全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

27 2017

細波エース ルート 感想

まさかの逸材が居た。(※今回攻略したキャラではない)

そんな逸材の話はあとでするとして、全体的な流れとしてはなんとも言えない部分もあるし、突っ込めば埃だけじゃなくいろんなものがガンガン落ちてきそうなほど粗はあるのだけど、思ったよりも不快感は無かった。
かと言って薄気味悪く笑えるような萌えも無かったし、突っ切って戻ってこない感じのシナリオかというとそうでもないし(突っ切ったキャラが居て声出して笑いはしたけども)、なんとも中途半端な作品なんだけれども、自分はこの物語は嫌いじゃないなあ……いやかと言って好きと言えるほど気に入ってるわけでもない。もし自分が乙女ゲーにずっぷりだった頃にプレイしていたら、パッケージに向かって指をカツカツさせながら「お前の行動が理解出来ないんだよこの野郎」とか言ってそうな気がするが、割りと乙女ゲーに対して引いた目で見られている今は、その辺の粗を流せた気がする。突っ込む気すら失せるほど突っ込みどころがあったというのも否めないけれども。

でも確実に一つ言えるのは、つまらなくは無かった。私がゲームをするにあたって一番辛いのは面白くないとか表現が不快とかではなく「つまらない」と思うことなので、なんだかんだ楽しんだんだと思います。たぶん。この後に前回のRejet作品をプレイしたときのように脇に便座を抱えながらプレイすることになるかもわからんけど。つーかディアラバ声優多くないっすか、今回のエースルートでも「キスしたら動いてやる」みたいなセリフがあって「また在宅介護か……」ってちょっと身構えた。せずにすんでよかった。


とりあえずテニス部のエースであるエースくん(名付け親出てこい、説教してやる)について語るよりも、なんか思っていた以上にスケールがでかい話だった。日本神話が絡んでいた。ちょっと私の中での逸材作品過ぎた星の王女3とか言うホツマツタヱゲーを思い出しかけたけど、あれに比べればまだ良くわかる日本神話をやっていた。謎についても真相ルートで主人公がプレイヤーに対して「これが答えです!」なTHE解説をしてくれるので、話がワケワカメでウィキペディアを隅から隅まで読まされてもまだ理解できないようなことはない。(経験済み)

正直言えば話の流れに関してもお世辞にも上手いとは言えないんだけど、やっぱ憎めない……どこか憎めない。
エースが主人公の友達と付き合うだの付き合わないだのゴタゴタやった後に主人公側も別の男と付き合うだの付き合わないだの似たような展開をグダグダやられて話を伸ばされても、仲間がバンバン離脱していってもさほど悲しまずに「みんな死んじゃったけどとりあえず俺達は頑張って生きよう!」みたいな根本の問題ごとほっぽりだして自分たちの幸せを突き詰めても、修学旅行係で集まってんのに次第に修学旅行が忘れ去られていっても、私たちは神様だったの!とか言う主人公の言うことを「主人公だから」で二つ返事で信じられても、攻略キャラと主人公がバイクにニケツしてるのに疾走感あふれる誰も乗っていないバイクのスチルが出てきても、お兄ちゃんがちょっとを通り越してタンカに乗せて病院へ駆け込みたくなるぐらい気持ち悪い感じでも、それでもなんだかこの作品は憎めないなあって思ってしまった。
展開も描写も魅せ方の上手い下手を語ってしまえば必ずしも納得したとは言えないし、上記したツッコミはごく一部で叩けばもっと出てくるツッコミどころはあるんだけども、それら引っくるめてまあなんだかんだ楽しめたなって思えた自分がいるのを否定できない。どうしたのか、ディアラバで手足をジタバタさせていた私もついに丸くなったのか。

どうしてなのかなと考えたけれども、一応ちゃんと納得出来るポイントが抑えられていたからかなと。これはあくまでも自分が納得できるのであって他人が納得できるのとはまた違うのだけど、イライラするようなうじうじした主人公の性格も一応理由付けはされているし、どこ好きになった?って思いつつもあまり中身のない楽しげなキャラたちのやり取りが中の良さを後押ししてくれ、「まあ高校生なんて中身のない会話が9割超えしてたしな」とも思える。ちなみに私は10割スッカラカンな会話してた記憶があるのでそれに比べりゃまだ良いほうだ。
上手いシナリオは確かに好きだが、私は自分がある程度納得できるポイントさえ押さえられていればそこそこ気に入る簡単なオツムなので、今回はそれが幸いした。

……かといえやはり感動できたほど心が動かされたわけじゃない。
主人公たちの仲間の死に対しての心が不動すぎて逆に感動を覚えるレベルだった。終盤、恋人以外の仲間の男性が「ここは俺が食い止める!お前たちは先へ!」という言葉を、大して後ろ髪引かれもせず恋人と一緒に遠慮なく先に行ってしまうのは「友情より愛!女より男!それでこそ乙女ゲー主人公だ!」と手に汗握った。一応唯一の女友達(遠慮なく裏切られたけど)が異界のモノとなってしまって消滅した時もあまり後を惹かずに男とイチャコラされたときは「さすが」と静かに頷いたもんでした。


そしてここまで今回攻略したエースに関して殆ど語って居ないのだけど、いやもうこれ兄が逸材過ぎて正直兄がどんなことしでかしてくれるかワックワクして真相ルートで「僕はハルカを愛してる。だったらアイツだって俺を愛して当然だろ?」とか言って来てギリッギリで笑うの堪えてたらネジが「なんかコイツヤバくね?」って返しててもうゲラゲラ笑った。笑顔ってほんと大事……私は兄のことをなんだかんだ憎めないんだと思った。なんか気色悪さがクセになってきた。そして滅亡ルートであっさり消されるオチも含めてコイツのポテンシャル凄え……と他人のルートなのに唸ってしまった。
エースに話を戻すと、まあ普通に普通のカッコイイ男の子だった。日本神話と織り交ぜた話だったけど、その日本神話的にも攻略キャラたちの立ち位置が特別というわけではなく、正直敵側の方が個性的過ぎて没個性なってしまっている。そして彼はとてもまともだ。周りが度を越したまともじゃなさなので埋没してしまっている。そして大変申し訳ないが私はぶっ飛んだキャラに惹かれる傾向にあるので、エースが苦しんでいても正直がんばれがんばれ~的な頭に少量の砂利しか無いようなまるで重さのない応援しか出来なかった……すまない。


真面目に考察するなら、このゲーム、エンタメ的な共感性薄いなと思った。共感性と言うか感情移入と言うか……。
まず主人公はウジウジメソメソする。主人公の表情絵が小さくわかりにくいが、気がついたら泣いてた事がままあった。正直また泣いてんのかと思ったことが何度もあった。
あとなかなか決断出来ない、シナリオに動かされているのは分かるが、エースに告白され自分が性別がないことをちゃんと言わなきゃと言いながらエースも聞きゃしないし主人公も言おう言おうとして結局言わずに、その性別がない問題はいつの間にか無かったことにされていた。
これらの主人公の意志の弱さは「変な人間を引き寄せる」「関わると周りが不幸になる」という体験でこうなったと理由付けがされていたから納得は出来たが、乙女ゲーではまず多くのプレイヤーが感情移入するであろう主人公があまりにもそれらの要素が薄いと難しいだろうなあと思った。自分はこれも個性のうちだと感じてそこも楽しめてましたが。

女子からいじめられる描写があったけれども、顔が可愛くて、無条件で男に言い寄られて、周りにはなんだかんだイケメンが集って……そりゃいじめられてまうわ、と。いじめ描写はそれほどエグかったわけじゃないが、いじめられる理由には納得がいった。もちろんこれはいじめを肯定しているわけではないが、性別が女性ならば女子ならではの陰湿ないじめなんて小学校でも中学校でも高校でも大学でもはたまた大人になってからでもあるもんだ、困ったことに。で、その中で大体「どうすればいじめられないか、かつ、自分が納得できる行動を出来るか」を学習していく。主人公に関しては特に気が弱く、それがまた周りの女子からの反感を買うんだろうなーと、女性が書いたシナリオだからかそこはすごく納得できた上に面白かった。

しかしこれがエンタメ的な感情移入を得られるかってーとまた別の話で。大体多くの人が女性社会に少なくとも一度は辟易しているんではないかと思うんで、ゲームの中でもこれをやられると「もうええやろ」的な気持ちになってしまう部分も残念ながら分かると言うか。主人公が虐められてるとわかった男性陣が一斉に「俺達が解決してやる!」ってなっても『それは火にガソリンだ。とても良く燃える』と分かっているからそう言われても「やめてくれ」としか思えないし、それに乗り気でない主人公の気持ちもある程度わかった。


またエースルートの感想から脱線したな……この際だからこのまま脱線するけれど、インターホンの音が我が家とよく似てて来客が来たのかと何度もリアルのインターホンを覗かされたのは軽く許してない。もう騙されない。もう騙されない(戒め)。
エースの過去についてはいい具合の陰鬱さでそこが好きだったんだけど、そこはあまりほじくり返されなかったので残念。もっと痛めつけられたかったけど、この描写が乙女の限界なのかな、とも。

あ、そうだ。セックスが無いのは個人的にとてもびっくりした。一般ゲーでのセックスをマジ許さないの会に属している身としては(自分でもなんだかよくわからないがあまり納得行かないのである)、ディアラバで初セックスで青姦などを決められて泡を吹いて倒れたため、まあそんな感じのが来るから心の武装でもしておこうかと思ったらまさかのキス止まりで終わった。胸をガッツリ揉みしだくとかも無くて、「どうしたRejet正気か!元気か!?」と思わず心配してしまった。……何故だろう、求めていたはずなのになけりゃないで元気を無くしてしまったかのように感じるのは……いや、無いのを推奨しているのは変わりないんですけどね。

ちなみにグロさについても許容範囲だった。グロの中でも柔らかめの表現で、ある程度グロ耐性ある人なら大丈夫かと。グロいスチルとかは出てこなかったけど、SEがバキバキ言ってるので辛い人は辛いかもしれない。

とりあえずこのまま推奨攻略順のまま行ってみる。もうなんか気色の悪い兄に視線を奪われてしまっているが……他の四人頑張れ。超頑張れ。
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