全力で頭を抱える日記

おもに乙女ゲームの感想を中心に。ネタバレご注意。

13 2009

君が望む永遠 遙ルートその2(終)

序盤で衝撃、中盤初期で同情、中盤後期でイライラ、終盤で疑問。
一行でまとめると、こんな感じだったとは思いますが、それでも最後の最後で納得させられる作りで感服せざるをえない出来だった。

しかし、途中で耐えられなくてリタイヤする人もいるのがうなずける出来でもあった。中盤ぐらいからは水月と主人公の行動にイライラさせられっぱなしで、痴情のもつれのデフレスパイラル……終わりの見えない三角関係。
途中でギブアップという選択肢が見えてきたが、それでも最後までやってよかったなあと思える出来ではありました。


遙ルートの感想というより、ゲーム自体の感想になってしまうかなと思うのだが、このゲームってプレイヤーをひっくり返すのを目的としたゲームなのかなと思った。

最初から遙寄りの選択肢しか選べないようになってると思うんですよね。それは一章で紆余曲折を経て遙との恋がようやく成就して、その状態での2章だから、好みうんぬんを抜きにしたら普通は遙よりの選択肢を選ぶと思う、流れ的に行けば。

でもそうはさせないと、じわじわゆっくりと水月のエピソードが出てくる。
遙を大切に思っていた主人公、事故後3年間のうち最低でも2年は自分より遙のことを思っていたように感じた。でもそれでは完全に駄目人間になってしまう、それでは駄目だと水月が立ちなおさせる。そのエピソードが少しずつ、少しずつ明かされていく。
水月も水月で背負っているものがあるし、それを知りつつ段々と「水月の気持ちもわかるかも」と次第に水月に気持ちが流れていく。
そして最後に遙の目が覚め、三年後だという現実と水月と主人公が付き合っているという現実を遙が受け止め、それも仕方のないことだと口に出される。
この状態でどっちを選ぶ?と問われれば「水月でもいいかな」と思えるようになっている。そういう流れや心理描写は非常に巧みで、すごいなあと思わせてくれた。


ただなあ、うーん、自分的には水月は好きではないです。主人公への想いが一途とかそういうんじゃなくて、人としてそれってどうなの?って思うことが多々あった。まあこの辺は人それぞれだとは思うのだが。
遙が目覚めた途端、身体で主人公を誘って主人公の為なら何でもするからと気を引きつける。交通事故にあい、3年間も眠っていて、目覚めても記憶障害で、それでも一途に主人公を想い続ける遙を見て「遙の孝之を見る純粋な目が怖い」という。気持ちは分からなくもないです、水月も主人公のことが好きで、駄目になりかけていた主人公を立ち直らせ、そしてようやく手に入れた幸せな時間を手放すことになってしまうのだから。
でも、それは事故にあい3年の時を失って、それでもまだ主人公を想う遙相手にすることなのかと考えれば、それってちょっとどうなんだろうってやっぱり思ってしまう。目覚めた後、混乱の中水月と主人公の交際を『仕方ない』と、三年の時を受け止めた遙の方が、私にはずっとずっと魅力的に見える。

ただ水月は何もしなかったわけではなく、あくまでも主人公の為に献身的な部分もありました。でも2章の初めで遙が目覚めてからは、主人公の気を引こうと必死になる様は保身に走っている以外には解釈しようもなく。
親友と言っていた遙を捨てようとし、主人公の抑えていた遙への気持ちが遙へ向かないように、自分に向くようにそこまでするのはいかがなもんかと思う。遙ルートの最後では、遙が「親友を大切に出来ない人は誰も大切出来ない」みたいなことを言っていたが、それこそ水月につきつけたい言葉だ、と思ってしまった。

それ以外にも、最終的に遙を選ぶ、と決意した主人公にだらしなく引きずり、寂しさで主人公の友人に抱かれ(個人的決定打だった)、遙の妹の茜に向かって
「茜は人を好きになったことがある?ないでしょ。自分のことを少しでも思ってくれればそれでいいんだよ」
のようなことを行った時は、完全に自分のことしか考えてないなあと思ってしまって駄目でした。そういう風にいう気持ちもわかるし、そうなってしまうのも仕方ないなって納得も出来るんだけれど、それが好きという感情なんだと断定的に講釈をたれる様子は……如何ともしがたかったです。


簡単にまとめると、行動として意志として物語として納得は出来るが、感情面では水月の行動には腹が立つし納得できない。ということです。
むしろこのゲームは、どこまでキャラクターの行動に納得できるかにかかっていると思う。自分的には遙の行動や処遇には不憫に思うところが多々あったというだけで、水月がその辺もっとしっかりしていれば水月にも気持ちが傾いていたと思う。




というわけで、大筋の話には納得出来ました。感情的な面を抜きにして『納得出来る出来ない』を判定するって矛盾しているとは思うが、一部納得、感情的には許せないってのがやっぱり。
ただ後半はだれてたかな、ラッシュのようにループループ。10回ぐらいは悩んではまた引き留めを繰り返していたように思う。いや、人の気持ちってそうそうすぐ変わらないもんだって思うからリアリティあるといえばあるように感じたけれど、流石にちょっと惰性っぽい。
あくまでもゲーム、あくまでもエンターテイメントなのだと。その点はもっとサクサクしても良かった。
そういうのもあって、主人公になりきったら、このゲームは終わりかなと思う。気持ち的にこんな主人公になりたいとか、好きになるかと問われれば大声でNOと絶叫します。あくまでも自分ではない、傍観者の一人だから楽しめる。
そりゃたしかに気持ちはわかるし、状況を考えれば……と考えたりもするが、娯楽性のことを考えたらやはりカッコいいもの、一本芯の貫いたアツいものを見たいと思う。
その意味で、私にとってのこのゲームでの完全に納得できるルートは、一途に一人の人を思い続けることが出来た遙ルートしかないと思った。

ただ制作者はそれをひっくり返すつもりで来ているので、水月ルートでどこまでひっくり返してくれるのかなと楽しみにしている。でも上記や前の日記で語ったように、ゲームに娯楽性はつきものなので、そういう意味で水月ルートは一番納得できないんじゃないかとやる前から感じてしまった。
というか遙ルートで相当水月にイライラさせられたので、どうなることやら……まあ楽しみです。


ちなみに第三章は完全にくっついた後のその後の問題だったんですが、結構詳しく描写してくれて楽しかったです。安心して見ることが出来た(主人公がほかの女に行く心配がないから)。
なにより遙ルートでさえハブられ気味だった遙の描写がふんだんに、弱いところや欠点などなど一途に悩み、問題を抱える姿は、主人公ともども頑張れと応援出来るものであった。なにより主人公の母親も言っていたけれど、遙は事故当時の精神状態から止まっていて高校三年生の考えのままで、ここまで状況を理解して前向きに頑張ろうというひたむきさには胸うたれるものがありました。
ただやっぱりこの第三章でも、遙の母親や香月先生が長々と講釈たれてたのがいただけなかったのかな。あくまでも他人でなく、自分の間違いは自分で間違いだったのだと自分なりに認識してほしかった。




ただ一人、このゲームで許せない存在がいる。
主人公の親友である平慎二、……貴様です。

姉のことを見捨てた水月と主人公に腹を立てる茜を「あいつは間違ってる」だなんていったり(ほとんど部外者の貴様に何がわかる)、弱った水月を諭さずいただいたり(殆ど部外者のお前に)、それに腹を立てた主人公に「水月を捨てようとするお前にこいつの気持ちがわかるのかよ!」と怒りをぶつけてきたり。
いや、お前が何したっていうんだよ、なんもしてないのに弱った水月いただいただけのただの美味しいトコどりじゃん。
ホント慎二が出るたびに貴様に何がわかる、って言いたくなる。


まあ極論を言えば、このゲームはキャラクターを許せるか許せないか。それだけであると思う。

でも慎二は許せないっす。



長くなりましたが、WEB拍手お返事。
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●琥珀さんへ
仰る通り、悶えました……昔チャットで仰っていたことが、今わかりました。やっぱりやらなければ分からないものですね。主人公の行動が、仕方のないことだと思える……カッコいいとは思えないけど、それでもどうしようもなかったんだなあ、と。
水月の行動に関しては納得出来ましたが、心情的には上で語った通り……遙のことをもう少しだけでいいから考えてほしかった。でも、理解は出来るし、水月の行動が卑怯だとも思えない、難しい。ただ遙の影が思った以上にうすくて涙目でしたが……。
ただやっぱり、ゲームには娯楽性がつきもので、ゲームにカッコいいものを求める自分としては心情的に遙ルート以外は納得できないんじゃないかなーと思います。これから水月ルートやります、楽しみです。

あと、薄桜鬼は買って良いと思います!(笑)
原田ルートや沖田ルートはのた打ち回って床にビタンビタン出来ます。主人公の行動に???ってなりますが、それさえ我慢出来れば新撰組うおおお!!ってなりますよ。沖田ルートではヤンデレの双子のお兄さんにも会えます、妹の歪んだ笑顔が好き……そんな薫兄さんが歪んでる、素敵。
お財布に余裕があれば買ってみてください(笑)
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