全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

09 2017

笹塚尊、岡崎契ルート 感想

前回、世界観に一通り突っ込んでスッキリしたせいか、二週目以降は比較的楽しく進められている。多少ブランクはあるとはいえオトメイトゲーもやりなれたのか、世界観に都合の悪い疑問の扱い方に慣れてきた。とりあえず全部心のゴミ箱にぶっこめばいい。慣れるのは間違っているような気もするがもうこの際ご愛嬌だろう…。


●笹塚ルート
愛あるドS、よくわかってらっしゃる。好感度最低ランクのキャラが、主人公最愛に堕ちていくまでの模様は本当に乙女ゲーの醍醐味だなと思えるルートだった。
笹塚の「罵られるのが好きなら言えよ。泣くまでいじめてやるから」は思わずスクショった。もうホントお手本のようなドSセリフで私の中で拍手喝采が巻き起こってた。あと「バカ」の使い方も笹塚氏は大変よくわかってらっしゃる。最初は本当に馬鹿にする目的で言ってた「バカ猫」が仲良くなるに連れて照れが含んだ「バカ」や本気で怒った時の「バカ」など、この二文字の単語に色んな感情や意味が込められていく様子がほんっとうに悶えたし可愛らしかった。
気がついたら一緒に寝ちゃってそこからぐっと仲良くなっていくのも、何度となくみた展開ではあるけれど、笹塚らしい言葉のエッセンスも交わっていい味を醸し出していた。美味かった。「大丈夫だ、ヤッてねえ」は大笑いした。あと宅飲みで酔っ払って本音がでる展開もある意味新鮮でとても良かったな。乙女ゲーでありそうでなかった展開かと。でもお酒普通に飲んでる様子を普通に受け入れて見ている自分がいることに気づいて少しだけ悲しくなった。

ひねくれ者の笹塚が何故警察という厄介な組織に入って、そしてそこを離れ、それでもなお事件を追い続けるまでの過程がちゃんと描写されていて納得することも出来た。目の前で大切な人を奪われた苦しみと、何もできなかった自分の無力さへの後悔と。そしてその過去を、笹塚が心を開いたところで明かされるのがまたなんとも言えない気持ちにさせられた。笹塚と主人公がじんわり仲良くなっていくのも違和感が無かったので、乙女ゲーを楽しんでいる感覚を取り戻せたのは感謝だ。愛あるドSによるいじりが良かったのは前述したけれど、一生懸命対抗しようとする主人公も可愛かったし、その反応を楽しんで笹塚も心救われた部分もあったんだろうなと。好きな子を敢えていじめるタイプ。
笹塚は自分のことをアドニスにも行きかねないと分析していたけれど、そうかもしれないし、そうではないとも思った。アドニスって弱い人に力を貸してあげる的な部分があると思うが、笹塚はきっと自分自身でやらなければ気が済まないタイプだろうから。とはいえ加害者を殺したいと願う笹塚の思いを私は否定できない。アドニス側に行かなかった方を強いとも思わないし、アドニス側に行った方を善とも思わないが、自分の大切な人を失った原因を憎まずにはいられないというのはやっぱ否定が出来ない感情のような気がする。

笹塚自身の問題とは別に、追う事件としてネットいじめを取り上げたのは今の時代に発売されたゲームとしては非常に感情移入しやすい題材だった。オンゲーでのネットいじめが題材で、自分はオンゲーをやったことはなく友人から話を聞いたことしかないけど、それでもめんどくさいことに巻き込まれたことがあると言っていて…どこにでもそういうのあるんだなと。方法は種類が違うとは言え、やっていること、受ける傷は現実でもおんなじことなのかなーとぼんやり思った。そしてコンピュータ系に強い笹塚の煽りとネットの誘導スキルが本当に上手でとても感心した。

まさかとは思うけれど笹塚のための銃刀法の解除という設定じゃないだろうなと思いたい。笹塚が銃を憎む理由とその信念、思いについては綺麗に描写されていたし感情移入も出来たんだけど、それのための銃刀法解除だとしたらちょっと設定としてはやり過ぎじゃないかと思うんで。というか銃刀法解除に関しては私の中でどうしてもゴミ箱にぶっこめない疑問過ぎて……。
とはいえ、笹塚らしいやりとりもあったし展開はダレることがなくて楽しんだ。全体的にまとまりがあって綺麗な話を読ませて貰った。


●岡崎ルート
久々の死にたがり系男子だった。でも岡崎が死にたがりだってことは言動でなんとなく察せられたので驚きはしなかった。二次元において飄々としていつも笑顔で変わったやつは絶対裏が在るもんだ。
笹塚のようなちょっとだけ特殊な生まれで変わった過去でもあるのかな、と思ったら意外と現実的だった。これはSPという職業という点においては現実的という意味で、警察なら仲間を目の前で失うということは有り得ない事ではないだろう。ただ岡崎には過信があったし、岡崎を裏切っていた仲間に助けられた今が在ると言うのは、岡崎の性格上、かなり酷なことだったのかな。いや、岡崎でなくても酷なことだけど。今の岡崎に至った心境はとてもよく理解出来たけど、出来れば岡崎がSPという特殊な職業に就こうと思った動機をもうちょい詳しく知りたかった。

この作品の性質上、主人公は物理的な最強ではない代わりに、精神面に置いて真っ直ぐでアドニスに脅されても『正義』を貫く強さを持っている。岡崎に置いてまさに理想の人物で、「君を守って死にたい」というどういう性癖なんじゃそれな告白もされた。岡崎が言うには自分の理想の人間を守って死ぬことは「意味のある死」らしい。この定義が正しいとかそうじゃないとかどうのこうのは別にしておいて、残された側な岡崎が、残された側の気持ちを一切理解して居ないところが奇妙で良かった。岡崎は「死なせてしまった」という後悔だけで成り立っている人間だから、残されたというよりも「守れなかった」という思いのほうが強かったんだろう。でもこれもまあある意味残された側の気持ちか。もちろんこの件で主人公と衝突するが、そこで今までのやり取りを絡めてお互いに気持ちを自覚するのは、読めた展開だけどとても萌えた。猛烈に萌えを補給していた。
そして岡崎がまた「残された側」になるBADEDが在るのがほんともーー超美味しかった。主人公を失うという事実が来て、ようやく残された側の気持ちを体感し、後悔し、絶望する。大切な人が死んでしまって自分も死にたいと思いつつも生きなければならないという葛藤で闘う余韻もまた良かった。カラマリのBADはどれもあっさりでわけわかんない内に死んだりするので消化不良だったのだけど、このBADは切なさがあってとても良かった。

あと首輪で盗聴されてるのにおっ始めた時はもう床をのたうち回りながら笑った。大笑いした。黒幕が大体分かったので、黒幕がこれを聞かされた気持ちを考えながらプレイしてしまった。というかこのおっぱじめる前に盗聴されていると知っていて岡崎が黒幕を煽るのだけど、そこで黒幕が反応しなかったあたりで、私の中で黒幕のムッツリスケベ説が定着してしまった。絶対聞き耳立ててガッツリ聞いてただろ、おい、わかってんだぞ、生活音とか聞いて正直興奮してただろコノヤロウ。
でも盗聴されてるとわかってて敢えて挑発するのは格好良かったし萌えた……もう命の危機とかかなりすっ飛ばしてるけど、岡崎じゃなくとも黒幕にとって主人公がフォーリンラブなのが筒抜け過ぎてもうなにやっても許されるんじゃないっすかね……。

あ、そうそう、岡崎の後輩の吉成くんめっちゃいいキャラしてたなあ。可愛かった。岡崎がある程度立ち直れたのは吉成くんのおかげでもある気がする。恋のキューピッドも務めるし、ナイスアシストだったし、肝心なところでちゃんと先輩を立てて裏切らないし、本当にいいキャラだった。岡崎はもっと吉成くんに美味しいご飯をおごってあげたほうが良いよ。


なんだかんだ突っ込みどころはたくさんあるけれど、やっぱり真相を解明していく過程はそれなりに楽しく各々の動機にも感情移入が出来て楽しめているのはちょっと意外。スタートダッシュで突っ込みの手が止まらなくてどうしようかと思ったが、さすがのオトメイト、萌えだけは外さなかった。

残りあと2人、それと黒幕もどんな動機あるのかわからないが攻略したい。でもここまでやると攻略対象には出来ないか。アドニスの主張に関しては全然共感出来ないけど、主人公共々悪堕ちする話があれば私はそっちが最萌になってしまいそうで少々怖い。清らかな主人公を求める黒幕と清らかだからこそ黒幕を愛してしまう展開とかいいじゃないっすか……ないか、駄目か。ください。
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