全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

01 2016

鳳凰ルート +総評

不満が出てくるのは良い部分があればこそ、って言うのをどこかで見た気がするけれども、喧嘩番長乙女に関しては本当にそれだった。楽しめた部分もあるのに楽しみきれなかったのは、そうでない部分が相殺していたからこそ。

以下より鳳凰ルート、サブキャラ雑感と総評を。


●鳳凰ルート
貫禄ありすぎるし、人間できすぎてるし、もうこの人が次の組長で良いんじゃないかなと思っていたら、当のひかるもそう思って居た。男なのに女子高生生活謳歌しまくってるひかるのことを考えれば、組長に向かないのはわかりきったことなのに、何度も何度も連れもどされるひかるを見るのは本当に可哀想だったし、ひかるがどストレートに思ってる事を爆発させた瞬間が、このゲームで一番心動かされた瞬間だったかもしれない。それにしても、最後まで何故そこまで血統にこだわってひかるを組長にさせようとしていたのかが理解できないというか……そのへんに足る理由は欲しかった。ただ、ひかるが主人公にした男女入れ替えて男子校に主人公を通わせるっていうのをちゃんと鳳凰さんが真っ当な言葉で叱ってくれたのは良かった。

このルートはネタバレのオンパレードで楽しかったんだけど、何故鳳凰が頑なに家を出ようとしたのかが、理解はできるけど気持ちが乗り切らなかった。実の息子と同じように愛されて、表向き長男なのだからそのまま上手くやれば、到底向かないであろうひかるが組長やることもなかっただろうし、上手く収まったのではと。そうすると主人公とは結婚できないのか。そう思うと、そのために鳳凰が無理矢理出て行くように仕向けられた感じがしてなんだか良い気がしない。
組の内部分裂を避けるためと言ったけど、それが殆ど描写されず、離ればなれになるっていう展開にも感情が上手く乗り切らなかった。昔の内部抗争の原因となった主人公父の兄、いわゆる伯父との関係や決着も、あんなに強敵や不穏な雰囲気を出していたのに終わりがあっさりだったのもなんだかなあ。ちなみに母親がどうなったかは最後まで明かされなかった。上手く噛み合わないってのはこの事なんだなと思いながらプレイしていた。
お互いに惹かれていくのはわかるんだけども、やはりそこまでの描写が深いわけでもないので、この波に乗れずにずっと手で漕いでるサーファーみたいな気持ちなのが大変つらい。今まで味わったことのない気持ちだった。

そういうわけで鳳凰ルートで一番印象に残ったのは、ひかるだった。自分の家のことを、ヤクザを『怖い』と言うのは真っ当な感情だったし、その中で育ったのにそう言う感情を持てたのがある意味凄い。確立した個を持っているからこそな主張だったんだろう。なにより、主人公をどうやって見つけたかって聞かれた時に「運命」ってさらりと一言で答えたのが、逆に胸に響いた。格闘技で賞を取った主人公が雑誌に載っていて、いつもは手に取らないのにたまたま手にとって、顔がそっくりで目が自分と同じで陰っている目をしていたっていうのが非常に印象的だった。自分が双子好きっていうのもあるけど、こういう不思議な繋がりが強いのがとても記憶に残った。

全然鳳凰について語ってないですが、最初にも語ったとおり人間出来過ぎててなんだか極道という感じもしないし、1ヶ月で獅子吼を制覇したっていうのにあっさり勝つこともできるし、なんだかそう言う細かい矛盾のようなものが積りに積もって萌えきらなかったというか。あ、最後の最後で髪下ろしスチルを繰り出したのは、オールバックキャラの特権だなあと。オールバックの髪下ろしに百発百中で落ちてる自分なので、最後は凄い萌えた。そんな感じでいろいろ不満もあったけれど、良い意味でドキドキハラハラした展開もあって、終わりはすっきり終えられて満足。ちなみに友情EDに行こうとしたらBADEDになって肩透かしを食らった。確かに友情というより家族愛を育めそうだけども……。


【サブキャラ雑感】
・鬼ヶ島ひかる
この無茶苦茶な入れ替え計画の発案者。最初はあまりの強引さと、BADEDで容赦なく叩きだされたのを見て良い気持ちにはならなかったけど、後半に行けば行くほど、ひかるの強引さは嫌いになれなかった。上記でも語ったけど、なにより確立した意志を持っているから。したくないことはしたくない、出来ないことは出来ない、はっきりきっぱり口に出したり、叫んで感情を露わにしている様子は見ていて面白くもあった。あと代永氏の叫び声がテンポが良くてなぜだか耳に心地よかったと言うか。親や組の影響で、運命が決められているならここまで荒れるのも理解出来なくはないし、そこをちゃんと意思表示したひかるの強さは、終わりに至るまでに好きに変換された。
吉良ルートで昔のお兄ちゃんだった吉良に、お兄ちゃんとして嫉妬したり、主人公と意見を交わしてキャットファイトしてたのも可愛らしかったな。入れ替え以外はひかるは最後までひなこに対等に接していたし、悩んでいる時はきちんとアドバイスもしていた。そんなわけでほのぼの兄妹EDが欲しかったなあ。

・坂口春生
鬼ヶ島組若頭。このハイテンションさとお嬢って単語と若頭って点は猛烈に仁義なき乙女を連想させられて、懐かしい気持ちになった。といっても坂口さんルートは無い。良いキャラしてるのに勿体無いなあ……ひかるとお嬢、どちらを大事にするかで葛藤する坂口さんが見てみたかった。
あとひかるに何故そこまで肩入れするのかが明かされなくてそこは少々消化不良。ひかるのことをいろいろ不憫に思っていた、ということで自己完結させたけど、ちゃんとゲーム内で理由が見たかった。

・中山ひなこ(主人公)
大変順応性が高い女子高生。売られたケンカは大抵買う、百戦錬磨。強い、格好いい。
家族にとらわれてる描写が目立ったのは印象に残った。吉良ルートのひどい状態の両親と「また一緒になったほうが良い」的なことを言っていたのは、彼女自身が家族というものに憧れて、何となく自分の中で「家族は良いものだ」って思っていたからじゃないだろうか。そう思うと上記の発言は非常に良く納得できたし、そう思ってしまえるのがなんだか切なくもあった。
いろいろ首をかしげるような発言や行動もあったけど、高校生だと思えば全部受け入れたし(こういう時は自分の高校生時代を思い出せば大抵なんとかなる)、素直で、他人思いで、家族思いな良い子。その中で自分の拳で道を切り開いていったのは面白かった。トップも夢じゃない。


【総評】
・システム

これで普通の乙女ゲーに飽きた人向けに作ったのだというのならもうちょっとなんとかした方がいい。システムはおおまかに分けて3つ。ケンカシステムと探索システムと普通の選択肢。これがまた萌えた心に歯止めをかけるストッパー担っていて辛かった。
まずケンカシステム。これは本当におもしろみもなにもなかった。ケンカシステムはタンカバトルと、上から落下してくる入力キーにしたがって入力して相手の体力を減らしていく。タンカバトルは最初に入力するべき文章が出て、その後出てくる選択肢をその文章通りに入力していく。裏タンカと言って手本の文章とは違うタンカもある。これを探すのはちょっと楽しかった。ちなみにタンカを成功させると相手の体力が減る。
しかしその後に来るボタン入力が非常に厄介。言葉では伝えにくいが、入力ミスをすれば相手のカウントになるのはまだわかるが、入力部分をミスって間に合わなかった場合、次落ちて来る予定だったボタン分までミスカウントにされる。つまり二回分のミスになる。そして周回しても飛ばすことは出来ず、毎回毎回ガチンコファイトバトルをしなければならない。終盤はわざと負けて、負けた時に出る「勝ったことにする」っていう選択肢を選んだほうがまだストレスが貯まらずスムーズだった。
MAPシステムは特に意味もないMAP上にアイコンが存在するだけのシステム。キャラの特殊イベントがわかるありがたい機能付き。ちなみに通常会話のパターンは少ないので初期RPGのごとく毎回同じ話が聞ける。(月が変わると同じ選択肢でも違う返答が帰ってくる場合もあるがそれも数が多いわけではない)
ちなみに何日までに何をしろという指示が序盤だけ出てくるが、日程表示はセーブするまでわからない。
漢メーター乙女メーターの振り幅で友情EDか恋愛EDかが決まるが、これも主に選択肢の振り幅をわかりやすいようにしただけだった。
終盤、タンカをし終えて相手の返しが出てくる時に相手画面が消え、主人公の顔に台詞だけが被るというバグが起こった。原因は不明で、一度起こったら最後まで起こったまんまだった。いずれ直るんだろうけど、そこまで難しくなさそうなこのシステムでバグってるのはさすがになんとかしてほしい。
通常のADVとしての機能は、スキップがカクカクでこれまた中々にストレスを溜めてくれた。
というわけで最高に小気味よくイライラさせてくれたシステムだった。私が作中一番殴りたかったのはヤンキーでもなんでもなく、このシステムだった。

・スチル
枚数はそれほど多くないけれど、個人的に好みな絵柄だったので概ね満足している。甘いスチルは少なかったけど、必ず一人1枚キススチルが設けられていた。そのスチルが主人公が男装状態の人も居たのがなんとも言えない気持ちにさせてくれたけども。
斗々丸の感想でも語ったけど、斗々丸が居ないのに二枚も斗々丸のスチルにさせられてるのがあってさすがにどうかと思った(ちなみに鳳凰も1枚そういうのがある)。確かに斗々丸ルートで見れるんだけども、さすがにその他とかに収めて欲しかった。
スチル等の演出については逆に物足りない部分も多く(例えば幼少期のスチル演出がなかったりだとか)、甘くなくてもいいからそういう意味でのスチルがもう少しあったら尚良かった。

・シナリオ
淡々としていて描写が深くなく、端折られたりする部分もかなり多いんだけど、自分はこのシナリオがそこそこ好きだし、納得もできた。おそらくこのシナリオは、あえてこの文量にとどめたんじゃないかなと思えてしまった。描写してくれる部分はあるし、納得させてくれるポイントも抑えてはくれるのだけど、端折られる部分はバッサリ端折られる。そこが見たかったというところで場面転換される。そこが感情移入の気持ちを大きく削がれてしまって辛かった。
友情ルートもそれはそれで良かったんだけど、どうせこの後バレるんだろうなと思ってしまうと一本道にしてしまっても良かったんではないかなと。そもそも乙女ゲーで「男子と友情」という結末に落とすこと自体、だいぶ難易度が高いのではと思った。
恋愛描写については前述した文量が足りないことが足を引っ張っていて、脳内妄想で補完する部分が大きかったのは否めない。どちらにせよ描写というより文量でこうなってしまっているのが本当に勿体無い。

男装の重みについてはまるで何もなかったのは、それで良いのか男性陣たちよ。もうちょっと葛藤したり悩んだりして、拒否反応を超えて仲良くなる人が一人ぐらい居ても良いんじゃないかと思えるぐらい、皆主人公が女とわかって喜んでいた。これが男の性なのかなんなのか……。

良かったと言いたいのに、そうはさせてくれない文章量と描写の少なさが最後まで足を引っ張ってしまった、自分にとってはそんなシナリオだった。


おすすめ攻略順は、
【 斗々丸 → 金春 → 未良子 → 吉良 → 鳳凰 】
段々とネタバレしていく感じ。主人公の出生の秘密のネタバレ度で言えば鳳凰>吉良。斗々丸は最初に持ってきたほうが、喧嘩番長の雰囲気を感じ取れて良いかもしれない。金春、未良子はお好きな順で。鳳凰は攻略制限掛かってるらしいのでどのみち後の方になってしまうかと。


男性向け作品→女性向け作品に変換されたゲームはそこそこやってきたつもりだけど、そのどれもが乙女ゲーフィルターがガッツリかかっているのが本当に残念だった。それは今作でもそうで、攻略男子は結局皆キラキラしていた……それもそれで好きなんだけど、自分にとってそれは『普通の乙女ゲー』にすぎない。ヤンキーは確かに普通じゃない、のに、みんなキラキラしている。そして私はキラキラしてない根性捻くれたヤンキーを攻略したかったんだ……とプレイ中に気付いて拳を握った。皆良い人だったし、良い子たちだった……でもそれだけだった。
今作で私は50人ぐらいのヤンキーをボコボコにしたし、主要キャラなんて特にボコボコにしてやったけど、最後まで殴った感触はまるでなかった。こうなる流れはやっぱり商品を売るためには仕方ないのかと思うんだけど、自分はやっぱり『普通じゃない乙女ゲー』がやりたかったようです。まあそうじゃなくてもゲームシステムは心の底からなんとかして欲しいが。

一言で纏めるならやはりアクションを入れて欲しかった……そう言い残し、自分は戦国無双をポチろうか迷っている。だいぶ殴りたりなかったみたいだ。

完全に余談だけど、喧嘩番長をたまに裸番長と言い間違う時があるんだけどこれは一体どこから来たのか……こないだ友人と話してる時も素で裸番長って言ってしまって妙な沈黙が流れたのが最高に手足しびれた。ちなみにこの感想でも二回ぐらい打ち間違った。


戦国無双はポチるだろうけど、次はまたPCゲーに戻りたいと思う。今のところ予約してたゲームは喧嘩番長だけだったので、そんでもってさすがに携帯機ADV続きで飽きてきた。積んでるエロゲでも崩しましょうかね。とりあえず最後にプレイしたエロゲがクロチャンでシリアスだったので、明るそうなダメ恋でも。エロゲ→乙女ゲを繰り返すのが自分の感覚的にちょうど良さそうです。
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