。

CROSS†CHANNEL -FINAL COMPLETE-
CROSS CHANNEL (2014-09-26)

…………それでもロミオ氏の書く文章と合わないのかなと思えた。最初っから入るギャグと伏線である日常会話、これが本当に目が滑る。じっくり読んでもつまらないし、頭に入ってこない。一つ一つが伏線でもあるし、『名作』と言われているものだからギャグも日常会話も伏線だとなんとなくわかっていて受け入れていたけど、読み続けるのは結構疲弊したし億劫。この部分が楽しめて感情移入出来るか出来ないかで後半の伏線回収への感情移入度合いが大きく変わってくると思う。だから自分は後半、感動もしたし心も大きく揺り動かされたけど、揺り動かされきらなかったというか。その部分の相性が合わないためだけに、深く感情移入が出来なかったのは猛烈に残念。
上手くはまりきらなかったのは、序盤にパズルのピースだけを見せてそれを何度も繰り返すうちに全容が見えてくる、というこの構成もあったんだろうけど、これ自体は非常によく出来ていたと思うし、後半はかなり引き込まれたし唸りながら見ていた。それだけに地の文章や言葉選びというかなんというか……この話の殆どを構成する日常会話的な文に疲れてしまったのが残念だった。だからロミオ氏が書く物語は面白いと思えても、文章は読むのは疲れてしまった。

あと、この作品はネタバレ厳禁だとよく見ますが、確かに全容を知らないほうが物語は楽しめる。でもそれを知っても物語の魅力がかなり薄れるというわけでもないような気がした。自分はこの作品で一番面白かったのは、物語のピースがハマっていくことよりも、各々が抱えている心の闇が見えて、そこをどうしていくとかどう感じているかとかが見えてくるのが面白かったので。

とはいえネタバレ見ないほうが楽しめる作品ではあると思うので、一応隠しときます。以下よりいつもどおり自由にネタバレパレードな感想ですよ。
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同じシーンだけど意識が違うからスキップがきかず、苦手な日常ギャグシーンを何度も見させられるのはとてもキツかった。たぶん、半分も頭に入ってこなかった。読めなくはないのだけど、つまらないのが辛い。ダダすべりなギャグも当時のエロゲらしくてそれはそれで良いんだけど、そこに殆ど面白さを見いだせなかったのは辛かった。だからこのゲームの本質が出てこない序盤は、このゲームを止めたい気持ちと『まだ本質じゃないから頑張って続けろ』という気持ちとがせめぎあってそこも辛かった。なんだかんだその状況も楽しんでいたけれど。

結果としては我慢して良かった。徐々にピースがハマっていくのは爽快だったし快感でもあったし、ロミオ氏が描く心理描写もなんだかんだ心地が良かった。時折ハッとさせられる言い回しもあって、そこも好き。例えば、主人公は怪物で豊を襲ったと言う霧に、主人公がそうだとしても男よりも女を狙ったほうが良い気がするんだけど?と煽り返した時の霧の返し。

「フライドチキンの性別が気になりますか?」

なかなかにグッサリきた。
こういう言い回しや表現が細々出てくるので、そこが見たいから見逃さないようちゃんと読めな自分とつまらない日常会話が辛いからそこそこに流し見たい自分も戦っていた。結果、日常BGMが流れたら気を抜いて読む自分が出来上がった。

謎を落としておきながら答えを明示しない作品はあまり好きではないけれど、この作品は余韻を楽しむような作品でもあると思うので、この終わり方でも良かったと思う。
自分はB世界はB世界太一の願望で生まれた世界だと思った。唯一残って、死体も残っていた太一こそがB世界の神様。人が居なくなれば良いと思ってしまってそれが叶ったのが84%のB世界太一で、それでも人とふれあいたいと思えたのが16%のA世界太一。生き物すべてが消失したこの世界で最後の最後に自分の感情に気付いて、A世界の部員たちを見て「やり直したい」と思ってループが出来上がった状態で息絶えてしまったのかなと。だからA世界とはいえ同じ『太一』だからこそその歪みを観測できる。そんな考察に落ち着きました。これが自分にとって一番すっきりする答えなので、これでいいと思えた。でも読んでる人がいろんな解釈出来るのもこの作品の良さなのではないかなーと思います。

ラストについては、意味不明な状況のまま終わって、結局A世界に戻れたのか?な曖昧な気持ちになったけど、もう一度確認して、あれはB世界で太一に殺されてしまった部員たちの会話がA世界太一を後押ししてA世界に戻れたのかなと思えた。あと蝉の声がある=生き物が居る=A世界だという考察を読んで、さらにこの考え方が後押しされた。自分はゲームにかぎらずエンタメ全般はハッピーエンドで終わるべきと思っている人間なので、不幸のもとに居た太一が少しでも幸福な未来を歩んで欲しいという思いがあるからだろうけど。(でも物語が美しければハッピーエンドでなくても納得できることもあります)

終えた後は、苦手なテキストから解放されたという気持ちもあったけれど、それを上回って彼らの話しを見ることが出来て良かったという思いがあった。生きてりゃ辛いこともたくさんあるし向き不向きもあるだろうけど、その分幸福という名の飯がもっと美味くなると良いなあ。

以下よりキャラ感想。

●宮澄見里
規則に囚われてるという感じはしなかった。生き物が居なくなった世界とは言え、主人公がスケベなことをしても「だめですよ~」ってなだめるだけで追い詰められている感じはしない。規則が守られないと自傷行為に走るっていうのも実際に見られなくて、どうしてこの学園に居るのかなとずっと疑問だった。
そして答えを見させられた後も疑問は積み重なった。家族を守るために親が横領等を行って、それを暴いたことで家庭が崩壊した……ってそれ真っ当な人間なら普通に行うことなのでは。弟である友貴から姉貴が家族を壊したと言われ、一度目の自傷の出来事は納得できたけど二度目の通報についてはなんというか、タイミングが悪かっただけなのではと。それよりも、「自分に目を向けて欲しかっただけだ」的な言葉を投げられていたけど、そちらのほうがしっくりきた。人よりも目を向けて欲しい人間なだけで、それが振りきれているようには感じられなかったのはただただ残念。
ラジオ塔は確かに部長の自己主張だったと思うけど、でも善意でもあったんじゃないかなと。どこかに繋がれば万々歳だし、誰も居ない目的も何もない場所で『塔を完成させる』という使命は生きがいにもなっただろうし、それをみて希望を持てるようなきっかけにもなるのでは。だから部長の狂いっぷりを最後まで味わえなくて少々残念。彼女は私の中で「結構まともな人」に落ち着いてしまった、でもこの作品でこの学院に通っているのでそう思わせられてしまったのは駄目だった、色んな意味で。


●桐原冬子
冬子の狂いっぷりは嫌いじゃない。ハラキリしてでも自分にかまって欲しい依存度の高いかまってちゃん。あとハラキリブレードの意味が分かってわら……笑えないな……。自分はヤンデレが好きですが、人を傷つけるようなヤンデレはすきじゃないので、まず自分を掻っ切って思いを示した冬子の狂いっぷりはなかなか好ましかった。でもそんな彼女に自分がハマらなかったのは、冬子は「太一が良い」のではなく、依存できるなら誰でも良かったんだろうということがわかるから。関係を解消した後も普通に接していられるのがその証拠。しかしそんな冬子に結局ずぶずぶになってしまう太一を見るのもなかなか良かった。あと依存度の高いデレッデレのどろっどろに甘えまくる冬子を見るのは中々に可愛らしかったというか……。
太一から投げかけられた「どうして、人は滅びたんだと思う?」という台詞に冬子は「滅んだんじゃないわ。……薄くなって消えてしまったのよ」と答える。自分は移行したB世界は太一が神様な存在だと考えているので、これは人と関わることに対していろいろまずいことを考えている太一のことをよく見ている発言だなと思えた。冬子自身の考えでもあったのかもしれませんけど。
しかし高確率で餓死するって、もともと生に対して意識が薄いのかなあなんて思った。飢餓ってかなりの衝動だと思うのに、たったの一週間でそれすら到達しないで餓死って、よほどのことだと。


●佐倉霧
こちらの言い分を受け入れようともしないで、ずっと一方的に責め続けられるのは結構辛かったけど、そんな彼女をひっくり返す展開を持ち込んだのはあっぱれ。主人公が負った酷い過去を語らせ、回想が終わって現実に戻ってきた瞬間、あっさりと答え合わせ。霧が慕っていた従兄弟がその中心人物だとバラされ、立場が反転してしまったのはなんというかある意味とても美しかった。「先輩はどうして生きてるんですか?」の質問がそのまま形を変えて霧に返ってくる。凄かった。
豊が支えでもあって、そして太一もある意味支えであったんだろうけど、両方共ボロボロに崩れてしまって自分で立つしか無くなった霧は対象を攻撃することでしか個を維持できなかったようにも感じた。こうである、と思い込んだらそのまま考えることを放棄して突っ走る。そしてその結果を他人に求めようとする。セックスしながら「豊は死ぬしかなかったんですよね?」と主人公に返したのは、想像以上にグッサリきた。それを主人公に言うのかあ……。
ただA世界に戻った後、群青学院を出れる事になったのは結構しっくりした。ヤバかった印象もあったけど、主人公との確執を除けばそこそこ普通だから。一歩を踏み出した彼女のことは応援したいとも思えた。それは霧の主人公への贖罪の一つでもあったんだろうけど。


●山辺美希
自己愛の究極系って言うけど、それもそこまで理解出来なかったと言うか……割りと想像の範囲内というか、誰しもそういう部分あるからなんだろう。皆自分が可愛いから保身に走りたいし楽したい。でもそれは当然でなんも変なことじゃない。だから私の中で『人よりも強か』という範疇をあまり越えなかった気がする。それは美希が一人は嫌だと涙を流して、主人公を殺さなかったのを見たから。美希が言っていた「何度か霧を殺した」というシーンを見ればまた気持ちも変わったのかもしれないけど、美希もなんだかんだ人と交わることをやめたくないと言ったし、霧が屋上から落ちそうになったら手を差し伸べた。だから美希は向こう側の人ではないんだと思う。生き残るために明るく装ってたというけど、それも誰にでもあることだと思うしなあ……でも自分は身の内に存在しないことは装えないと思うので、明るい美希ちゃんも全部が全部虚構だったとは思えなかったし思わなかった。
ちなみに美希ちゃんが一番可愛かったし、一番萌えたし、一番主人公と恋愛してた。何度も繰り返したのを目撃してようやく真相を知った主人公に対して「この先輩を好きになったんです!」の言葉の重みは辛かったし、そんな美希がループを受け入れたときの最後の言葉が「好き」なのもとても良かった。追加シナリオの「好きだったのに」も胸にきた。やり取りも相性があってたと思うし、ベストカップルだと思う……というと黒髪の美少女にボコボコにされるどころじゃなさそうなことをされそうですが。


●支倉曜子
最初は曜子ちゃんが一番好みのタイプだった。主人公に狂ってるヤンデレ。でも冬子同様、それは自分を支えるためだと気付いた時になんか違うなと思ってしまった。好きだという感情よりも、とんでもない環境に耐えるためだけの心の支え。一方で主人公はちゃんと曜子ちゃんを好きだったんだろうけど、主人公を一番支えるべき場所で彼女は主人公を恐れてしまった。二人とも狂って入るけど、あそこで曜子ちゃんが間違わなければ、84%太一やB世界太一のような惨事にはならなかったのではないかと。でもそれがわかっているから、太一が壊れてしまったら曜子ちゃんはただただそれを「受け入れる」。でもそれは逃げじゃないのかなあと思うし、本当に好きなのなら一緒になって狂ってやれって思った。そうなれる曜子ちゃんを見たかった。なので曜子ちゃんには怒られるかもだが、太一との相性は合わないと思う。
曜子ちゃんを送還する時の緊迫感は本当に見ものだったし、ずっとその事実に触れなかったのはロミオ氏の切り札でもあったし太一の切り札でもあったところが上手い。そこまで我慢したことで太一がどれだけ曜子ちゃんを大切にしていたのかもわかるし。そしてスチルや演出で見事こちら側を騙してくれたのも、騙されたのに気持ち良い。曜子がやったように思えたあのスチルで、返り血を全く浴びていないことが少しだけ疑問だったのだけど、そういうことだったのかと。
「彼女たちは、一時の玩具にしかならない」と言ったけど、そのなかに自分が含まれているとは思わなかった彼女の過信っぷりは可愛くもあった。


●島友貴、桜庭浩
二人とも声がゴーカだなあ……。
桜庭のキャラクターにはかなり救われた。旅に出ようって言われた時、メンドクサイ女子陣を放り出して一緒に行きたかった。もう良いじゃないか、男でも……良いじゃないか……駄目か……。この中で一番『正常』で、言葉で示しはしなかったけど最後の最後でちゃんと太一を見ていたことを告白するのは本当にずるかった。おかげでときめいたじゃないか……。
友貴については家族を壊された怒りからラジオ塔を破壊するけど、まあその気持もわからなくもない。でも上記でも語ったけどそれとこれとは別問題じゃないのか……。でもそれだけ家族が大切で、その大切な家族のなかにはちゃんと姉貴も入っていたのだろうと思った。それはともかく『姉貴』の発音がビミョーでそこがとても気になって話が上手く入ってこなかったところもあったというか……演技は言うまでもなくお上手だったんだけども。


●堂島遊紗、新川豊
現時点の描写なのかとおもいきや、回想だったとは。こういう細々としたミスリードが楽しい。
遊紗については主人公の84部分に目付けられた不幸な子程度にしか思わなかったけど、豊の真相と結末はそこそこにショックだった。掛け合いや日常描写はつまらないと感じていたけど、その中で唯一面白いと思えたのは豊との会話だったから。だからこそ真相を知った時二重にショックだった。豊も豊で不幸なもとに生まれたと思うけど、でもだからといって罪は消えないしなあ。記憶喪失になって、まともな人間になって心から反省もした豊に掛けられた言葉が「どうして今すぐにでも死なないんだ?」はほんっとうにキツかった。辛かった。罪は消えないけれど豊は責められない、でも豊に狂わされた太一がそういう言葉を投げざるを得なかったのも理解できるから何重にも辛かった。そしてその後の結末がまた胸に刺さって、主人公はまたそれで狂わされる。友だちになれた豊の存在は、結局太一を狂わすだけだったのが虚しいし悲しかった。別の世界ならきっと友人になれたのが垣間見れたから余計に辛い。描写は多くないのに、確実に私に傷を残したキャラクターだった。


●黒須太一
この作品初めてのセックスシーンをみながら、こいつ妙にこなれてんなあと思ったらこなれてるどころじゃなかった。結局なんだかんだ全員とセックスしてるのは笑った。美味しいとこ取ってるなあ……でも別にエッチなことが好きってわけじゃなさそうな感じもした。特に冬子とのセックスの作業感というか遊んでる感というか。
繰り出されるギャグについてはただただ(つまらなくて)辛かったけど、死ぬ時まで最期まで一貫してギャグかましていたのは逆にかっこ良かった。そんな彼が最後まで「生きねば」って思っていたのが逆に心励まされたというか。確実に狂っては居るんだけど、自分が狂っているからこそ狂った過程を理解して、周りを良く見ていて人の心の機微までわかる。状況判断も正確で、窮地に陥った時の対話も正確。頭の回転が早くて、いろいろ考えてしまうからこそ危うさをはらんでしまったんだろう。本編だけのA世界の彼だけを見ていたら、その危うさがよく理解できなかったんだけど、84%側のB世界の彼をみてその恐ろしさが体感できた。これは怖い。そしてヤバイ。本当にギリギリのところで保ってんだなこの人。
それでも、生みの親は居なくて、育ての親は輪姦されて殺されて、自分も性奴隷をさせられて、耐え切れなくて虐殺して……それでも他者のことを考える余裕があるのだから彼は強い子だ。それでギリギリ保っていられてるんだから大したものだろう。何かの拍子に右にも左にも行ってしまえるのに、必死に中間を保とうとしているのは立派。だからクソつまらないギャグを繰り出されたことは許す、君は立派だ。犯した罪は消えないけど、彼の未来が幸福であることを願わざるをえない。

「たまにさ、周囲の人間のこと、どうでもいいって思うっちゃうことってない?
俺はたまにある。たまにね。けど……完全にそうなったらおしまいだ」

こういう誰にでも持ち得るような感情をこういうキャラに語らせるのが上手いなあ。その中でも七香とのやり取りは心に残った。

七香「健全なものを夢見て、それを真似て……何も考えず、誰も傷つけず、生きていきたいと思ってる」
太一「思ってるだけだ」
七香「でも、財産だよ」

太一もプレイヤーも、ここで救われるのが良い。ぽっと出で深く話は関わってこないけど、最後に母に救われる。大体こういうので救ってくれるのって父親ではなく母親なのはなんの傾向なんだろう。そしてどうしようもなくなったように思えて、だれとも交差出来ないと苦悩した上で、太一のラジオが送った皆へと届く。それを知れるのがプレイヤーだけってのもまたオツだなあ。
あと、ここまでつらい目に合わせて本当の孤独を与えなければ彼は『戻らない』ってロミオ氏は思ったのかな、と。B世界太一が狂って本当の一人になってしまったのに、そこでようやく『孤独』の意味を知って後戻りできずに少しだけ正常に戻ってくるのが皮肉。最後まで辿り着いたA世界の太一を、おそらくだけどB世界太一に殺されてしまった部員たちが見守っていたと知った時は胸に響く物があった。なので自分はきっとA世界に戻れて、そこで彼にたくさんの幸福が降り注いだと期待したい。

しっかしなんでエロゲの主人公って何で過酷な状況に置かれまくってんだろなあ。チャラ男みたいな奴が来られてもそれはそれで殴りたくなるけど、もうちょっと適度に辛くて適度に幸せな状況に置かれてる奴が居ても良いんじゃないんでしょうか。かわいそすぎるぞエロゲ主人公。(自分がそういうのばっかやってるのも悪いけど)


【総評】
自分のように相性が合う、合わないが色濃く出る作品だと思った。特に序盤の日常描写は続ける上でそこそこ肝。最初にも語ったけど、ああいう描写に感情移入できるか出来ないかで後半の展開に感情移入出来る量が変わってくると思う。それでもそこを乗り越えた物語の伏線の回収と展開には引き込まれるように思えた。終盤は何度も唸りながらプレイ出来たのは楽しかったし面白かった。全体的な物語の魅せ方と、構成の仕方は見事でした。
心理描写も良かったけれど、それに足るような描写が少なかったのは残念。残酷な描写をかなり減らしたんだろうけど、そこをスチルや演出等でちゃんと表現して欲しかったし、シナリオについても語るだけでなくちゃんと描写して欲しかったっていうのもある。物足りないまま終わってしまったところも数多くあったので、ちゃんとそこで苦しみながらプレイしたかった。ある程度キャラたちへの感情移入の余地を残したんだろうけど、そこが逆に深く考えたい思考の歯止めになってしまった。

それでも、プレイしていろいろ考えさせられることが多くあってよかったと思えた。日常に誰にでも持ちえる心の闇を極端にした子たちなので、それぞれに感情移入できたり考えさせられたりする。そういうこの物語の『本質』は、こう評するのはいかがなもんだと思うけど、面白くもあった。

システムについては特に不便なところは無かったので割愛。演出も細々していて良かった。昔の作品だからな、と思って目をつむったところも少なくはないけれど。
グラフィックについても綺麗で特に問題なかったかと。キャラも味があったしエロシーンも適度にエロくてよかった。塗りが少々独特で、この塗りだからこそクロチャンだとも思える。




序盤のギャグを眉をしかめながら「これはロミオと相性が悪いぞどうしよう」と思ったけど、終わってみればそんなこともないのかも、とも思えた。でもちょっと雰囲気で読まされた部分も無くはないので、相性が良いとは言い切れないかもしれない。クロチャンもハマればもっとガツンと行けそうなもんだったけど、なんだかそれなりの感動で落ち着いてしまったのは残念。
丸戸シナリオとロミオシナリオ、それぞれプレイする前は、ロミオ氏の方が相性が良くて丸戸氏の方が相性よくなさそうなイメージだったんだけど、2つとも終えてみれば逆転していた。とは言えこれでエロゲ界の名ライターと呼ばれる人たちの作品は大方プレイ出来ただろうか。

全然関係ないんだけど、自分は良く田中ロミオ氏のことを田口ロミオと読んでしまう……お恥ずかしいことに最近まで田口で覚えていた。たぶんロ(ろ)の部分が口(くち)に見えてそのまま覚えたっていうそれだけのことなんだけど、いつか打ち間違えそうで怖い。打ち間違えたら笑って許してください……。
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