全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

21 2016

(Debut)来栖翔ルート クリア

ごはんがススんでると思っていた。しかしそれはトイレへ駆け込むための助走に過ぎなかった。


3人攻略してきて、ここまで共通しているのは『挫折』と『周りがデビューしていくことへの焦り』であった。正直もう食う前からこれらの展開はお腹いっぱいなのであるが、自分は挫折とそこから立ち上がって前を向く展開が好きなため、その好みでなんとかここまで乗り切ってきた感じはある。
挫折に関しては那月ルートの阿鼻叫喚地獄絵図はともかくとして、そこそこ真っ当に描いてきたように思う。那月ルートもあんな感じのホラーにはなってしまったけれど、那月が抱える『長所でもあり短所でもある』部分はそれなりに描かれていたんじゃないかな、と四年前のプレイ記憶ながらそう思っとります。

そして今回の翔ちゃんルートのテーマ。翔ちゃんには個性がなく『普通』であり、他のメンバーの天性さに埋もれてしまうというものだった。それを言うんだったら『何故翔ちゃんはSクラスだったのか』という無印からの解のない問題をまた掘り下げないと行けないのだけど、もちろん触れられる事無く進んでいった。大丈夫、慣れてる、この空気感、慣れてる。

いやーしかし、どのルートも『上手く行かなさ』は腐るほど描かれてきたけれど、翔ちゃんルートが体感的に一番来た。いつも明るい翔ちゃんがヘコむのはトキヤや音也がヘコむのとはまた違う辛さがあったし、それが延々と続くものだから同じものを食わされて食傷気味といった辛さもあった。何より、翔ちゃん自身の実力不足という描写が何度もされ、ようやく掴んだチャンスもタイミング悪く流れていくという理不尽さもあった。

ルートの前半は藍ちゃんからのダメ出しと翔ちゃんの実力不足そして藍ちゃんがロボットであったということへの問題点、ルートの後半も翔ちゃんの実力不足の描写が続く……ついでに主人公も女優から若干理不尽に駄目だしされる描写があったけどあってないようなもんだった。
主人公と翔ちゃんが付き合ってると知って『愛とは何か』という情報が処理しきれなくて、藍ちゃんが緊急停止してロボットとバレるという展開は正直もっと上手いやり方あっただろ……とは思ったけど、那月ルートの藍ちゃんの首が回転してバレたことを思えば、だいぶ心持ち良いバレ方だったのではないでしょうか。
四年前の感想でも、那月のルートなのにベラベラ人工知能について語ったけど、やっぱり私は藍ちゃんが主題の話は好きだ。藍ちゃんが好きだというより、うたプリが意外とロボットに対する人の感情という主題をまあそこそこそれなりなテーマにしてくれるからである。

主人公「ロボットに心が芽生えるなんてこと本当にあるんでしょうか」
博士「……だといいなぁと思って開発したよ。でも、必ずしもそうなるとは限らない。
そもそも、心の定義が曖昧だ。確かに存在しているのに、それが一体何なのかはわからない。物事を考えるのは脳だけど、じゃあそれがイコール心かと言われれば違うだろう」

この「だといいなあと思って開発した」って台詞に胸を打たれたのは自分が開発側の心情だからだろうとは思うけれど。この辺りの主人公と博士の会話はとっても心打たれた。藍ちゃんがそういう思いで開発されたということが嬉しいし、そういう思いで開発されたロボットが人々の心を救ってくれるとなお嬉しい。
藍ちゃん自身も翔ちゃんに厳しい言葉を掛けたりするけれども、それはちゃんと考えてのことだということを理論建てて説明してくれる。「ショウは生意気すぎるんだよ。それがどんなに理不尽でも、反論しちゃいけないこともある。黙って従うしか無いこともある。それを理解しないと、仕事を逃すよ」という台詞は大人の私には身に沁みる言葉でだいぶ違う所がダメージを受けていた。

またルート本人とは別のところで興奮しているのは置いといて、那月ルートよりはロボットに対しての感情は描かれていたと思う。心があるのか無いのかよくわからないロボットと、心を通わせた歌を歌えるのが心配な翔ちゃんの気持ちはよくわかるし共感もできた。那月は感覚的に「人と同じように動くから人」という判断をするけれど、この辺は翔ちゃんはよく考えていた気がする。よく考えた上で、情に厚い翔ちゃんが例えロボットでも藍ちゃんは先輩で、自分に必要な人だという判断をして、藍ちゃんも自分が後輩二人に教えなければならない、と必死に博士に訴えるシーンは超飯バクバク食ってた。


しかしこれはおかわりもいいぞ!に過ぎない。
藍ちゃん先輩との問題も解決したとおもいきや、コンパで出す発表前の曲を『気分がいいから』という謎な理由で会場でひきはじめ(よく覚えていないがこんな感じの理由だった気がする)、それをコンパへ参加してきた新人作曲家に披露して既定路線な如く盗作されてしまう。盗作疑惑を掛けられた主人公は、何故か連帯責任で翔ちゃんも一緒に無人島へ一ヶ月謹慎へ。リリース前に何度も沈没しかかった某島を思い出した。(今回思い出して久しぶりに確認してたらもう沈没してたがな……)

この辺りで、やった!うたプリ(ゲーム)だ!と意味不明な理由で喜んでいた自分もおかしいが、ここからは本当に意味不明だった。島は通信手段が一切断絶されていて、島についた時に携帯を確認すると薫くんから「お母さんが倒れたって」とのメールが。おそらく出発前に来たのをタイミング悪く島にきた後に確認してしまった模様。なんとか連絡を取ろうと浜辺でSOS書いたり、ろうそくとかき集めてそれで火を灯して目立つようにしたり、途中嵐になって「火が消えちゃう…」と謎に火を守ろうとしていたのを見た時、あの無印で頭を掻きむしった日々を思い出して、正直とても興奮した。これこれこれですよ、この無茶苦茶感。
嵐なんだからヘリは飛んでないからさっさとコテージ戻って次の日頑張れとかそういうツッコミをするのも無粋だなと想いながら見守っていたら、「夜明け、だな……」「うん。新しい朝だね…」と二人は謎の達成感に浸っていた。私も一緒に嵐の中で見守っていたかのように震えが止まらなかった。

その後、母親はただのぎっくり腰だったというオチを付けられ、すっかりあの時の気持ちを取り戻した私に更に追い打ちを駆ける。
二人は謹慎中なのに、海水浴をして遊びはじめたのである。
一方で「すごい!翔ちゃんの半裸立ち絵が複雑骨折してない!」と別のところで喜んでいた。あの時の自分は今思うと労働の疲れもあって相当なテンションだったと思う。

そんなこんなで大変楽しい謹慎生活を送った後は、藍ちゃんからの「仕事選んでる場合じゃないよね?」というありがたいお言葉を賜る。というのも、那月のデビューCDにデュエットでデビューさせてもらえるとのこと。それも今までテレビ出演を断っていた藍ちゃんがテレビ出演をするという後押しもあっての話だった。翔ちゃんはそれをお情けと捉えて、頑なに断る。しかしここからまた上手くいかない日々が続き、自分は個性がなくて普通だからアイドルに向いていないという理由で落ち込みまくっていった。

時に音也と一緒のオーディションで、曲を忘れてきた音也に、スタッフにギターだけでも貸してくれるように掛けあって、そして翔ちゃんは落ち、音也が合格してしまう。
「翔のおかげで合格できたよ~~~」とか全く空気を読まずに満面の笑顔でいう音也に反比例して私の表情筋は無を構築していた。そして無印でのあの日々を思い出していた。
ようやくデビューできると思った企画も、上層部の急な人事異動(理由は判明しない)により、企画ごとなくなる。挫折しかない日々に心配になった主人公が翔ちゃんを追いかけると……。

外は雨、真っ暗闇な部屋の中で一人佇む翔ちゃんが居た。

とても息を呑んだ。
いや、それでもテディベアと会話してるよりはだいぶ良い、と謎の理由で自分を励まして乗り切った。那月ルートは偉大だ、あれがあるから大抵のことは乗りきれる気がする、そんな勇気をもらえた気がする。(混沌)
ここでもまた自分は普通だから……と落ち込む翔ちゃん。励まそうとした主人公すら突っぱねる。その後腫れ物の用に扱う選択肢が出てきた辺りで意識を飛ばしそうになった。
時に博士に冗談で「俺に乗り換えてみない?」って言われたけど、超乗り換えたかった。断る主人公に「俺の玉砕と引き換えに君が泣き止んだなら上出来かな」とか言われるのでときめきを禁じ得なかった。

その後、早乙女学園の系列校に編入を考える翔ちゃんを、那月が那月らしい言葉で怒らせる。

「落ち込んでるより、怒ってる方がいいね。だから、いっぱい怒っていいよ」

腫れ物に触れるように扱った主人公よりも、那月のほうが何倍も翔ちゃんの扱いを心得ていた。このシーンの那月の翔ちゃんをどう思っていたかの吐露は非常に良かった。なんかもう求めていたものはこれじゃなかったけど、そこそこ感動したのでこれでいいや。

その後、ファンレターを読んだりまあなんやかんやいろいろやっていくうちにアイドルをやっていくという気持ちを取り戻した翔ちゃんに、映画の主人公の仕事が舞い込む。そこで見事に勝ち取って恋愛EDは終わりを迎えた。謎の疲労感だけが身の内に残ったけど、これも私がうたプリに求めていたもののような気がしないでもないような気がするので、これでいいです。

ちなみに「今日は二人とも帰ってこない」って言う理由で部屋でイチャつきまくってたけど、プリンスたちは他人の部屋でギシギシアンアンするのが趣味なんでしょうかね。これ音也ルートでも言ってた記憶あるぞ。


●先輩ED

上で語った問題をちょっとだけ視点を変えただけなので殆ど同じだった。博士と藍ちゃんが知られたら困るような話を夜とはいえ公園で話してて、案の定その会話を主人公が聞いていたのにはもう突っ込む気すら起きなかったけど、これが私のよく知っているうたプリなので故郷にでも帰ってきたかのような気持ちになりました。ちなみに最後は藍ちゃんがロケットパンチを繰り出したスチルで締められていて、何故かそれを見てフフッって笑った自分が居たのがとても怖かったです。

●友情ED
那月ルートの翔ちゃんは空気だったけれど、翔ちゃんルートの那月は非常に良い活躍をしていた。それは上記の部分もそうだし、暴れん坊な那月が翔ちゃんのおかげで皆の輪に入れることを那月なりの言葉や態度で表現してくれるから。このEDもそんな翔ちゃんと那月の良い関係が垣間見えてそこで終わった良かった。
もう主人公は空気のほうが良い気がするので、これでいいです。



部屋で一人で佇まれていた時は、また来たのかと震えたけれど、それでもこれまでプレイしてきた翔ちゃんルートは摂取よりリバースのほうが多かっただけに、前半のくだりは美味しくいただけただけまだ良かった気がする。
しかし心臓病のくだりは殆ど無かったことになっていって逆に笑った。マラソンとか走らされてた時は、またシナリオライターに殺されかかったのかと思ったけど、後遺症とかも全く出てこなかった。ほんとあの設定だけは必要だったのかと今一度。
このルートの主人公は何も出来ないどころか足を引っ張りまくるんだけども、そのおかげで那月との関係性が際立ったところもあって良かった。なんか本来喜ぶべきところじゃない場所で喜んでる気が……。

あと引っかかったのは、このルート、翔ちゃんにタメ口で話してた主人公が、急に敬語になったりして違和感を覚えた。複数ライターで作られてる作品なので、まあこういうことも予測はできるけど、さすがにその辺りは統一させて欲しい。


次はダム様にでも行きましょうかね。Debutをやっていると忘れていた無印の記憶が蘇ったりして大変楽しいです。虚無を産んだあのギャグがたまに来る度に何かを取り戻したような気持ちになるのは何故なのか。

そんなことを言いながら喧嘩番長が届いたので先にこちらをプレイしたい。Debutの時もそうやって四年も積んだ実績があるので、今回はいろいろ忘れないようにしたいと思います。(フラグ)
関連記事