25 2016

冥加逆注目ルート クリア

8年ぐらいもののPSPを使用し続けるのは若干不安だったので、サマーセールにてVitaでダウンロードし直した。画質は荒いけど気にしない性格なのは我ながらナイス。いずれVita化するんだろうけど、そんときゃそん時でまた考えます。

感想を語る前に、冥加さん最萌でありながらも何年も放置していたこの作品を再開するきっかけになった理由を語りたいと思う。
一つは前述したとおり、PSPの挙動が不審だったところにタイミングよくサマーセールで安くなっていたから。
もう一つはやはり、コルダ4の存在。アナスカをプレイしなおして繰り返し思ったけど、自分はやっぱり和気あいあいなコルダは求めて無いんだなと……いや、恋愛ゲーだし仲良くするに越したことはないんだけど、やっぱりこの競い合う空気感が好きでそのコルダをもう一度味わいたくなった。失われた情熱を主人公が取り戻していく度に一緒になって心熱くなれるこの展開が好きなのだと。これもコルダ4の感想でぐちぐち語ったけれども、まあ自分がそれだけコルダに捻くれたこだわりを持ってプレイしている厄介なプレイヤーだったってことで……ネオロマンスさんには改めて感謝致しております。

逆注目は友人から『追う側が追われる側に変化するのが好き』という感想を聞いていたのでワクワクしていたけれど、プレイしてみて上手くネタバレしない感想を残した友人の表現力に拍手。
その方法は、記憶喪失。これがまた主人公との対比という意味でも良かった。主人公がたまたま見つけたCDが、冥加の古傷を抉るもので、自覚はないにせよそこでまた冥加を傷つけてしまうという構図は本当に美味しかった。これほど『運命』という言葉が似合うカップルは居ないなと思えるほど。そして自分はそういう重苦しくて喉に詰まりそうな関係性が大好きなのである。つまらせた喉でその美味さを味わっていた。
主人公は自分の音楽が自分を救ってくれた人の明日を左右することを知り、そしてその人間に憎まれ、そのことに傷つき、忘れることで自衛しようとした(と、自分は解釈している)。冥加が主人公のその傷を抉るのなら、今度は主人公が意図せずとも冥加の傷を抉ってしまう、その対比がそらもう美しかった。過去の主人公が冥加へした『勝ちを譲る』という行為も善意であり悪意はない。そして今回も冥加の過去を知らない主人公がちょっとした善意で、冥加の傷を抉るのが良い。
そして二人とも同じように記憶を失って自衛する所がたまらん。『記憶喪失』という手法は正直少女漫画で何万と繰り返されてきたものだけど、この対比があるからとても美味しくいただけたのが良かった。

「俺という人間の尊厳を砕いた憎悪すべき存在。それでも、俺の魂は7年前のあの日、そのヴァイオリンが奏でた音楽へと帰っていく。
この憎しみと、同じだけの強さで愛している」

また好きな乙女ゲー台詞選手権大会に新たな台詞が追加されてしまった……もう冥加が喋る言葉全部ノミネートでもいいぐらいお手上げ状態。憎しみと同じだけの強さで、って所が秘孔を一撃される勢いでツボった。愛憎が表裏一体で、主人公が本来持っていた音楽を取り戻していく度に冥加が救われてどうしようもなくなって行くのがたまらなく良かった。前述した過去に主人公が冥加に与えた『善意』を冥加が「いとわしい」と言うけど、一文字取れば「いとしい」に変わってしまうのも上手い言い方だなあと思った。このシナリオの出来や言葉遣いなら、わざと『いとわしい』って言わせたのではないかという思いが拭えない。
そして今回もオモシロ選択肢、上の台詞で熱烈な愛の告白を決めた後に帰れと言われた時に出てくる「1.帰れない 2.帰らない 3.立ち去る」は上手いと思ったと同時に笑った。好きの反対は無関心だとよく語られるけど、重要な展開でも殆どの選択肢に『帰る』だの『立ち去る』だの『興味ない』的な、フラグを膝でバッキリ折るような選択肢を設けるネオロマンスの男気にはときめきを感じざるを得ない……。それであっさり画面パリンで終了する所がクセになってしまってキャラたちには申し訳ない。(そしてたまに加地くんの「頑張って」並に安牌だと思わせておきながら思い切り画面を割らせる選択肢を不意打ちに食らうのもまた楽しい)
そして記憶を取り戻した冥加がこちら側の様子を見ておちょくってくるのは本当にジタバタした。逆にどう思っているか質問攻めされた時は吸った空気を吐き出せなくなるぐらい一旦停止した。

しかし冥加は高校生がよく使うような『好き』を通り越して平気で『愛してる』を使うけど、これが本気なのがわかるから若干の恐怖を感じるぐらい重厚感があってそれがまたたまらない。自分はそのくっそ重てえ冥加の愛が大好きなのでした。もっと、もっとだ、こちらを押しつぶして来るぐらいもっと来い。

印象に残ったのは、恒例のファム・ファタルシーンで、逆注目の冥加は『必ずこっちを向いてくれ』という趣旨の言葉を言っていたこと。珠玉では「俺のものになどならなくても構わない」と言っていたけれど、逆注目の冥加は、かなでが自分を追いかけて欲してくれたという旨味成分を一度味わっているからか、主人公を欲して終わるところも良かった。どちらかと言えばやはり珠玉の冥加のが好きなのだけど、逆注目は捻じくれていない普通の嫉妬心的な、人として通常持ち合わせているような感情を取り戻せたような感じで、こちらのが安心感を得られたというか。

今回で大方の冥加のシナリオを見終えたので、振り返ってちょっとだけいろいろ考えてみた。
主人公が星奏学院に入る方が個人的には面白いし(何より高圧的な態度を負かせるというのが別の意味の快感でもある)、過去あったトラウマの壁を二人で乗り越えるという構図は対決という立場な方が美しいように思える。でも、アナスカのように同じ学校で否が応でも毎回主人公の音楽を聞かされるのもまた違った旨味があってよかった。どの立場に居ても過去がある限り冥加と主人公の関係性は捻じくれ曲がってるんだけども、そんな二人の関係性が本当に面白かった。憎悪が愛情に変貌を遂げる過程で今日も飯が美味い。
あと改めて最初の「お前はここで終わるのか?」の小日向かなでに宛てた熱烈ラブレター(あれをラブレターと言わずになんというのか)をどんな思いで送ったのかと考えて胸が滾るように熱くなった。抗いようもない才能の差があった過去から、才能を開花させ成長させた冥加と、本来持っていた音楽を失った主人公を見て、それでも決着と決別を付けなければと思ったんだろうか。でもそれだと、「ここで終わるのか?」という書き方はしないような気もする。いや、むしろ無意識でそう書いたのかもしれない。這い上がってきて欲しかっただろうし、冥加もまた7年前のあの日に帰りたかったのかもしれない。共に切磋琢磨し合える未来があることを願わざるをえない。


全然関係ない話、スペシャルドルチェ中にテレビからツィガーヌが流れてきてビビったと同時に、これは運命だと思った。ちなみに遅ればせながらも、スケルツォ・タランテラを聞いてみたけど、強烈な出だしから途中でとても優雅になるのを聴いて……本当に冥加を象徴するような音色だなあと。また、冥加を狂わせた『ソルヴェイグの歌』についても少しだけ調べてみたけれども、これの歌詞がまた冥加を思いながら聴くと胸を締め付けられるようで良かった。曲調といい、これが一晩延々と掛かっていたのはそりゃトラウマになるだろうなあ。

もう一度初代コルダからやり直したいなあと思わされたそんな夏の始まりでした。初代は時間制限システムにヒイヒイ言いながら柚木EDだけ見た記憶があるけど、今プレイしたらまた感じ方も違ってくるんだろうなあと思った。夏になると今年が半分終わったことを感じさせられて辛いけど、加地くんも冥加くんも一生懸命頑張ってるので私もなんとか地を這いずり回りながら頑張ろうと思いました。


あ、そういえば逆注目で聞けると思っていたPVの「俺と貴様の関係はもはや、音楽でしか救われない」は逆注目でも聞けた記憶が無いのでどこで聞けるのだろうか。私が意識を失いながらプレイしていて見逃した可能性が一番高いが。
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