全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

03 2017

奉先、伯符ルート 感想

密林地帯のレビューを抱え震えて眠る日々でしたが、プレイしたらその酷評っぷりも分かるし、思ったよりもまあ良かったという気持ちもあるし、今の気持ちは更地みたいなもんです。意外にも。

この作品のレビューを書く前になんとなく書いて置きたいなと思う前置きは、私は「三国恋戦記への期待」と言うのはヴァルプルさん(※ヴァルプルガの詩のこと)でほぼ粉々に砕け散っており、魁を予約しプレイしたのも「まあ面白ければ当たりってことで嬉しいし、そうでなければまあそれもそれでそういうゲームもやり慣れてるからどんと来いや」みたいな割りと軽い感情だった。ただし私がヴァルプルさんに対して持っていた「恋戦記の期待」をそのまま保っていつつ今作をプレイしたらキーボードをガンガン叩いて「くぁwせdrftgyふじこ」みたいな意味不明の文字の後に「これが私の今の気持ちです」と添えた怪文章を残していたかも知れない。
改めて『期待値』という未知の感情の数値の大きさに不思議な気持ちを揺さぶられたのだが、それも含めて『感想』だと思っている人間なので。というわけで前作と比較する点は多々あります。あと無印のネタバレもあります。
……いやまあそれでも、私が前作を知らなかったとしてもくぁwせdrftgyふじこになっていたような気がする出来ではあった。特に伯符ルートとか。

以下よりキャラ感想。


●奉先
りょ、呂布だ~~~!!(逃げる雑魚兵役)
前作でも言った記憶があるが、私の三国志の記憶は私のゲーム史でも1~2を争うほどプレイした三國無双2であり、「赤兎馬乗ってるの?呂布じゃん……呂布が攻略対象なの!?」とここで気づいたほどのスッカラカンっぷりでプレイしていたのですが(そもそも董卓が攻略対象な時点で気づきそうなもんなのに)、彼はまだまともなルートだった。まともっていうか、起承転結の流れがあった。

圧政を敷く義父の仲穎をよく思っては居ないながらも、自分を信じてくれ家族にしてくれた仲穎への恩義の間で揺れて苦しみつつ、主人公もキービジュアル通り、弓矢設定を生かして戦場に立つ。最初に降りたところが戦場で子供に刃を向けられるというシビアな状況だったため、人の命を奪いかけたことに怯えた描写をそこそこじっくり描いてくれたおかげで、戦場に立っても人を殺せないことに納得がいったし、まあ一般人な主人公がトラウマ抱えてしまった後も人に向かって弓を向けられるようになっただけでも強いと思った。
本の策を参考にしつつ、主人公自ら動いて勝利を掴む流れもあり、シナリオの量はともかく、それなりのイベントは踏まえていたという印象を受けた。

途中仲穎の謎が明かされて、仲穎の嫁にされそうになって焦らされたりもしたけどなんだかんだ結局奉先と一緒になれて、仲良くなって青姦したりしてて私の中の一般ゲーのセックスをマジ許さない人格が現れそうになりましたが、青姦はともかく主人公と致したことで気づいた事が上手くシナリオに盛り込まれていたので眉を潜めながらも読んでいてそこそこ面白かった。
終わりは囚われた奉先を弓矢で自由にして色々放り出して二人でハッピーエンドって感じの若干唐突で雑な展開だったけれど、主人公の特技の弓矢を遺憾なく発揮したし、流れは綺麗だったような気がする。が、納得できるかどうかはまた別だ。納得まで至るにはシナリオ量が足りなすぎるのである。
主人公は初っ端に恋とか知らないしまだ良いかなとか思っていたのにいきなり恋に燃え上がってるし、奉先も助けて上げたのに異国の訳の分からない少女のワガママをかなり我慢して受け入れているし、いつの間にか主人公にズブズブになっていてそこそこ置いてけぼりにされた。仲良くなるイベントがないわけではなく、質および量の問題な気がした。

いやあ何度も言うけど主人公初めてで青姦はおったまげた。自然を感じたかったという無理矢理な理由で自分を納得させた時の気持ちはまた格別でしたね。あと思いでがえしでエロネタたくさん入れられて無茶苦茶萎えたのを思いでがえした。


●伯符
まとめて一言でいうと、全てが雑。でも序盤の三国志の世界に来た何も知らない主人公と伯符とのやりとりは、前作の仲謀と主人公のやり取りを思い出してなんだかちょっと胸が痛んだ。伯符の『かなり偉い人』っていう立場を気にせずに、普通に怒ったり恥ずかしがったり積極的に意見しに行くのは見ていて心に残るものがあった。

それでも展開はぶつ切りで、戦の度に流れが一つ一つ切られていて頭のなかで繋がらなかった。主人公が伯符を好きになる理由はまだわかるが、伯符が主人公のことを好きになる理由は「自分の命を助けてくれたから」ぐらいにしか見つからないのが……異国の人間とのやり取りが楽しかったっていうのも何度か描写されたから分かるが、それもまあ濃いわけではなく。確か前作の仲謀ルートで、主人公が仲謀が自分のことを気にかけるのは本があるからだと悲しんだ描写があったように思うが、なんというかそういう風に疑うこともなく……描写も展開もあっさりしすぎているのが本当に惜しいと思った。せめて話の流れだけはしっかりしてくれたらと思わざるをえない。
あと気の強い大喬が出て来るのも、なんか惜しかったなーと。とても強烈で良いキャラクターだったのに、主人公が気持ちを自覚するためだけのアイテム的な感じにされてしまって残念だった。そこから二人が仲良くなったり、主人公と伯符を叱咤したりする存在になってくれたらまた味もあっただろうに。

最後の展開は特に唐突だった。EDに入った時は、リアルに画面「は!?」と叫んでしまった。人間本当に驚いた時は一文字しかでないもんなんだな……。
というのも、街で仲良くなった少年と弓矢で遊んでたら、実はその少年が暗殺者で、取り押さえる時に少年を傷つけてしまう。それらが心の闇となって主人公が唐突に病みだし、どうにもならなくなった伯符が街で評判の医者を呼んだら「アンタが人を殺しすぎるから呪われたんだ、もう戦をするな」と武将の人間にそれ言う?なことを告げられ、多少悩みながらもやっぱ女大事だわ!になった伯符がそのとおりに従ったら無事ハッピーエンドでした、おわり。シナリオライターはここで気を失ったのか。
病みだした時点で「???」だったけど、急に入ったホラー描写の時点でもう眉間の筋肉が無茶苦茶鍛えられたし、まだ続くのだと思ってクリックした先にEDが流れた途端全身の力が抜けた。なんでこんな唐突で意味不明な展開にしたのだと思ったら、恋戦記って元々三国志演義を元にしているらしい。それによるとこの展開はそれをなぞったらしいが……そこは仲穎並の乙女ゲーフィルター掛けてもよかったんじゃなかろうか。これは三国志演義ではなく三国恋戦記魁の物語なのだから。今までは三国志演義をうまく調理して乙女ゲーにアレンジしてくれていたが、これは味付けをせずに炒めただけの料理だった。素材の味を楽しめということだろうか。

ちなみにBADENDは伯符が死んで、その瞬間主人公を伯符として扱うようになったEDだったんだけど、こちらのほうが余韻が良かった。ここから伯符を好きになる公瑾とか見てみたかったなあ。



主人公に関しては今のところ普通に受け入れられている。共通ルートがないのも、これはこの主人公の物語だからと受け入れられているし、別時代の異国に飛ばされてた身としてはまあそこそこ頑張ってる印象もある。後ろ向きで、考えていることを表に出さない描写が結構続いたりするが、もともと内向的っぽい子なのでそれはまあそれで。彼女の現状はシビアだけど、むしろそれは当たり前であって、前作主人公が恵まれて居たんじゃないかなーと。本を使わないのも、過去こういうパターンで過ごした人も居たんだろうなと思った。それがシナリオ的に正解だったかどうかはご覧の有様だけど、それはライターの力量次第じゃないかなと思ったので、本を使わないことが悪いことだとは思わなかった。弓もあまり使わない展開だったのはどうかと思ったが。
主人公は長岡くんとかの立場に近いのだと思えば、なんとなく彼女の立場を理解も納得も出来た。しかしそれを思うと師匠ってほんとすごいブースターだったんだな。情報戦に強い人って大事だ。戦いは数よりも情報に寄って左右されるらしいですし。

多分全体に言えることだろうけど、圧倒的に描写が足りない。キャラたちが近づくイベントが唐突で、「そんなんで好きになっちゃう?」程度のシナリオ量しか無いので、細かいことは良いんだよと自分を納得させるスキルが必要とされる。恋戦記でも好きになる描写や展開は疑問符が残るものもあったけれど、それは丁寧な描写かつ全体のシナリオを壊さない程度の量で補われていた。だからこそ前作は感情移入も出来たし、感動までに至ったのだと思えた。

今のところは残念に思う気持ちのほうが勝っているが、恋戦記の空気を残しているところもあるし、新しい物語に楽しめている部分もあるし、更地の気持ちのまま進みます。
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