全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

22 2017

弓倉ネジ、神里キョウ、指乃シュリルート 感想

もし、この世界に神様がいるとするならば、このゲームをもっと面白くしてください。(懇願)

プレイ中何度そう願ったかわからない。多分作中のイザナミを速攻で目覚めさせる事が出来るぐらいは願った。
一周目はシナリオの新鮮味を存分に感じられたのでまだ良かったし楽しめたのだが、二週目以降はよくこれほどカル◯スを薄められたな……と思わず感嘆のため息がでるほどの文量だった。このシナリオがすごいのは、多大な文量にも関わらずまったく心に響いて来ないところにある。次々とドロップアウトする仲間たちに対して、不動とも言える程の心の揺らぎが全く置きないのはある種の才能なんじゃないだろうか。そして何よりすごいのは一応展開をちょこちょこ変えては居るものの、たどる道は基本的に同じなことである……だから読める、どうなるか読める、邪魔されても「大体次アイツが邪魔してくるな」とか読める、同じような展開の話を何度も何度も読まされた上に展開は味がしなくなるまで薄めたカル◯スを気道が詰まってむせこむまで浴びせられて辛かった。

長い、とにかく長い、何と言っても長い……長くても面白いなら耐えられるが前述したとおり二週目以降の味はお察しくださいの一言に尽きる。頑張ってシナリオを咀嚼してソムリエが如く「香りだけでもなんとか……!」と頑張っても、その香りが全部で4人×2セット(混沌ルートと真相ルート)=8回もやられると最終的に鼻から飲んで口から出すみたいな浄水器に成り代わっていた。
そして一生懸命◯ボタンを連打して速読しても、今度はシステムが阻む。演出でいちいち止まる、スキップ出来たとしてもカクカクし演出でいちいち止まる(どのぐらいカクカクしているかというと、強制スキップをかけても何の話をしているか分かるくらいにはカクカクしていた)、ジャンプ機能は未読までスキップするのでこの何か大事なものを失ったスキップ機能を悲しい気持ちになりながら使うしか無い、メール着信のSEは◯ボタンで途中キャンセルができず音がなり終わるまで待機しなければならない。途中から悟りを開くための修行だと思うことにした。作中のキャラたちの痛みが、別の痛みとなってこちらの世界にまで伝わってきているのだ。こんなに別のところに感情移入出来たことは今ままであっただろうか。(反語)

一周目の感想を残した時はまだ楽しかった。長い作品は好きだから長さは苦ではなく、キャラも展開も初めて体感したからだ。二週目以降まさかこんなことになるとは思わず、自分は改めてRejetのポテンシャルみたいなものをね、感じましたよね。


●弓倉ネジ
そんなわけで正直どのキャラもあまりこれと言った展開の記憶が無いけど、ネジで強烈に記憶に残ってるのは、主人公が自分には性別がないと打ち明けても「そんなの関係ねえよお前はお前だ!(ドン!)」みたいなこと言った後にセックスしようぜ!になったことですかね。ドン引きしながら大笑いするという体験をさせて貰ったのは久々だったよネジ、お前は逸材だ。これほど格好いい「つべこべいわずいいからヤラせろよ」は今まであっただろうか。(反語二回目)
しかもその返事を受けて主人公も「私を受け入れてくれた…!」みたいな反応をするので、私はもう御輿でも担ぐ勢いでワッショイワッショイな気分になり、よ!ご両人!やるねえ!と画面に向かってわけの分からない相槌を打つテンションが出来上がってしまった昼下がりだった。

あと化物が校舎で暴れまわった翌日に校舎が直ってたのを見て一瞬狼狽えるも「ま、いっか」とか言ってスルーした時には何故か自分の中で喝采が置きた。この大らかで広い心、すごい。とても自分には真似出来まい。あとは「来んなよ!絶対来んな!」って上◯竜◯みたいなフリされて真っ昼間にワハハハ笑った時は流石に自分はちょっとあっちの世界行って戻ってこれなくなったのかと些か不安になりましたね。

ここまで展開がほぼ一緒(いつの間にか好きになる→敵キャラAが味方になったり敵になったりする→元の世界に戻ろうとする→色々あって邪魔されて仲間が離脱していくけど愛情>越えられない壁>友情なので置いていく→ラブラブハッピーエンド※兄は大体空気)なので、こうなると楽しむのは攻略対象たちの過去やトラウマなんだけど、どれも胸クソ悪くて、でも胸クソ悪いっていう心の揺さぶられ方をされるからそこで楽しんでいたという、自分でもよくわからない楽しみ方をしていた。
ネジは過去父親から暴力を受けていて、その父親を毒殺したのだけど、作中でもオニになったネジが主人公の母親をムシャムシャバリバリーしてても主人公はハイパー広い心で許してたのはなんか読んでいて、このへんは理解できなくても良いやと正直思った。


●神里キョウ
父親がアメリカ人だけど、父親にとっては遊びだったらしく、その後父親とは別の外国人(男)に君は綺麗な子だねと強姦されかける(された?)という大リーグボール養成ギブスを解き放ったかのような予測困難な変化球の過去を持つお方。一応伏線はちらほら貼られてたので、明かされた時は「ああ~」と納得が行った。ここでプレイヤーも傷を負える部分なのだろうが、「ああ~」っていう反応でお察しください。

キョウルートの記憶は「なあ、俺の事好きなんだろ?」とかやたらと攻めてきたこと、少しは引くことを覚えろと頭を引っ叩きたくなるぐらい発情なされていた。「なあおい俺のこと好きなんだろ?俺はお前のこと好きなんだけど、俺のこと好きだって言わねえと止めねえよ?返事聴いても止めねえけど(要約するとこんな感じ)」に対しての主人公の「えっ…あっ…」って反応は、乾いた笑みを引き起こすにはもってこいだった。Rejetはこういった会話にならない系の攻略対象を生み出すのが本当に上手だ、見事な手腕だ。

キョウの妹に関してのエピソードは割りと恐怖心を煽られて良かった。アズミちゃんが化物になっていく気味の悪さとか胸クソの悪さとかも良かったし、キョウがどれだけ家族に執着していたかも感じられて良かった。しかしながら全くもって後を引きずらないのである。ちょっと泣いて悲しんだらすぐに愛を語り合うので、家族愛ですら彼らの愛には勝てない。ちなみに主人公がすぐ願えばアズミちゃんは化物になる前に助かっただろうに、選択肢ではそんなこと神に願う前に自分で頑張ればどうにかなるんじゃないかレベルのさしてどうでもいいことを選択させるのでこの世は不条理だ……。

あと事故にあったキョウが記憶喪失になって「誰だあんた」とか言ってきた時は、お前ちょっと前にその辺のホテルで一発ヤろうぜ的なこと言って主人公ドン引きさせてただろうが忘れてたとは言わせねえぞと胸倉を掴みにかかりたかった。

そんな感じでキョウルートで一番楽しかったのは、スーパーの安売りでのおばちゃんとのバトルですかね。


●指乃シュリ
シュリルートでは主人公をいじめてくる朋子との和解が比較的ちゃんと描かれていてよかった。絶対にそこじゃないところで楽しんでいるが、楽しんだもの勝ちだ。
自分を頼って貰えるような友だちになりたかった朋子と、近づきすぎて傷つけてしまうことを恐れた主人公と。両者お互いを思う気持ちもあるのに、すれ違って、敵につけ込まれて、どうにもならない結末に堕ちていくのは物悲しさもあった。シュリが「性別中途半端な主人公が友だちになっても良いのか迷ってたんじゃないか」的な考察してたけど、全然そうじゃなくて笑った。そういう思いもあったのかもしれないが、根本はそこじゃない気がする。朋子がいじめを行う前はちゃんと主人公を思ってくれていたことは心に響いたし、この芽生えるはずだった友情はやたらと暗い過去を背負わせたがるこのゲームの中では唯一と言ってもいいほどの清涼だった。主人公も主人公で、朋子を大切に思うからこそ、そして自分の異性を引き寄せる体質で中々はっきりと踏み出せない性格になってしまったのも理解が出来て良かった。
そしてルートに寄ってはちゃんと和解するのが良かった……その後の展開はいつも通りだったけど、真相ルートでは現実世界(中つ国)でもちゃんと再会してそこで主人公が一歩を踏み出した描写があったのは心温まった。

全然シュリの話してないや……いや、他の三人よりは大分楽しんでいた。過去についても実の親とは別に育てられたけど、実の親との関係はまだあって慕っていたところで、実の親が殺人未遂を犯したところを庇ったら実の親に嵌められただけだったという……これを楽しんだと評するのも如何なもんだけど、ありがちな暗い過去設定と言うよりはちょっと変化を加えた感じで読んでいて面白かった。
ちなみにこの実の親の表記が「にこやかな男」だったのは笑った。もっと他になんかなかったのか。

シュリもシュリでお盛りになられておられたけど、頭脳派キャラだし、主人公に対してちゃんとはっきり物を言え!と怒ってくれるところは良かったです。性別がないことに関してはいつも通りそんなの関係ねえだったけど、ここまで浴びるようにその反応を受けて来た身からすりゃ、知ってたと一言で綺麗にスルーできる自分が出来上がっていた。


一体何がここまで長引かせているのか自分なりに分析してみたのだけど、1回でいいイベントを複数回やったりすることが多いところも一因だと思った。
例えば、脱出しよう!→化物1に襲われる→仲間が犠牲になる→化物2に襲われる→なんとか切り抜ける→大きな岩が邪魔してる。 こんな感じの展開が山ほど来る。くどい。『道を阻まれる』だけのエピソードにここまでされると、わー大変だハラハラするという気持ちに至る前に、辿り着かなくてもいいんじゃねえ?って気持ちにされる。こともあろうか終盤になってこういう右往右往右往左往左往左往左往するエピソードが盛り込まれる。
キャラA「俺のことはいい、他の仲間と一緒に先に離脱を!」→逃げる→出口付近で敵に遭遇、キャラBやられる→キャラC「キャラAのところへ戻ったほうが良い!」と言われた時はもうどうしようかと思った。どうしようもない。
シナリオに独特の味があればまだ楽しめるが、キャラたちに「もうちょっと考えて行動してくれや」と思わせられた時点でこちらとしては虚空を見つめる瞳で◯ボタンをひたすらクリックする作業に徹するしかあるまい。

ちなみにエースルートで語った女子のいじめ描写はどのルートでも序盤だけで笑った。笑うしかない自分しかそこには居なかった……。

そんなわけで期待の大本命、マサト兄様のご登場です。兄が何をしでかすかの期待だけでここまで来たもんだ。ちなみに過去に彼が主人公に何をしたかはすでに語られているため、私は本当に攻略対象なのか?ハッピーエンドとかあるのか?とか思ったけど、彼と同じようなことをしでかした攻略対象を別のゲームで出会ったことがあるので全然オッケーじゃないけどオッケーです。返り討ちにしてやる。
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