全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

03 2009

車輪というより、歯車の国(車輪の国、向日葵の少女 感想)

ウイルス性の風邪にかかってしまい数日間発熱と下痢に苛まれるという素敵な仕打ちにあったので(私とウイルスとのドMプレイ)、感覚が鈍った状態で久々に男性向けにも挑んでみようと思い、今更ながら語りつくされたであろう名作「車輪の国、向日葵の少女」をクリアしてみました。

ここ最近でやった男性向けと言えばFateぐらいなもので、そのFateも一年以上前にやったので本当に久々でした。「おお男性向けとはこんなものか…」と改めて思わされたというか、男性向けと女性向けの違いに面白さを感じることが出来ました。
まあライターさんによって人それぞれ違うでしょうが、交互にやるとなかなか感覚が違うんだなと。男性向けは歴史も長く幅も広いのでやるゲームによると思いますが、それにしてもエロシーンの女の縋りようが。乙女ゲだと割と本気で嫌がってるところを、男性向けだともっとして!な感じになっているのが面白かったです。
いや、車輪はそういうゲームじゃないんですけど、男女の違い的な意味で、ほら。


そんで、中身と言えば……期待していたものより可もなく不可もなく、といった感じ。
設定はすごく凝っていていいなあと思う。時間を禁止される、親の言うことは絶対、恋愛してはいけないそれぞれの罰則に意味があり、それぞれの登場人物に過去がある。そしてそれを破ったらどうなるか、多くを語らなくても法月という特別高等人という権力をもった人によって、それがどんなことなのかを知ることができる。
ただ、なあ……キャラクターが立っているというより、ストーリーのためにキャラクターが動かされているという感じがしなくもない。伏線はとっても綺麗に貼られていて、おおー!となるようなどんでん返しも用意されてるのに、各々のキャラに『こう動けば解決する』っていうのが見え隠れしているようで。それまでは伏線もきちんと張られていて引き付けられるんですけど、オチでマズッたかなあという印象。

この物語のピークは第一章、良くて第二章だと思う。つかみは本当に面白かったです。一味違った主人公、衝撃のプロローグ、主人公の過去とみんなの関係……設定の説明もわかりやすくて引き込まれるかなあと思いきや、第二章でお?となり、第三章であれ?、第四章で……。、第五章でそりゃないだろ、と。
第三章の灯花の話では、親子の絆ってあんなものかなーって思ってしまう。まあどっちの親もどっちもどっちって感じでしたが(実の親は灯花が小さい頃に虐待、育ての親は罰則を課して灯花をひたすらしばりつける)、ずっとどちらかを選べず悩んでいるのにはさすがに「これ絆?」と思ってしまった。主人公も最後の最後では灯花に対して『もう灯花は自分で意思決定出来ない女の子になってしまったのかも』と諦めモードに入るし。第二章と第五章のさちと夏咲の話では諦めずに割と頑張っていく記憶があるんですが。

最後の最後でくりだされるどんでん返しには本当に驚かされるんです。
ただ「法月の左足が悪い」という主人公の固定概念で法月に敗れたにも関わらず、
「主人公が麻薬中毒だった」という法月の固定概念で法月が主人公に敗れてしまうのかが分からない。その間たったの一ヶ月ですよ。憔悴しきっているとはいえここまで主人公の上行って来た法月が、同じ理由でやられるとは思えない。
最後の最後で法月が見逃した、という理由も少し理解しかねるものだった。ここまでとことんヒールで居てくれたのに(多少のブレはあったけど)、法月のわずかな隙をついて倒したからという理由でというならちょっと物足りないような気もする。

最後のお姉さんの演説については開いた口を閉じるのも忘れるほどのがっかりだった。ここまで来て、言うことがそれかと。もうちょっと納得させてほしい。

章が進むにつれて、主人公の「頭がいい」という設定がどんどんぶっ壊れて行っているような。後先考えず、ただの欲求だけで夏咲に自分が昔仲良くしていた友達(恋人?)だったとバラすし。最初に感じた頼もしさがどんどん薄れて行って本当に残念だった。

でもですね、私はこの主人公、森田賢一が好きです。エロゲーマーとしてではなく、乙女ゲーマーとして!
乙女ゲーにはいないキャラですよ、ここまで殺伐としていてゆるゆるなキャラは。それに女性に対して奥手なようでいざというときやる男。ヘンに気取ってないし、時折ヤバめな感じがするのが私好みで下。
卯月セピアというやばいのかまともなのか分からないキャラも好きです。
でもどちらも、攻略対象にして、彼らを攻略するのは難しそうだ。乙女ゲーでもそうですが、この二人は尋常ない過去がついてまわるので、オレに近づくな、とか言われたら本気でどうしたらいいか分からなくなりそう。
セピアは攻略されるキャラじゃなく、攻略してくるキャラだと思う。


ちょっと厳しめの感想でしたが、面白いところは面白かったです。じんわりくるエピソードもあるし、鬼気迫る演出もあったと思う。ただ私のピークが第二章の中盤あたりだったのでそれ以降は足踏み状態だったかなあ。
勢いはあると思います。あとはギャグの感じとか、文章の書き方、ストーリーの好みが合えばぴったりくるゲームだと思う。私はギャグは結構好きな感じなので楽しめました。なかなかにクスリと笑わせて頂けた。

ということで、全国のモリタケンイチさん大勝利のゲームでした。灯花は特に「森田賢一」連呼してましたから、美味しいですよ、ええ、本当に。
金色のコルダのアニメ版でヒノカホコさん大勝利だったのと似たような感じなのを思い出しました。

とはいえ私、本名プレイというのを生まれてこの方一度もしたことがないのでいざ呼ばれたらビクッってなるんだろうなと思った。