全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

24 2016

久我恭介、支倉ヒースルート 感想

暗転する度に、見るとチビリそうなほど恐ろしいニコニコしてるおばけが映るホラー現象をどうにかしたくて、暗転が入りそうな瞬間にVitaの角度をクイッと変えてプレイしている。読み込み時間はそれほど長くはないけど、演出等含めた暗転は回数が多くて、暗転が入る度にヒエッっとなっておばけが真顔になる瞬間は妙な哀愁を誘う。Vitaに反射系の保護シート使ってるのもあるんだろうけど、どうにかならんすかねえ……乙女ゲー制作会社各社の皆様、対策よろしくお願いしたいです。おばけが大変困っております。

噂に違わぬ金太郎飴だけども、切る度に飴の味がちゃんと変わっているので今のところは飽きずに楽しめている。ああ、良いなあ、真っ当な青春。本当に空気が美味しいです。それとも空気がこんなに美味しいことを気づかせてくれたのか。春だ……色んな意味で……。

そんな感じの頭に花畑生やした感想です。


●久我恭介ルート
轢かれそうな犬を助けるイベントを何の脈絡もなしに唐突に挟まれた時は嫌な予感もしたのだけど、落とし所は上手くて後半に掛けて気持よく終えることが出来てよかった。というのも、後半に掛けて久我がストライドに対してどういう思いで居たのか、が明かされる。てっきり皆と同じ熱い思いで走ってるもんだと思っていたけど、他の仲間の思いを後押しする気持ちのが強かったとは思わなかった。よくよく考えて見れば、部活をやめたのだって部に迷惑を掛けないためだけど、なんだかんだで遠くから部を見守ってきた。ストライドに対する想いはあれど、それは仲間より優先されるべき事項ではないんだなあとしっくり来ました。

優しいし穏やかで達観している。そんな久我に大人が「責任の取り方を間違えている」と言う展開がある所が味があってよかった。KGB(久我暴力事件の略称)に、久我自身は何の暴力も振るわなかった、なのに噂に尾ひれが付いてその尾ひれが長くなる前に身を引くことで久我は責任を取ろうとした。そんな彼の仲間を思いやった行動を「間違っている」とは自分は言えないけれど、正しいとも言い切れない。もしあの時自分はやってないのだと真実を訴えて、その時周りに久我の言葉を信じてくれる人もたくさんいただろうに、久我は周りを信じきれなかった。それを含めて「間違っている」と言ってくれる人が外部ながらも居てくれて見ているこちらとしても救われたと言うか。KGBの誤解から、少々強引な展開ながらもそれを上手く引っ張ってそこまで持って行ってくれたのが良かった。
ちなみにこの発言をしたのがライバル校でありながら久我のことを尊敬している楓の父だって言うから、そこもまた良い。一見すると何の繋がりもない人だけど、そういう外部の人が言ってくれた言葉だから余計にストンと落ちてきた。距離が近すぎてもなかなか言えない言葉だし、そこそこ遠くていろいろ関係があって楓父が言ってくれたってところがむしろとても良かった。プリストに出てくる大人は大体良い大人で安心するなあ。
久我を一方的に尊敬している楓も、もちろん久我に「勝ちたい!」と思ってプライドがあるところも良い。楓は態度や言葉で尊敬してます!と一生懸命伝えてくれるけど、最後の西星戦では「言葉にしたら陳腐になってしまう想いってあるじゃないですか」って発言にザックリ胸を打たれました。念願叶った久我との対決で言うところも最高。直接対決では言葉は交わさないって所が猛烈にアツい。楓の久我に大しての想いも計り知れるし、本当に熱い勝負で楽しかった。

残念だったのは、恋愛描写が他よりも薄かった事。いろいろやり取りして好きになったりなられたりするのは理解できるんだけど、久我ルートは「久我のこと好きなんじゃないの?」と他人に言われてようやく自覚するっていうのもなんだか物足りなかった。自分がこういう他人に言われて自覚するっていう展開があまり好きじゃないからっていうのもあるんでしょうが。基本どのルートもこのイベントが挟まれるので、久我だけが云々ってわけではないんだけども。それでも他のルートよりも恋愛的なイベントが少なかったからか余計に物足りなくなってしまった。

一つだけ声を大にして言いたいのは、久我先輩が着てる私服、結構年代のいったお父さんとかがよく着る柄のない真っ白なインナーTシャツにしか見えなくて、おかげ様で私服先輩が出てくる度に休日の父を思い出す自体に(または風呂あがりの父)。素材の良さでおじTをなんとかオシャレに着こなしてたけど、頼むからもうちょっとなんか……ユニク○で良いから一緒に服を買いに行こう。(そしてユニク○でおじTを買うループ)


●支倉ヒースルート
久我→支倉って流れでKGBが深く掘り下げられるのかとおもいきや、そうだったようなそうでなかったような。
描かれていたのは久我と巴との才能の差と、部長ながらストライドに対してどう向き合ったら良いのかと迷う面は強い男が揺らぐ瞬間を見れてときめいた。そこを真っ直ぐな主人公が支えるって言うのがもう空気が美味かったなあ……。
自分は才能の壁に屈してる奴が大好きなので、ヒースが苦しんでるところはヒースには申し訳ないけど涎が止まらないほど美味しかったし、その壁に立ち向かおうとするのはかっこ良くもあったし素直に応援も出来た。ストライドが個人戦のようなものだったら、ヒースはきっと才能の壁に立ち止まって居たんだろうけど、ストライドはチーム戦で、個々人の能力に向き不向きがあってみんなで支えあいながら、正しく「皆の想いの強さで勝敗が決る」のがヒースが壁を乗り越えるきっかけにもなっていて。架空のスポーツながら良いスポーツだなあと思ってしまった。

このゲーム、EOS準決(西星戦)と決勝(花京院戦)以外はオーダー(走順)と話(試合内容)が固定されていて、まあそこがゲームとしての面白味を殺いでもいるんだけども、準々決勝でそれを上手く利用した展開があったのが上手い。
ヒースが怪我をするきっかけにもなった相手との勝負で、コースの特性関係なしにそいつと当てて欲しいと言ったヒースに「本当に勝ちたいなら、優先するのはコースの特性にあった選手の配置だから、それは許可できない」と告げる主人公。ここが選択肢になっていたのも面白かったし、許可できないことで因縁の相手と勝負できないことにも都合がつく上、主人公の『皆を勝たせる』という意志にも繋がる。巧い展開だなあと思った。

巴との最終決戦も本当に心地よかった。勝敗はどうでもいいから、この勝負を見続けていたいっていう観客の気持ちを味わえた気がする。ストライドへの情熱を失ってしまっていた巴が、段々と楽しさを思い出してテンション上がっていくのを見て、それを見ているこちらも気持ちが昂ぶった。このストライドシーンは二人とも本当に楽しそうで同じチームで無くても一緒に走ることが出来るっていうのがまた素敵。巴は陸との頂上対決も王道だと思うし楽しみだけど、やっぱりこの3人のストライドの始まりである巴との対決は久我ルートもヒースルートも別の意味の思い入れを持って見れた。EDを見るたびに巴も仲間と走りたかっただけなんだなあと思うと、不器用な子たちばっかりでそこがまた美味しく頂けて……なんか本当に申し訳ない。

久我ルート同様、恋愛面はそれほど濃かったわけじゃないけど、こちらは主人公が自分の気持を自覚する展開がとても自然で素敵だった。段々と心を開いて、自分が抱えている問題や自分の心の中を明かしてくれるようになるのも良い。主人公がヒースの言葉に支えられたこともあるけど、ヒースが傾いだ時に主人公らしい言葉でヒースへの思いや良さを語るのもただただ心が浄化されていった。個人的にもうちょっと奈々ちゃんに振り回される所が見たかったなあ。結構余裕綽々で先輩リードな面が多く見受けられたので、奈々ちゃんにもっと赤面させられて思わずグラっと着てる所が見たかった。まあそのへんは後日譚のドラマCDあたりにでも期待しとこう。

最後に、このルートで大変に心が浄化された、主人公からヒースへの言葉を残しておく。

「先輩は、元からカッコいい人っていうより、なりたい自分になるために、努力してる人なんだなってわかって。
(中略)
でも、それをみっともないなんて思ったこと、一度もありません。
私は、そんな先輩が好きです」


これで好きにならない男子が居るのか。私は惚れた。不覚にもときめいた。一体どっちに感情移入しているんだ私は……。
あとざーさんの声での脳内再生超余裕でした、声オタでよかったと思えた瞬間でした。


ストライクEDの終わり方(演出)がすべて同じだけど、自分はあの終わり方が結構好きなので毎回なんだかんだ楽しんで見れている。やっぱりちょっと変化付けて欲しかったなと思う部分も無きにしもあらずですが。しかし皆、渋谷で公開処刑キスでもしないといけない義務でも課せられているのか。考えただけでのた打ち回りながら地を這うような声をだせそうな仕打ちだけど……強い気持ちで頑張れよ奈々ちゃん。
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