全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

24 2017

来実マサトルート 感想 +総評

…くく…く、クレイジー!!

数多の野郎どもと殴り合って攻略してきたけれども、私の中のどうしてこいつを攻略対象にしたんだ選手権大会にエントリー出来そうなぐらいヤバかった。いや、エントリー出来そうどころか優勝を狙えるレベルだ。そんでもってつられて記憶を封じ込めてたアイツとかコイツとかソイツとかを思い出した。
シナリオやキャラ設定には賛否あるだろうが(否が9割行きそうだが)、とにもかくにもコイツを攻略対象に据えた心意気はかなり評価したい。よくぞまあこんなやつを攻略対象にしたもんだ。よく企画が通ったな、OK出した人にどういった理由でOK出したのかを問うてみたい。いや、純粋な疑問的な意味で。
しかしなんで乙女ゲーの兄はこうも変化球付与されているのか……もうちょっとまともな兄に出会いたいと思った今日この頃です。


どのルートでも途中までは空気で最後になって唐突に気色悪く「お前が好きなんだ」とアピールしてくる謎の配置をされていたマサト氏。
主人公は兄が居るように振る舞う度に母親が「兄なんて居ない!キー!」みたいなヒステリーをおこし、序盤からすでに「まさかとは思いますが、この「兄」とは、主人公の想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。」状態だった自分からすれば、神様がついている人間以外には見えないと明かされた時点で、そりゃそうだわな、以外の感想が見当たらなかった。それにしてもこの主人公と母親の「兄は居る!」「そんなもん居ねえ!」の押収は、もうわかったからどちらか譲り合ってくれ……って気持ちにさせられた。まあ、どちらも心の余裕がなかったから母は新興宗教に逃げ、主人公は内に篭ったんだろう。


そんで暴走爆走列車マサトさんが、主人公を愛するがために行き過ぎた……行き過ぎっていうか……戻って来るつもりのないロケットを飛ばしていた。

手始めに、隣の主人公の部屋の音を聴きながらシコシコやりだした。ドン引きする前に、思わず笑った。今考えればあの時の私ももし神に引っ張られ過ぎてヤバかったのかもしれない。
主人公の名前を呼び愛してる愛してるを連呼しながら(隣の主人公に聞こえるからもうちょっと抑えとけ、な)、「ふう……。」(原文ママ)とか言って一通りのシコシコ自家発電が終わった後、決意新たに主人公の周りの野郎どもを排除することを誓う兄。せめてパンツを履き替えてからにしてくれ。
しかしながら久々の乙女ゲーでの逸材登場に、このあたりからもうテンションがうねって捻れいた。

兄の下半身的な意味での暴走はこれだけではとどまらない。
主人公が入り終わった後の浴室でまず深呼吸をする。そして主人公が浴びたお湯の湯気を肌で感じ取る。プロフェッショナルとはまず入りからして違うものだ。
次に排水口を開け、主人公の抜け毛を取り出す。兄のあまりの才能にここらへんから震えが止まらなかった。しかしプロとは常人の想像を超えるものである……兄は抜け毛を手に取っただけでは飽き足らず、その抜け毛の先に舌を這わせて絶頂テイスティングしていた。
流石の自分もビビった。
それ以上にこんな絶頂の仕方するやつを乙女ゲーで出会うとは思っても見なくて、不思議と笑いが止まらなくなって怖かった。

しかしながらマサト氏の超変化球オナニーはこれだけでは終わらない。……残念ながら終わらなかった。(震)
主人公の足の爪切りをする兄、指の間をさすさすしたりしていたが「お前のポテンシャルはそんなもんじゃないだろ!」と前回の衝撃が忘れられぬ自分に、兄はその爪を小瓶に入れて飾ることを決意。その小瓶を振って音を堪能した後、匂いを嗅いでいた。

私は一体なんのゲームをしているんだ。

大体このあたりぐらいから、実は兄は二重人格で裏の気色悪いマサトと表の聖人みたいなマサトが居ると明かされる。
正直へーそうなんだ程度のリアクションしか出来なかった。というか私はマサトは心からのクソ野郎であって欲しかった。突き抜けていて欲しかった。その道を大きく外れながらそれでも断トツ1位を取るような爆走をして欲しかった。そのぐらいのかっ飛ばしたキャラで居てほしかったなあ……そのほうが大いに気持ち悪がられるし、もっと記憶に残るキャラになれたような気がする。私の中でマサトが伝説になりきらなかったのはそのあたりが原因。
でも表のマサトも裏のような感情を持っていたから裏が生まれたのではと思うし、自分は身の内に無いものは表現できないと思った。だから裏表合わせてマサト本人なんじゃないでしょうかね。表マサトは否定したいだろうけど。


そんなこんなで、裏マサト氏が頑張って主人公の周りに居る野郎どもをサックサク排除しに掛かる。あっさりすぎてかわいそうになるぐらい。自宅のリビングで死体を飾ってたのは中々なホラーだったけど、妖怪妹の抜け毛むしゃ男を見てきたのでぶっちゃけそちらのほうがおぞましかった。このホラー展開もスチルはないので視覚的な怖さもない。
ちなみに裏マサトがバレてからは一回また強姦される。九鬼兄弟の前でセックスしようぜ!って言い出した時は、この兄はどこまでゆくのだろう……と途方にくれた。でもここまで来ると揺り動かされない心が出来ているのがすごい。ちなみに主人公も強姦されているのにあまり動じて無くて笑った。すごい。この兄にしてこの妹有り。
最終的に、「この人はこの人なりの方法で確かに私を愛してくれているんだ」とわけの分からない理論で兄の愛を受け入れていた。すごい。(考えることを停止した人)

エンディングでは、元の世界では兄は死んでいるけど一緒に戻ってきて一緒にいようね!ハッピーエンド!で、改めてハッピーエンドとはなんなのかを考えさせて貰いましたね。
この兄は二重人格だったとは言え、小学校低学年の主人公が自分の父(主人公に取っては義父)に犯されているのをちゃんとした避難行動をせず(気にかけては居るけど一緒に暮らすのを許している)、兄の友人も主人公を強姦し、その後にぷっつんきた兄も主人公を強姦している。こんなにロリコンが一堂に会するのすごくないすか。これを書き込んでる自分もなんだかよくわからないレベルで半端ない被害者にも関わらず、その罪を全部放り投げてハッピーエンドは流石にどうかと思うので、自分は作中の兄が如く脳内で馬乗りになってマサト氏をボコボコにした。これはお前に狂わされて新興宗教にハマったネジの分!そのネジを嵌めるのにとばっちりを食らったネジの友達の分!そのネジにあっさりサクッとやられたキョウの分!なんかよく覚えてないけど離脱したエースの分!もうちょい頑張れば逃げれただろシュリの分!なんかムカついたからこれは私の分!

ここまで言っておきながら自分は彼のことは嫌いではない。もちろん現実的な意味でを引いてのことだけど。嫌いではない、が、気持ちが悪い。ここまで気持ちの悪さ、気色の悪さを与えて貰ったことに対しては拍手を贈りたい。そして一通りの拍手を送った後に、殴りにかかりたい。

残念だったなあと思うのは、裏マサトがここまで主人公に執着した理由が結局良くわからなかった。ロリコンだった以上の理由があまり見つからないし、出来れば動機を知りたかったな。表マサトが主人公を可愛がって守りたいと思う内に裏マサトもそのまま執着していったって感じだろうか。
あと眼帯している意味がよくわからなかった。多分シコシコに気を取られすぎてて見逃した可能性が高い。ただここ最近プレイした眼帯キャラの眼帯にあまり意味がないので、中二病になりたい時と目に負傷した時以外は皆さん外してください。


以下よりサブキャラ雑感

●九鬼兄弟
攻略キャラより正直こちら側の方が魅力的だった。でもお前らがもうちょっと頑張れば、自体はもっと早く解決していたはずだ。
母に味方したいアキラと、父側であるシズカとヒカル。アキラは生前母親を心配していたから、別の世界に来てもずっと母親を支持していたんだなーと納得がいった。あと立場が別れているから、真相ルート、帰還ルートでそれぞれ敵になったり味方になったりするのは楽しかった。が、展開は殆ど一緒だったので後はお察しください。
ブラックポストも読んでいて一番面白く感じたのは彼らだった。攻略キャラだったらまだ萌えもあったんだろうけど、そういう気持ちが一切沸かなかったからこのゲームを存分に楽しめたんだと思う、そっち的な意味で。


●来実ハルカ(主人公)
ハードモードすぎやしませんかね。幼少期に義父→義兄の友人→義兄に強姦される過去を持ちながらこれだけ精神しっかりしているのはむしろ強い子なのでは。あとキャラのEDでは兄との過去を思い出したら近寄らないでと絶叫してたけど、兄ルートではそんなこと全く無くてお兄ちゃんとデートしたいと言い出した時は本当に大丈夫なのかと疑った。大丈夫なのであればハルカさんの精神はとても強い。友達が出来ないぐらいなんだ、そんなこと屁でもないじゃないか。(まあ本人に記憶が無くなってたからなんだけども、それにしても)
ウジウジメソメソすることも多々あったけれど、この主人公は人を選ぶなーと思った。エースルートでも書いたが、この子が女子にいじめられる理由は女子ならよく分かるだろうからだ。もちろんいじめたいとは思わないが、この年頃のいじめられる要素を兼ね備えていて、もちろん原因はハルカ自身には無い所も大きいのだけど、プレイヤーがそこまで感情移入出来るかって言うとこの描写では難しいと思った。
ちなみに自分は乙女ゲーはどんな屈強な男よりも主人公が最強説を提唱しているのだけど、このゲームも間違いなくこの子が強かった。あの兄を受け入れられているのだから、強くないはずがあるまい。


【総評】
・システム

文句を言いたい。心の底から。
こんなにもシナリオが長いのだと分かっているのなら、未読停止のジャンプ機能は付けるべきだと思う。それが付けられ無いのであればサクサク動くスキップ機能は付けてくれ。スキップは何の話をしているか分かるレベルでカクカクしているし、スタート画面からロードしたら開始までに10秒以上掛かる時はマサトよりもこのシステムを殴りたい気持ちが高ぶった。あとマサトルートで一部既読スキップが効かないところがあって、強制スキップをして気がついたらEDまで言ってて2週した悲しい思い出がある。
また、時間制限付きの選択肢は意味があるとは思えなかった。周回プレイ必須のこのゲームで時間制限付きは勘弁して欲しかった。
画面効果演出(例えば、血が飛び散るだとか、SEが鳴るだとか)がもっさくてスムーズに動いてくれない。血が飛び散る度にカクカクカクって感じで、おもしろ演出になっていた。
あとブラックボックスというEDを終えた後のおまけ小説みたいなものがあるのだけど、どれも本編で語るべき話で、正直EDを迎えた後に長ったらしい話を読ませられるのも疲れた。ちなみにこれはバックログやスキップなどはなく、間違って◯ボタンを押してページを飛ばしたり、×ボタンを押して終了してしまったりしたら最初からまた読まねばならない。こんな有り難いようなそうでないような気持ちにさせられたおまけは久々だった。
仮にも乙女向けの作品を作っている会社なら、ADVの機能ぐらいはちゃんとして欲しい。それだけで次の購買意欲が失せる。

・音楽、SE
もし神で一番良かったと言っても良いのは音楽。BGMは聞くのは楽しかったし、凝っていた印象を受けた。怖がらせるための骨や肉が砕ける音のSEとかも頑張って凝ってた。
ちなみにダミヘは私は一切活用しなかったので何とも言えない。

・スチル
もっと頑張ってくれ。主人公の顔グラがパッケージと違いすぎて若干のパケ詐欺を起こしかけていた。あと体格等が崩れている部分があって、お世辞にも上手だとは言えない出来だった。モブも基本形が一緒で大体皆顔が似ているのはもうちょっと変化をつけて欲しかった。人物はあまり良い出来ではなかったけど、背景はすごく綺麗でよく見入った。
キョウの無人バイクスチル(無人のバイクがさっそうと走っているだけのスチル、キョウが乗っているらしいが私には何も見えない)がキョウのスチルとしてカウントされていたのは流石にどうなのか。無理してスチル作らなくても良かったんじゃないか。
ここでスチル居る?ってところにスチルがあって、ここは必要だろ!ってところに無いのが結構あった。

・シナリオ
やりたいことも伝えたい事もなんとなくわかったが、それに足る描写が足りず、どうでもいい描写ばかりが継ぎ足されていたのはもうちょっと推敲なりなんなりをして欲しかった。
大きい要因は、自分の身近な人の死に対して登場人物全員が殆ど引きずらない。事情を知っている九鬼兄弟とかはまだ分かるが、主人公側が仲間や身近な人の死に対して不動の心を持っていた。落ち込んだとしても割りとすぐ立ち直られたのはあまりにもあっさりだった。
また、彼らの過去もあまり引きずられなかった。もっと大いに苦しんで欲しかったし、一緒になって苦しみたかったが、目の前のことに一杯一杯で全然引きずらなかったので、どうしたらいいもんか自分も困った。せっかくここまで重苦しい設定を建ててくれたのに、それが殆ど活かされていない。内面的な描写が殆ど無いのも要因かなと。
仲間内でワイワイガヤガヤやっている描写が無駄だったとは思わないが、もう少し省いて真相の話を濃密に描いて欲しかった。全体的にサラーっとしすぎていて、ただ物語を見つめるだけなのは少々辛かった。そして大体どのルートも展開が似ていて金太郎感が拭えない。

大筋の日本神話の話は、伏線の折り込み方が若干杜撰。国語の授業でやるのはまあ譲るとしても、テレビで日本神話についてコメンテーターが解説、みたいなのはなんかもうちょっと捻って欲しい。
ただ、ばら撒いた大筋の謎に対しては、ブラックボックスを含め大体綺麗に回収されていた。疑問が残る部分はあるにはあるが、わけの分からないようなことにはならなかったし、後は脳内補完で頑張れるレベルだった。それもどうかとちょっと思うが。

乙女ゲーなので恋愛描写だけでもなんとかしてほしかったけれど、どのメンバーもいつの間にか好きになられていた。これは過去に出会っていて皆もともと主人公のことが好きだったからというのもあるかと思うが、そこはプレイヤーには見えてこない部分なのできちんと示して欲しかった。ブラックボックスを読めば少しは把握出来るが、あれはルートに盛り込むべきだったと思う。

長い話は嫌いではないが、せめて意味のある長さにして欲しい。
痛い設定は痛くするに足る理由が欲しい。
どの描写も「丁寧」ではなく「薄く伸ばした」感じがして、最後までどこにも感情移入出来なかった。

オススメ攻略順は
【 エース→ネジ→キョウ→シュリ→マサト→全体BAD・ハッピー 】
マサトが耐えられそうにもなければネジの次辺りにでもぶっこめばよろしいかと。自分はマサトで終わると心象悪く終わってしまいそうだったのでハッピーを最後に持ってきたのは正解だった。大団円シナリオはフローチャートから最後に見られるが、大団円に相応しいご都合主義を贅沢盛りしたシナリオだったけど、物語の設定が重い分、あのシナリオが一番楽しかった。九鬼兄弟攻略したかった……。


ここからは完全な余談。別枠で書こうと思ったけど、せっかく思い出したので記念に。

このゲームをプレイしながら滅茶苦茶美蕾ゲーを思い出した。先に言っておくが私は美蕾が作る電波ゲーが大好きだ。今は沈黙の艦隊となっているが、またいつか自分に手足痺れるような電波を浴びせてくれることを願っている。

それはともかく、もっと細かく語ると、星の王女3を思い出した。別記事でも語ったが、星3よりはもし神はまだ分かりやすい日本神話を解説してくれていた。わかりにくい部分もあるにはあったが、それでも立ち位置が分からない、シナリオが分からないということにはならなかった。
でも思い出したのはそこだけじゃない……上手く言葉で形容できないのだけど、なんというか空気感が似ている。あくまでもちょっと似ているなって程度で完全に似ているわけではないのだが。ぶっ飛んだ男が出てきた所もそうなんだろうなと思った。私が美蕾ゲーではなくもし神を先にやって居たら、また違う感想を残していたのかな……と理由の分からない感傷に浸っている今です。

兄は本当に乙女ゲー史に名を刻めるほどのとんでも攻略対象だった。一般ゲーながらこういうキャラを据えた勇気に自分はアッパレを贈りたい。
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