全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

29 2018

ミサキルート 感想 +総評

よくわかったようなよくわからなかったような、煮え切らない感じで終えてしまった。全体的な構成から見てツッコミたいところは多々あるんだけどそれ以上に色々相性が悪かったのも楽しみきれなかった要因だろう。もっとエグいキャラが欲しかった。


●ミサキルート
主人公のそばに現れては理由もなく主人公を守ってくれる親切なおじさ……いや、おにいさ……?とにかく男性。
話の流れが大筋分かった時、私はミサキの正体をお前刀だろと思いながら見ていたのだけど、これは半分当たっていた。桃の木の精霊?神様が、刀を依代にしていたらしい。ごつい精霊だな、すごいな。
ミサキルートは伏線回収とネタバレのオンパレードだったのでそこはある意味楽しかった。けど、事実を語られるだけなので楽しみきれはしなかった。これは大筋の話に興味が惹かれなかったのと、内容に察しがついてしまったから。だから物語を追う楽しさも半減してしまった。

そもそもこの作品自体が日本神話を元にしているっぽいので、昨年日本神話を題材にした作品をプレイした身としてはだいたいのことが予想できたし、背景に映ってる浅草凌雲閣なんかは絶対ぶっ壊されるんだろうなと思ったらやっぱりぶっ壊されました。自分あの建物好きなのでちょっと悲しかった。でも背景に使われるだけで実際に壊れたシーンとかは背景で出てこなくて残念ではあった。あと関東大震災と絡められるんだろうなあと察せられたので、これは遙か6かメビウスラインをやるかでネタバレちゃうのはプレイするタイミングが悪かった。
それはともかく、日本神話を題材にしていながら、それについての説明があまりないのは如何なもんかと。自分も日本神話に関連する用語や内容を覚えていたからまだ理解できていたのであって、これが無かったらさらにちんぷんかんぷんなことになっていた気がする。やっぱり用語辞典が無いのは不親切だよなと。

物語の真実へと集結していく点は面白いようなそうでもないような……と言った感じだったんだけど、明かされた真実も日本神話をなぞられていて、そういう意味での衝撃もなかったのが。でもラスボスの昴后が国とか云々より女の執念だけで周りを振り回していたのは面白かった。とんでもない迷惑な話なんだけど、そこまでの強い意志で行動するキャラを自分は結構好ましく思う人間なので。ただラストで、昴后が一生懸命夫を復活させようとしていたけどもそれが上手く行かずに一緒に黄泉の国へ行くのでも満足そうだったので、こんな壮大で面倒くさいことをしなくても良かったのではと言う気持ちも拭えない。でもまあここまで来たらそんなこともどうでも良くなっていた。

ミサキについて全然語ってないが、主人公との関係性は面白かったけど、萌があったかというとうーん。昔からの家の関係もあるしお互い惹かれ合う気持ちがあるのも分かるんだけど、正直言って好みじゃなかったの一言に尽きるかもしれない。あとミサキが霊力を使いすぎたかで人の形を保っていられない、でも主人公から力を供給すれば大丈夫ってシーンが来て、自分はワクワクしたわけですよ、ようやく主人公が入れる方になるのだと。そしたらディープキスだけで済まされたので、そこはチンコツッコんで出すもの出すところだろが!って何から何まで歯車が合わなくて笑った。なんだか悲しくなってしまった。

GOODEDについては上記の昴后の行動の動機等は明かされないまま終わるのだけど、TRUEEDではラストでミサキが力を使い果たし、嗚呼余韻もいいし美しくて切なくてきれいなまま終わったなあと思ってEDが明けたエピローグで小さいサイズで復活してて本気で吹いた。別に完全に消滅したわけじゃないんだし、地元の桃の木の下で復活を待つ主人公って形のほうが儚くていいのに。
最後の最後まで合わない作品にオチをつけられたようでそういう意味では良いオチだった。いや良くない。


●サブキャラ雑感
・柊京一郎(主人公)
何と言っても、その…………何度も言ってきたけれども彼は中身が女性に近い。いずれ「だもん!」とか頬を赤らめて言いそう。怖い。どのルートでも相手キャラに居るかいないかわからん婚約者だのなんだのに嫉妬しててちょっと引いた。
もう序盤から自分の中でこの人をどう扱ったらいいのか、チンポコ付けたら良いのか外したらいいのか、うんうん唸って悩みながらプレイしていたのだけど、途中で制作陣がわざとこういう性格にしたんだと察することが出来て、こういう性格なのだから仕方がないと受け入れた。受け入れたけど納得はいっていない。
結構な度合いで自分の意志が定まらない。意志が弱いのとはまたちょっと違うような気がするし、変なところは頑固だった。ミサキからこの件に関わるなと言われても「知ってしまったからには」とか「国のために正す」とかなんとか言ってとにかく首を突っ込みたがる。そのくせ死霊には怖がって逃げたりする。その刀は何のためにあるんだ。
主人公は迷っても意志が弱くても、最後の最後で意志を決定してくれればそれで良いんだけど、ずっと悩んでたり流されるままだったのがなあ。でも元はと言えば彼の家は女系らしいし、そんな彼が女っぽいのもわからなくは……ないな、ない。
ちなみに帝大に入れるぐらい頭が良いらしいが、そんな様子は見受けられなかったのは残念。

・伊勢馨・薫
私が双子好きというのも後押しして、この二人の関係性はめっちゃ萌えた。とにかく薫と離れたくない馨の、別離シーンでの叫び声は声優さんの演技も相まって強く心に残った。馨も薫もちょいちょい壊れている部分がある所も面白い。馨についてはとにかく薫に執着しまくるのはTHE双子って感じがして双子好きとしてはたまらなかったし、薫が逃げた京一郎を楽しんで犯すBADEDは仄暗い感じがしてとても良かった。
なにより館林隊の中で一番死を受け入れているのが薫っていうのも良い。最期は本当に潔くて、無邪気な薫が居なくなってしまうことを悲しめた。あそこで館林に介錯を頼まなかったのは、館林の手を汚させたくないっていう気持ちもあったんだろうか。陽の気で後腐れ無く主人公に送って貰いたいという気持ちもあったのだろうけど。

・時任灯子
必要だったのか?と思うぐらい影が薄かった。旦那の話もなんだか有耶無耶な感じで明確に解決するわけでもなく。でも館林ルートのBADで夫を召喚して千家もろとも自爆するのは格好良かった。館林よりかっこよかったのでどうしたものかと頭を抱えた。

・雄真
雄真×時雨が見たかったです。


●総評
・システムについて

ADVとしては使いにくいところはなかった。個人的には文字フォント変更を好きにできるのは有り難い、これが出来るPCゲーは少なくなってしまったので。
良かったのは演出面か、スチルでは髪の毛が動いたりお湯や旗が揺らめいてたり技のシーンがキラキラ輝いたり。これはとても細部まで行き届いていて感心したけれど、髪の毛の動かし方だけはいびつでそこは気になった。
物申したいのは小難しい単語がわんさか出て来るので絶対に用語辞典は必要だったかと。あと、表示と読みが違う部分があったのでそこはフリガナも振るべきだったと。(撞球を「どうきゅう」ではなく「ビリヤード」と読む等)
あ、起動する時間に寄ってタイトル画面に現れるキャラが違うっていう細かい演出を地味に楽しんでいた。背景に溶け込むように小さく居るんだけど、夜になるとミサキさんが一人でこっちを見ていて怖かった。ちなみに深夜に起動すると誰も居ないのかと思いきや屋根の上に時雨さんを発見した時はめっちゃ嬉しかった。ウ●ーリー見つけた時みたいな。

・グラフィックについて
崩れていたところは見られなかったし、どれも見られて有り難い出来だった。筋肉量もキャラに寄ってちゃんと変えられていたのも良かったなあ。個人的な好みだけど、長髪キャラの髪の毛のサラサラっぷりが好きです。あと軍服かっこよかった、ショタが可愛かった。(頭を空にした感想)

・シナリオ
文章はとっつきやすいのに小難しい単語を使うから読み難いっていう、良い部分を相殺していた。文章に小難しい単語を使われても大正感が出るわけじゃないので、もっと仕草とか生活の動作とかで大正っぽいところを出して欲しかった。実際行く場所も限られていたし、行動も会話か戦闘シーンが大半を占めていたので最後までなんともピタッとハマらない感じがした。
自分にはわざと小難しい単語を使って大正感を出そうとしか感じられなかったのが悔やまれる。大正時代に活動した建築家とかもちらほら話題に出されていたけど、それはほんの一瞬だけで、知識が上手くシナリオに落とし込まれている感じがしなかった。というか千家邸がジョサイア・コンドルが設計したからうんぬんかんぬんをエロシーン中に語られた時は暁英ファンとしては心が脂汗をかいた。

重要なイベントがさらっと語られるだけで終わるのは時系列も話の流れもわかりにくくてそこで結構躓いた。過去に大体のキャラクターに関わってくる重大な事故イベントも、キャラの口から語られるだけで回想が挟まれない。主人公の過去も最初の回想だけで終わって後はだいたい今の主人公が思い出した形で語るだけだった。

あとは日本神話に触れているかいないかでシナリオが大体読めてしまう。私は別のゲームで予習してしまったので、一週目中盤辺りでどんな作品かが読めてしまって、物語の謎も楽しむことが出来なかった。大筋のシナリオは上手くまとまっていたとは思うが、前述したとおり文章が馴染みにくいので、理解して進みにくいという欠点が最後まで響いていた気がする。

キャラクターのやり取りを楽しめれば良かったのだろうけど、そこも上手く引っかからなくて辛かった。どの人も国のため、於上のためと口では言うが、結局は自分とその周囲の人に留まっていたのも感情移入を阻んでしまっていた気がする。


おすすめ攻略順は、
【 時雨→館林→千家→ミサキ→TRUE 】
ミサキは二週目からOKらしいが、最後に回したほうがスッキリ終わりやすいというか、TRUEがミサキルートなので。


主人公が総受けでも姫受けでも良いんだけど、中身が女なのは想定してなかった。そしてこれがボブゲにとっての地雷だとはじめて知ることになったのはある意味面白かったです。
文章は読みにくかったけど、それでもライターがちゃんと大正時代を調べたんだなあと分かる用語だったりに触れられたのはやはり嬉しかった。コンドルもエロシーンじゃなければ喜んだと思う。浅草凌雲閣も建築家だったりについて語られたのは嬉しかった。欲を言えばもっと思想だったり軍国について語られるのかと思ったら、そうでもなかったのでもうちょっと濃いのが読みたかった。
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