全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

23 2016

(キネモザ)雅ルート クリア  +総評

雅様が生まれたこの世界に乾杯。


●二年目モード(雅)
好きなものを最後に食べる理論で最後にプレイしたのだけど、有終の美とはまさにこの事というか、大トリに相応しく終えることが出来た。もうこのルートは終始殺伐としていたし、当主VS雅様の構図と、白鳥が如く水面下での蹴り合いが、真相を知っていてもどう転んでいくのか楽しんでいけた。

主人公とのやりとりも、いちいち可愛らしかったなあ。七夕の織姫と彦星のお菓子を二人ではんぶんこしようとして、織姫と彦星の間で分けようとした主人公に「七夕で年に一度再会してるのに、どうして引き裂くわけ?」とか言っちゃうロマンチスト雅様も可愛らしかった。一生懸命雅様の体調管理をしようと試行錯誤する主人公も可愛らしかったし、もう二人まとめてまるごと可愛らしかった。可愛いは世界平和。
質問が許されて使用人らしくない、と反省した主人公に言った雅の言葉は度々胸に響いた。

「周りに言われたからとか、そんなことにいちいち振り回されていたらお前はお前でなくなる。お前って何? それがお前?」

一年目の口を開けば隙あらば質問の主人公が、二年目で成長するのも感動したけれど、『この主人公』だからこそ雅様は心を許したんだろうというのもこの台詞からわかるから、とても胸に響いた。誰のルートだったかは忘れたけど、主人公自身も質問する理由が『相手のことをもっと理解したい。理解したらもっと仲良く、上手く接せるはず』というのも良かった。この思考も身分差とはなんたるかを全く理解してないから出来る考え方なんだろうけど、田舎から帝都に出てきたばかりの娘だということを考えれば納得。身分差息をしろと興奮していた過去の私よりは、これらで納得している今の私のほうが無印を楽しめそうだとも思った。実際にプレイしてみないとわからない部分もあるだろうけれど。

母親との関係悪化も今回のルートでされたけど、ちょっと展開が違うのもまた面白かった。お前なんか親じゃない、あんたなんか息子じゃないのやり取りは何度やられても言いようのない辛さを感じてしまうのだけど、この問題があるから、雅ルートは一層格別な味になるのだなと。
無印で自分の子じゃないって言われた時の雅様はかなり荒れていた印象だったけど、二年目モードの雅様は比較的安定していた。本人も「思ったほど引きずってない」と言っていたし。いろいろ理由は考えられるけど、やはり一番の理由は、雅母が『そりゃ言い過ぎだろ』ってことを言ったときに、主人公が身分をゴミ箱にぶっ込んで雅母に平手をカマしたこと。後にちゃんと反省もしていたけれど、雅様はあれを見て安心できたんだろう。逆に雅母を支える人が誰も居ないのも可哀想だとは思うんだけど、雅は雅なりに母のことを考えていて変わって欲しいと願う気持ちが見えたから、段々と良い方向へ向かっていく流れは心温まった。

はる「雅様はしようと思ったことは全部自分の力で叶えてしまうんですね」
雅「僕は天才でもなんでもない。何の才能も力もない。でもそれは全部努力して補ってきた。だからなにもしないで諦める奴が許せないし、ただ言われたことを従うだけの奴も許せないのさ」

だから母親が嫌いなのだし、主人公のことを好きになったのだと。母親の呉服屋が潰れるとなったときに、全部を捨てると言った母親に対して激怒した理由もこの台詞を聞いて改めて納得。雅様は自分の母親が『家のために好きでも何でもない男と結婚して子どもを産んだこと』については、母親を評価してるんじゃないかなあとなんとなく思った。そしてそれは『母親として子どもを育てること』とは別。意志の弱い母親を厭う気持ちもあったのだろうが、家のためにした行動の結末である自分(雅様)を、否定された気にもなっちゃったんじゃないだろうか。

そんでもって最初にも言ったとおり、終盤でのご当主との机の下の蹴り合いがもうほんっっっと楽しかった。ただの使用人である主人公を大切な存在であるとご当主に隠さなかったのも雅様の策の一つで、色々情報をバラ撒きながらもご当主の上を行く雅様はかっこよくもあった。千円の使い道も、新薬の臨床実験にさせるというのは、これは色んな意味で屈辱的であるだろうなと。そしてなにより雅様らしい。

それにしてもちゃんと学校を卒業後に結婚って所が自分の立ち位置を分かっていすぎて怖いなあ。末っ子だからか兄たちをよく観察して学んだんだろうなとは思うけど。そういや、本格的に結婚するかと提案されたときに怖気づいてしまった主人公も、今更!?とは思ったけど、庶民の出で二年目にしてようやく立場がわかるようになってきたことを思えば、仕方のないことなのかもしれないなと。あの時の雅様の、自分と同じ気持ちでなかったことの落胆も甘酸っぱくて良かった。シリアスシーンなのに何故かニコニコしている自分が居た。

ちなみにBADの、最後の最後でご当主に上を行かれて主人公を殺されるっていうのもほの暗くて良かった。ワガママを言うなら、雅様の最初で最後であろう大切な存在が手折られた後の雅様がどうなるかを見てみたかった。荒れて破壊神になるもよし、廃人になるもよし。想像しながら垂涎モノだなあと思った。やっぱご当主とは気が合いそうで少々複雑だけど、凄い良い殴り合いが出来そう。


●後日談モード(雅)
将来についてどう考えているのかと聞かれた雅の返答はもう絶頂。

「帝大に行って卒業して、仕事してゴミと結婚かな。」

ゴミと結婚……ゴミと結婚……このテンポの良さとワードが好きすぎて、そしてこれをあっさり言葉に出してしまえる雅様が好きで、本当にこの話を見られてよかったと空を仰ぐ自分が居た。自分でも自分が気持ち悪いと思った。ほっぺにチューで照れる雅様もえげつないほどの破壊力だったし、日々の活力を貰えた気がした。ありがとう雅様。


■余談
・二週目勇ちん
トロコンするために勇ちんルートをもう一度プレイしてみたけど、これもやっぱり楽しかったっす。暴走列車勇ちんも楽しかったし、途中から身分をその腕力でボコボコに殴るがごとくな展開も面白かったし、何よりこれぞ勇って感じがした。そんでもって改めて無印プレイし直したら、またちょっと感想が変わりそうだなと思えた。勇ちんについては時が経てば経つほど寛容に見られている自分が居るのに気づいて、色んな意味で切ない。

・小野田秀男
お前、扱ったことない拳銃使えるくらい度胸あんだったらもっと劇団で出来ることあったんじゃねえの?とは思ったけど、秀男も秀男で追い詰められていたんだと。ルートに寄っては後先考えなさに、『まあこういう奴だからいいように利用されてんだよな』と思えてしまってある意味とても可哀想ではあった。自業自得ではあるけれど。
擬態している内に感化されてしまうってのはお約束な展開だけれども、それもまあ分かるし、なにより主人公、たえちゃん、秀男のやり取りが結構好きだったので。
バキューンされたりされなかったり色んな意味で大変な人だったけど、秀男自身の成長についてはちょっと楽しめた部分もあった。おまけルートさえないのはちょっと意外だったけど、これは『宮ノ杜家』のお話だからと思えば納得。


【総評】
・システム

無印の読み込み時間は苦行に尽きたことを思えば、無印よりは格段に良くなった(Vita版では良くなってるのかもしれないが)。数年たってもまだ覚えているほどのロード時間だったけれど、今回はVita版でプレイしたのもあってか読み込み時間はほぼなし。勇ルートだけはPSP版でプレイしたけれど、そのときもロードはほぼ無かった気がする。カレンダーをめぐる演出でスキップがスキップの意味を成してないところもあるけれど、まあそれもご愛嬌。
探索・依頼システムについては相変わらず移動するだけで何の面白味もないけれど、実は自分、この探索するだけのシステムが結構好きなので楽しかった。単なるADVと、動き回れて色々部屋を見て回れるのは心象的に大きく変わってるというかなんというか。
その他のADVの機能については特筆して悪い点はなかったけど、似たような展開なのにルートが違うという点だけで未読扱いされたのはかなり億劫だった。序盤は頑張って読んでいたけど、終盤では力尽きて強制スキップのお世話になった。

・シナリオ
二年目ということを踏まえて、主人公の意識が大分成長している。一年目の主人公の身分ってなんなんすか!が苦手な人ならば、二年目モードは穏やかに楽しめると思う。ただ自分は華ヤカに穏やかさなど求めていないことをこのモードをプレイしていて思った。もっとギスギスと殺伐としていて人を人とも思わない発言をしてもらって良い感じに胸クソ悪い気持ちにさせて欲しかった。そういう点では物足りないものもあったけれど、二年目で一年間の絆が兄弟にも主人公にも発生していると思えば理解出来ない展開ではない。
残念なのは大筋の謎がどのルートも共通なので流れがほぼ似たり寄ったりなのと、一年目のそれぞれの問題点を二年目に形や展開だけちょっと変えて出されてしまったこと。要するに大本が同じなので、見ていて『またこの問題を料理されるのか』という飽きがあった。正直自分にとって大部分がその飽きとの戦いで、いい展開や萌える展開もあったのに楽しみきれなかったという部分も否定はできない。
ただ全体的に丁寧に作ってあるのがわかるし、敢えて焼き直ししたのかなと思える部分もあるので、最終的には楽しんで終われたのは良かった。そして、華ヤカらしさは最初から最後までキープされていたので、その点に置いては満足でした。



なんだかんだ色々言ったけど、思った以上に楽しめた。何より自分はこの作品が好きだ。兄弟がギスギスしているのかと思いきやワイワイガヤガヤ仲良くなっているのは笑えたし可愛らしかった。そのあたりは本当に楽しくてプレイしていて元気も貰えた。自分にとって何もかも完璧で否定する所が何もないというわけではもちろんないし、むしろ欠点も多いけれど、それでもそれを含めてまるごと好きだと言える作品に出会えたことは本当にありがたいことというか。
残すはポウラスタのみだけど、これで華ヤカが終わっちゃうのが本当に寂しいので、プレイするタイミングはここぞというときにしたい。そのぐらい自分にとって大切な作品にのし上がってくれたのは嬉しいの一言。


遙か6FD&時果ては見事konozama中なので、部屋を片付けながらゆったり待ちたいと思う。思えば遙か6のときも、密林で注文はしなかったけれど雪害で到着が一日遅れたことを思い出した。今はヤ●トのお問い合わせ番号を抱えたまま、雪山に埋もれたいと思う。マジで一晩で埋もれるぐらいの雪山が出来上がってて震えている今です。
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